〜天然すぎる彼女が上層部にえげつない呪いをかけててグッジョブする五条の話〜 「はぁーーー!!さいっこう!!」
お前、ほんと最高なんだけど!!!
お腹を抱えゲラゲラ笑い転げる彼を見て、なんでこんな事になったんだっけ?と任務後に出会ったあるお婆さんのことを思い出す。
任務後。時間が余ったのでみんなにお土産を買って帰ろうとしたとき、ふと建物の角にお婆さんが座っているのが見えた。
(なんだろう……?)
いつもなら気にしないのに、この時だけは妙に気になって。近づいてみると机には “占い” と書かれていて、なるほど占い師さんなんだと納得。すると、占ってあげると言われ、あれよあれよと手を見せることに。
「あんたはとんでもない人間に執着されている」
「その人間の欲が魂にまで巻きついていて、来世も離れないだろうね」
おそらく彼だろうなと思うことをぽんぽん言われ、ふふっ、と笑っていると、近いうち私に危機が訪れると物騒なことを言われ、一瞬で笑顔が引っ込んだ。
「でも大丈夫。コレが護ってくれるから」
渡された1つの玉。ビー玉に似たソレは青と白が閉じ込められていて。それに願えば、あんたを呪おうとしている奴のもとへ飛んでいくと言われ、じゃあ……と、心の中でお願いしたまではよかったのだが……
「それが、おじいちゃん達が下痢になりますように、って?」
「………………うん」
「ぶはっ!!!な、なんでよりにもよって下痢なの!!」
「だ、だって、あんまり物騒なこと、言いたくなかったから……」
誰に飛んでいくかわからなかったし……。
モジモジしながら答えると、やっと落ちついたのか、彼は私の頭にポンッと大きな手を乗せた。
「そうだね。お前はそういう奴だったね」
でも、これからは変な人に声をかけられても無視してね。モノを貰うのもダーメ!わかった?と言う彼に、うん!と返した。
翌日。
おじいちゃん達がまだお腹を抱えていると聞いて、まだ解けてなかったんだとビックリした。
(あのお婆さん、もしかしてすごい人だったんじゃ……)
おわり。