Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    mio_godfather

    @mio_godfather

    白紫bot(手動)

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 9

    mio_godfather

    ☆quiet follow

    白紫
    やんわり事後描写あり注意
    すみません書いてる途中で飽きました……

    余韻 この世に生きる者の中で、己は最も紫鸞のことを理解している人間であると胸を張って堂々と言える。
     だと言うのに、それでも白鸞は紫鸞が何を考えているのかよくわからないときがあった。

     昨夜は互いの裸体を貪った。欲望を剥き出しにして自分も紫鸞も快楽に溺れたのだ。
     まさか里の生き残り同士で情を交わすことになるとは露程も思っていなかったが、一線を越えるきっかけなんてものは案外呆気ないものなのかもしれない。
     そんなことを、白鸞は起き抜けの頭でぼんやりと思っていた。
    「紫鸞」
     隣で俯せに寝る彼の肩を二回ほど揺らす。気配に敏感なはずの我々だが、共に過ごした夜が明けると紫鸞の反応はどうも鈍くなる。
     白鸞はハアと溜め息を吐いて困り果てた。何も言わずにここから去る気は起きない。だが、このままでは明らかに情交を匂わせたこの様子が誰かに悟られてしまうだろう。紫鸞と旅を共にしていた医者がいるそうだが、彼は弟子を取ってからは別の部屋を借りているようだ。だから紫鸞も白鸞を留まらせることが出来たのだが、紫鸞のことを今も変わらず世話しているらしい。生死の狭間を幾度となく見てきた医者と言えども、旅仲間が男色に耽っているところは見たくないだろう。
    「紫鸞! いい加減起きろ!」
     服を着直した白鸞は無理矢理紫鸞を起こす。何とか瞳を覗かせる彼だったが首が座っておらず白鸞の揺さぶりを無抵抗に受け入れていた。
    「貴様の知己が今現れたらどう思う!」
     仕方なく袖を通させ、特に首元は痕が隠れるように試行錯誤した。
    「紫鸞殿ー、起きていますか?」
     白鸞は舌打ちをした。また日が暮れた頃に出直すとしよう。
     元化が紫鸞の部屋に足を踏み入れる。
    「ん……?」
     一瞬だけ、空気が流れる感覚がした。香の煙が静かに素早く消えていくような錯覚だった。
     香炉を見遣ると火が消えてしばらく経っている様子だった。


     結局紫鸞は、元化が起こす前に目を覚ました。
     先程まで隣に居た白鸞の存在がないことに一瞬狼狽えたが、いつの間にか服を着ている自分と、陽の高さや室内の明るさを見て全てを察した。
     その極め付けに、
    「紫鸞殿、寝付けなかったんですか? いつもよりこの部屋、匂いますね……」
     残り香が普段よりきつい。
    「安眠に効く、違う薬草も試してみましょう。これで紫鸞殿に効けば不眠で悩む人を救えるかもしれませんからね」
     紫鸞は適当に頷いた。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖👏😭💯🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    mio_godfather

    TRAINING白紫
    やんわり事後描写あり注意
    すみません書いてる途中で飽きました……
    余韻 この世に生きる者の中で、己は最も紫鸞のことを理解している人間であると胸を張って堂々と言える。
     だと言うのに、それでも白鸞は紫鸞が何を考えているのかよくわからないときがあった。

     昨夜は互いの裸体を貪った。欲望を剥き出しにして自分も紫鸞も快楽に溺れたのだ。
     まさか里の生き残り同士で情を交わすことになるとは露程も思っていなかったが、一線を越えるきっかけなんてものは案外呆気ないものなのかもしれない。
     そんなことを、白鸞は起き抜けの頭でぼんやりと思っていた。
    「紫鸞」
     隣で俯せに寝る彼の肩を二回ほど揺らす。気配に敏感なはずの我々だが、共に過ごした夜が明けると紫鸞の反応はどうも鈍くなる。
     白鸞はハアと溜め息を吐いて困り果てた。何も言わずにここから去る気は起きない。だが、このままでは明らかに情交を匂わせたこの様子が誰かに悟られてしまうだろう。紫鸞と旅を共にしていた医者がいるそうだが、彼は弟子を取ってからは別の部屋を借りているようだ。だから紫鸞も白鸞を留まらせることが出来たのだが、紫鸞のことを今も変わらず世話しているらしい。生死の狭間を幾度となく見てきた医者と言えども、旅仲間が男色に耽っているところは見たくないだろう。
    1007

    recommended works