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    かずら

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    かずら

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    七夕の話の後日談2
    現パロの李→攸

    #無双
    wuShuang
    ##李攸

    「お、荀攸さーん」

    「李典くん。お疲れ様です」

    「お疲れです。よかったですね、プロジェクト成功して」

    「えぇ。本当に……李典くんと楽進くんのおかげです。ありがとうございます」

    「当たり前のことをしただけです、俺は」

    口調こそ淡々としているが、荀攸の言葉が素直に嬉しい。思わずニヤけそうになる。
    けれど、そのあとに続いた一言に、思わず眉をひそめそうになった。

    「先ほど、楽進くんと三人で打ち上げの食事をしようと話しまして……李典くん、どうでしょうか?」

    「それは…いいですね」
    (行動早いな……楽進。あーくそ、出遅れた)

    「食事なんですが、楽進くんのリクエストで……俺が作ることになりましたが、それでもよろしいですか?」

    「えっ、荀攸さんの手料理!?全然アリです!」

    「良かった……とはいえ、何を作ろうか悩んでしまって」

    そう言いながら、荀攸は腕を組み、少し視線を落とした。
    眉間にしわを寄せ、顎に手を当てて、ほんのわずかに背が丸くなる。
    それは李典にとって、見慣れた姿だった。

    「……荀攸さんって、悩んでるとき猫背になりますよね」

    「え?」

    「自覚ないんですか?」

    「はい、気付いてませんでした」

    「姿勢としては良くないですよね……でも、荀攸さんだとなんか、可愛いです」

    「か、かわ……からかわないでください、李典くん」

    「からかってないですよ。悩む時って、顎に手を当てて、小さく『うーん』って言いながら、段々猫背になっていって、で、いい案が浮かぶと、ピンって背筋が戻るんですよね」

    「……李典くんは、よく俺を見てますね」

    「え、あ……」
    (やば、喋りすぎた……気づかれたか……?)

    「その観察眼が、李典くんの勘の良さの元になっていると俺は思っています。今回のプロジェクトも、李典くんのフォローに助けられました。本当に、ありがとうございます」

    「いえいえ…」
    (バレずに済んだ……いや、これ……どうなんだ)

    荀攸は変わらない穏やかな表情で微笑んでいるだけ。
    でも、李典の心の奥では、さっきからざわつきが止まらなかった。

    ふと、荀攸が再び口を開いた。

    「では、日程が決まったら連絡します」

    「わかりました、楽しみにしてます……でも」

    荀攸が小さく首を傾げる。
    その仕草を一瞬だけ見つめてから、李典は穏やかな声で続けた。

    「今回の打ち上げは、楽進に譲ったってことで……。次は、俺にくださいね、荀攸さん」

    「……?」

    「今度は、俺が先に誘いますんで」

    「え?」

    荀攸は小さく目を瞬かせ、何かを言いかけてた。
    けれど、李典はそれを聞くことなく、少しだけ笑って背を向けた。

    (言葉の意味は、今はまだ気づかれなくてもいい。でも次は、ちゃんと伝える……言葉でも、行動でも)


    七夕の短冊には、あの時─
    「荀攸さんと、もっとお近づきに…」
    そんな願い、俺には書けなかった。

    ……けれど、願うだけじゃ足りないって、今日ようやく気づいた。

    次こそ俺の想いを、ちゃんと届かせる。
    願いじゃなくて、行動で。
    あの人に、確かに届くように…。



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