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    機関獣

    さにちょもとさにいち置き場

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    機関獣

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    バグで獣化した本丸。ぬるいさにちょも

    #さにちょも
    #主刀
    mainBlade
    #獣化
    animalisation

    我慢 その日たまたま通信に対応した新人は、運が悪かった。
     画面に写っている審神者は、一文字則宗に身長と筋肉を大幅に増量したような外見だった。髪は則宗よりも短いので、さらに筋肉が目立つ。
     肩にところどころ黒い模様のある、白い赤目の子猫がしがみついているのはかわいいが。
    「僕の刀なのに、バグで干渉されるのは気に入らないな」
     僕の刀、に反応した子猫がうれしそうに鳴いて審神者の首筋に頭を擦り付ける。
     見た目だけはかわいいが、噂の山鳥毛だよな、と思うと新人は生きた心地がしなかった。

     異世界出身の審神者の中でも黒識本丸は要注意、と政府職員の中では暗黙の了解になっている。
     ヒトの識と、黒い虎の黒獣のふたりの審神者で運営されている本丸。
     拐われた民を取り戻す為に、王族自身が黒本丸に侵入する攻撃性。
     堕ちた刀剣男士を一蹴する戦闘能力。
     堕ちていてもおかしくない程の虐待を受けた南泉と山鳥毛を従える統率力。
     現在は審神者としても討伐部隊としても活動はしてくれているが、あくまでも「好意」で動いているので機嫌を損ねないように、と厳命されている。
     その日、各地の本丸でバグが相次いだ。
     刀剣男士が女になってしまったり、幼児化したり、刀種変更したり、動物化したりとバリエーション豊富なバグ。
     本丸のシステムを経由して刀剣男士に審神者の霊力を分配しているが、そのシステムのアップデートに不具合が発生したようで。
     審神者の中にはいつもの事か、で静観しているものもいるが、初めて遭遇した審神者には問い合わせをしてくるものもいる。
     識は問い合わせをする前に、知識として把握してバグの解除を図ったようだがうまくいかなかったようだ。
     しどろもどろになりつつ、解説する新人の説明を黙って聞いてから一言。
    「いつ治る」
    「すみません、各本丸によるとしか……あ、でも審神者と特別繋がりの強い刀剣男士は濃厚接触を重ねる事で解決が早いようです」
     どんな濃厚接触、かあえて言わないが。
     
     政府との通信が終わった後、肩にしがみついていた子猫が立ち上がって頬を舐めるのに溜息をついた識。
     識の山鳥毛は訳ありで、独占欲が強い。懐いて恋仲になるまでは、塩対応通り越して攻撃的だったが今はその面影もない。
     これは私のだ、とばかりに人目憚らず万屋でさえしがみついてくる事もある。
     人前ではそこまでしか許していないが、その気になれば人前で性交して見せつけるのも気にしないだろうな、と思う。
     その私は神隠しを狙っているから注意した方がいい、と他の同位体に警告されたのも一度や二度ではない。
     諸事情により絶対に出来ないのがわかっているので、流しているが。
     今は小さな子猫の姿なので、この姿なら何をしても許される、とばかりにいつもより激しい。舐める舌が頬から口元に移動している。
     そこまで、と子猫を掴んで懐に入れる。
    「戻るまで昼の居場所はここだ」
     ただし、舐めたり噛んだりするなよ、とつけ足すのも忘れない。
     
     子猫の姿で識の懐に居座っている山鳥毛に、あ、やっぱり、という表情になったのは黒獣と契約している南泉と則宗。
     南泉は三毛のピューマ、則宗は黄金の羽毛龍の姿になっていた。
     まぁこの姿を楽しもう、で積極的に戻る気はなく黒獣とじゃれあって三色毛玉団子状態でゴロゴロしているのだが。
     刀種変更バグで脇差になった山姥切長義が、毛が散るだろう!と怒るがそれでやめてくれるような面々ではない。
     後で終わってから本刀達に掃除させればいい、と慰めるしか出来なかった。
     
     昼の間は懐でおとなしくしている山鳥毛だが、夜になると舐めるし噛むし言うことをきかない。
     子猫の姿では人目憚らずいちゃつけるが、それ以上、が出来ないので主と濃厚接触して戻ろうとあれやこれや仕掛けてくる。
     子猫の姿なので出来ることは限られているのだが、子猫の姿だけに見た目の罪悪感が、やばい。
     手を甘噛みするのは許したが、違うところを舐めようとするのは抑えてやめさせた。寝るときも潰さないようにしっかり抱き込んでおかないと朝には下腹にいるので油断出来ない。
     そんな攻防戦が功を奏したのか、山鳥毛は3日で人の姿を取り戻した。朝方に識の腕の中で二度寝していた時に。
    「この姿なら問題ないだろう?」
     識の身体の上で笑った山鳥毛だが、次の瞬間視界が反転していた。
    「問題ないな」
     山鳥毛を押し倒した識が笑う。
    「我慢してたのはお前だけじゃないからな」
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    刺し違えんとばかりに本性と違わぬ鋭い視線で可愛らしいうさぎのぬいぐるみを睨みつけるのは側からみれば仇を目の前にした復讐者のようだと思った。
    ちょっとしたいたずら心でうさぎにキスするフリをすると一気に腹を立てた大倶利伽羅にむしりとられてしまった。
    「あんたは!」
    激昂してなにかを言いかけた大倶利伽羅はしかしそれ以上続けることはなく、押し黙ってしまう。
    それからじわ、と金色が滲んできて、嗚呼やっぱりと笑ってしまう。
    「なにがおかしい……いや、おかしいんだろうな、刀があんたが愛でようとしている物に突っかかるのは」
    またそうやって自己完結しようとする。
    手を引っ張って引き倒しても大倶利伽羅はまだうさぎを握りしめている。
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    小さく跳ねて力の抜けたところにうさぎと大倶利伽羅の手のひらの間に滑り込ませて指を絡めて握りしめる。
    それでもまだ唇は閉じたままだ 639

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    PASTさにちょも
    リクエスト企画でかいたもの
    霊力のあれやそれやで獣化してしまったちょもさんが部屋を抜け出してたのでそれを迎えに行く主
    白銀に包まれて


    共寝したはずの山鳥毛がいない。
    審神者は身体を起こして寝ぼけた頭を掻く。シーツはまだ暖かい。
    いつもなら山鳥毛が先に目を覚まし、なにが面白いのか寝顔を見つめる赤い瞳と目が合うはずなのにそれがない。
    「どこいったんだ……?」
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    「おはよう南泉。山鳥毛はいるな」
    「あ、主……」
    自身の部屋の前で障子を背に正座をしている南泉がいた。寝起きなのか寝癖がついたまま、困惑といった表情で審神者を見上げでいた。
    「今は部屋に通せない、にゃ」
    「主たる俺の命でもか」
    うぐっと言葉を詰まらせる南泉にはぁとため息をついて後頭部を掻く。
    「俺が勝手に入るなら問題ないな」
    「え、あっちょ、主!」
    横をすり抜けてすぱんと障子を開け放つと部屋には白銀の翼が蹲っていた。
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    審神者の疲労具合を察知して膝枕してくれるちょもさん
    飄々としてい人を食ったような言動をする。この本丸の審神者は言ってしまえば善人とは言えない性格だった。
    「小鳥、少しいいか」
    「なに」
     端末から目を離さず返事をする審神者に仕方が無いと肩をすくめ、山鳥毛は強硬手段に出ることにした。
    「うお!?」
     抱き寄せ、畳の上に投げ出した太股の上に審神者の頭をのせる。ポカリと口を開けて間抜け面をさらす様に珍しさを感じ、少しの優越感に浸る。
    「顔色が悪い。少し休んだ方がいいと思うぞ」
    「……今まで誰にも気づかれなかったんだが」
     そうだろうなと知らずうちにため息が出た。
     山鳥毛がこの本丸にやってくるまで近侍は持ち回りでこなし、新入りが来れば教育期間として一定期間近侍を務める。だからこそほとんどのものが端末の取り扱いなどに不自由はしていないのだが、そのかわりに審神者の体調の変化に気づけるものは少ない。
    「長く見ていれば小鳥の疲労具合なども見抜けるようにはなるさ」 
     サングラスを外しささやくと、観念したように長く息を吐き出した審神者がぐりぐりと後頭部を太股に押しつける。こそばゆい思いをしながらも動かずに観察すると、審神者の眉間に皺が寄っている。
    「や 1357

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    DONE主さみ(男審神者×五月雨江)
    顕現したばかりの五月雨を散歩に誘う話
    まだお互い意識する前
    きみの生まれた季節は


    午前中から睨みつけていた画面から顔をあげ伸びをすれば身体中からばきごきと音がした。
    秘宝の里を駆け抜けて新しい仲間を迎え入れたと思ったら間髪入れずに連隊戦で、しばらく暇を持て余していた極の刀たちが意気揚々と戦場に向かっている。その間指示を出したり事務処理をしたりと忙しさが降り積もり、気づけば缶詰になることも珍しくない。
    「とはいえ流石に動かなさすぎるな」
    重くなってきた身体をしゃっきりさせようと締め切っていた障子を開ければ一面の銀世界と雪をかぶった山茶花が静かに立っていた。
    そういえば景趣を変えたんだったなと身を包む寒さで思い出す。冷たい空気を肺に取り入れ吐き出せば白くなって消えていく。まさしく冬だなと気を抜いていたときだった。
    「どうかされましたか」
    「うわ、びっくりした五月雨か、こんなところで何してるんだ」
    新入りの五月雨江が板張りの廊下に座していた。
    「頭に護衛が付かないのもおかしいと思い、忍んでおりました」
    「本丸内だから滅多なことはそうそうないと思うが……まあ、ありがとうな」
    顕現したばかりの刀剣によくあるやる気の現れのような行動に仕方なく思いつつ、 1555