一線「お頭…峯岸、白洲会傘下に決まったらしいです」
「そうか」
「最近、白洲会の勢い落ちませんね」
「あそこは片山ってどえらいのがいるからな…そいつが関東来てから、随分シマ食われた連中多いだろ」
「竜童会の関東支部にも手を焼いてるのに…」
「…まぁ、ヘタな真似しなければ何もして来ない。出るとこ間違えなければいいだけだ」
「はい」
関東鷹山組事務所の一室。
久しぶりに事務所でゆっくりとした時間を過ごす成宮は、右腕・眞木と近頃の勢力図について話を広げていた。
この十年、関東の裏社会は随分と変わっていった。
一番は、今や最大組織として名高い関西竜童会が支部を作り、そこの支部長として若頭・大和を送り込んで来た事だ。若頭自体はまだ若かったが、その周りについた幹部達が強者揃いで一気に勢力は増した。
19176