夏の夜桜 蝉がそろそろ休み始める時間帯。昼間の暑さはだいぶ引いたが、それでもまだ蒸し暑さは残る。夏服とはいえ、制服のスカートが脚にまとわりついて鬱陶しいことこの上ない。
「ねー、詩織。せっかく期末も終わったし、アイス食べて帰らない?」
「この前、先生に見つかって怒られてたくせに懲りないね」
「あれはー!たまたまだよ!次は上手く隠れて食べるから!」
瑞稀(みずき)は暑さをものともせず、プリプリ意気込んでいる。「見つからなければイイっしょ!」マインドな彼女は懲りもせず、今日もアイスチャレンジをしようとしている。
「私はパス」
「詩織ってばマジメちゃんなんだから〜。たまにはハメ外してストレス発散しないと、爆発しちゃうよ」
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