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    昔かいたはくあか。漫画にしていただいた記念碑的作品です。

    未熟で愚かで馬鹿な男 自分の感情をコントロールできないのは愚か者。人の都合を考えられない奴は未熟者。身勝手に嫉妬するのは、とくに馬鹿者。

     なら自分は愚かで未熟で馬鹿だ。恋人のいる血を分けた双子の兄に欲情して、手首が白くなるくらい強く掴んで押し倒すのも。

    「嫌なら、嫌って言えよ」
    「やめる気あるなら」
    「ないよ」

     そう言うと、猗窩座は諦めたように目を逸らした。それでも弟の暴走を許す気らしい。抵抗はしなかった。
     気に入らない。気を使われたいわけじゃない。じゃあ何をして欲しいのか聞かれると答えに詰まる。

     杏寿郎が猗窩座の首筋につけた痕を指でなぞる。猗窩座がぴくりとうめいた。人のモノに手を出してるのはあちらか、こちらか。


     ただ未熟で愚かな馬鹿な弟の俺は、欲望にだけは忠実。猗窩座の白い肌に噛みついて、自分にそっくりな顔に白い液体をぶちまけたい欲望にかられて毎夜、悶えて夢に見る。
     狂っているのは百も承知。許す猗窩座が悪い。その首に吸いついて、猗窩座の恋人がつけた赤い痕に重ねて新しいモノにする。そうしたら、兄がうめいた声で自身が硬くなった。

     やっぱりイカれてる。兄弟揃ってイカれてる。

     そしてそれを許す猗窩座もどうかしてる。思わず優しくキスしたら、ちゃんと答えるのもいけない。舌を自分から絡めてくるのも何もかも。杏寿郎がいるくせに、狛治がこうして手を出すと猗窩座は黙って受け入れる。

     悪いのは、兄だ。

     穴を服の上から触っても、猗窩座は抵抗はしない。身をよじって歯を食いしばるだけだ。穴をヒクつかせて、弟を受け入れる兄の顔は確かに感じていた。

     自分とのセックスは兄にとって、特別なようで特別でないのか。それはそれで腹立たしいのに、行為はやめられない。

     これは愛じゃない。じゃあなんだ?もちろん恋でもない。親愛か?同情か?執着か?


     誰か教えてくれ。愚かで未熟で馬鹿な俺に。
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    ほしいも

    DONE図書室デートをしている猗窩煉

    ■女子高生同士
     放課後の図書室。
     終礼のチャイムが響いたら、二人揃って同じ教室を後にする。図書室までの一階と数百メートルの距離を彼女の手を取って歩むのが、在学中で最も繰り返したデートコース。

    **

     三回巡らせた季節。四季の移ろいでデートコースの景観は随分と違って見えた。陽が長くなったとか、窓を開け放って流れ込んでくる風が気持ちいとか、夏を前に制汗剤の香りがするとか、冬の廊下は外よりも寒いだとか。特別な場所に行くわけではない、それなのに、私たちにとっては立派なデートだった。

     夕陽が差し込む図書室に通うのは、私たちだけではない。二、三年生の姿が多く、それぞれに自主学習へ耽ったり、本の世界に没頭したり、居眠りをしたりして自由に過ごしている。図書室は常に開かれていて、拒むことなく全ての生徒を受け入れてくれている。

     彼女は、家で待つ家族に図書室通いの事を、付き合っている彼女と蜜月を過ごしている。などとは言えず「受験勉強」という四文字で断りを得ていた。
     私はというと、世話になっている施設が門限さえ守りれば後は自由に過ごして構わないという放任主義だったので、完全下校の19時を知らせる鐘が鳴るまで 1447