ギャラクシー☆ダイナマイト♂一
試合前に会場の様子を確認していた帝襟アンリは、ブルーロック側の物販を見ている女の子を見つけた。綺麗に切りそろえられた黒髪を揺らす、淑やかという言葉を体現したような少女だった。ブルーロックのロゴが入ったサッカーボールやブルーロックマを抱えて、選手のレプリカユニフォームを確認している。きょろきょろとして、きっと彼女を招待した人物のユニフォームを探していると予感した。残念ながら、ブルーロックの物販に並ぶひとは疎らで、どこか彼らの面影を感じるひとたちしかいない。選手たちが呼んだ家族だろう。少なくても、それでも応援してくれるひとがいるのはありがたいことだ。アンリは少女に声をかけた。「何かお探しですか?」彼女はきょと、とアンリを見て、首にかけたスタッフ証を確認して、それからホッとしたように息を吐いた。
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