4-6 エミリオはアマンセルと共にとある場所へ向かっていた。今朝、生まれた疑問を解くために。きっとそれがこの事件の真相を掴む鍵になる。
ルーンレイクから馬を全力で走らせ、乗り継ぎ三時間。二人は到着した屋敷の前で馬を降り、夜も遅いのも構わず、門兵に詰め寄る。
「コーネリアス侯爵に急ぎでお話がございます」
「今からですか」
「こちらは一刻を争っています。従わなければ、ミシガン家の名のもとに、あなた方の一時的拘束も厭いません」
エミリオを追い返そうとする門兵に対し、すかさずアマンセルが前に出る。女王の番犬とも称されるミシガン家の前では、一介の門兵が反論できるはずもなく。職権濫用ともなりかねないが、今はそんなことを気にしている暇はない。
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