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    nigeusa720

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    nigeusa720

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    恐らく一生完成しないれめゆみr18話のエピローグ的健全部分
    フレンズで映画見てる最中のいちゃつき
    セックス書くのが難しすぎるのが悪い

     最近、黎明の様子がおかしい。
    「ユミピコー」
    「……何の用だ」
    「別に何でもない。ただ呼んだだけ!」
     予想されていた答え。だからこそ、ため息を吐いて、問う。
    「……お前はその行動が何度目のことで、今ここがどこか理解しているのか」
    「んー、40回目くらいで、ここは晨君の家かな。で、今は皆で映画見てる真っ最中!」
     そう、その通り。ここは真経津が住むマンションの一室のリビングで、今はいつもの面々と共に映画を見ている。
     見ているそれはいわゆるアクション映画であり、さほど期待はしていなかったものの、予想外に面白い。獅子神くんが作ったポップコーンも相まって中々楽しく鑑賞することができている。
     なのに、この愚か者は何をしている。にこにこと笑うこの男は、またユミピコと私に呼びかける。いい加減にしろ。
    「なんでテメェはそこまで理解していて黙ることもマトモに話すこともできねぇんだよ!映画館じゃねぇからって、騒いでいいとでも思ってんのか!?あぁ!?」
     急に立ち上がったことによる衝撃で私のポップコーンの容器が傾く、まずい。咄嗟に手を添えて容器が倒れるのを阻止すると、皆の視線が私に集まっているのに気づいた。
    「……天堂さん。気持ちは分かるけど、映画を観る時は静かにね」
    「いや、まぁ、うん。お前も大変だよな。気にしなくていいからな。ほら、今別にあんまり重要なシーンじゃなかったし」
    「マヌケ神。そのポップコーンはまだ食べ終わらないのか。なら、私に分けろ」
    「急に怒んないでよユミピコ。びっくりするじゃん」
    「……失礼」
     気持ちを落ち着け、ソファに座り直す。二名の気遣いが心に痛い。その内の一名、獅子神くんはもう一人の愚か者、村雨に新しいポップコーンを与えており、気遣いを更に重ねている。素晴らしい。愚か者どもは見習え。
    「はぁ」
     キャラメル味のポップコーンを一掴みし、口に放り込む。以前からしつこいところがある男ではあったが、ここまでではなかった。一体全体どうしてこうなったのか。私はまだ分からずにいる。
     アクション映画は現在ヒロインであろう主人公の彼女を連れて、ショッピング中だ。おそらくこれからこの女が敵か何かに攫われたり、ショッピングモールが敵に占拠されたりするのだろう。
    「ユミピコー」
    「なんだ」
    「オレのこと、好き?」
     首が少し傾けられる。用を明確にしたという点では先程よりはマシか。それでも十分に愚かであり、鬱陶しく、白々しい。なぜ神がそのようなことをしなければならない。
    「私が何と言おうとお前の考えが変わる訳では無いだろう」
    「そーいうのいいから。答えて」
     随分と軽くなってしまった頭の上に黎明の腕が乗る。重い。髪を切ってしまう前よりもかなり重い。さては態と体重をかけているな。これから解放されるために、出来ることは一つ。
     真上の顔を睨みつけながら口を開く。
    「神はお前を愛している。……これでいいか」
     視線の先の男は目を瞬かせて、頷いた。
    「うん。オレもお前のこと大好きだよ、ユミピコ」

    ◆◆◆

    「村雨。オメーが食い意地はってんのはいつものことだけどよ、今のはちょっと酷ぇんじゃねぇか」
    「……マヌケどもの痴話喧嘩にすらなってないやり取りを、私が気にする必要はない」
    「いや、でもさ」
    「マヌケめ。今のマヌケ共を見ろ」
     獅子神が納得がいかないながらも村雨の言う通りに叶と天堂の方を見ると、そこには「愛している」と「大好き」を交互に繰り返す二人がいた。
    「……何してんだよ、オメーら」
     問いかけには、天堂の方が答える。当たり前のように真顔だ。
    「黎明と『愛してるゲーム』をしている。映画を見ながらでは、やはりやりにくいな」
    「ユミピコ、ユミピコの番だよ」
    「ああ、そうだな。愛している、黎明」
    「オレもユミピコのこと大好きだよ」
     真顔の男と薄ら笑いの男が互いに愛を囁き続けている光景を見て、なんとも言えない感情を抱いた獅子神はゆっくりと真経津の方を見る。真経津は神妙な顔で頷いた。
    「映画を見ながら『愛してるゲーム』をしよう、なんて提案はひどいよね。普通に二人っきりの時とか、そうでなくても映画を見てない時にすればいいのに」
    「……それだけか」
    「それ以外になにかあるの?もしかして、そっちじゃなくて天堂さんの毛量が減ってることについて話したいの?悪趣味だね」
     獅子神もその事は少し気になっていた。今日真経津の家に来た天堂は、明らかに以前よりも髪の量が減っている。長さこそ変わってはいないが、見て分かるぐらいには密度が違う。何なら普段よりも髪に輝きがないような気さえ獅子神はしていた。
     ギャンブルのペナルティか、それとも彼が日常的にしている罪人の処罰の際に何かあったのか。そう考えていたが、どちらにしても悪趣味呼ばわりは違うだろう。首を傾げ、獅子神は真経津に不満を零す。
    「なんで悪趣味扱いされるんだよ」
    「あ、そっか。獅子神さんは気付いてないんだ。じゃあ、知らない方がいいよ。知って面白いことでもないし」
     そう言われても、一度気になってしまった以上、忘れることはできない。もはや映画を放置して『愛してるゲーム』に没頭しているように見える二人に聞くこともできない。なら、聞く先は決まっている。
    「村雨」
    「口を閉じろ。気に留めるな。忘れろ。知っても不快になるだけだ」
     普通にしていても不機嫌に見え、今日は特に天堂と叶の方を見てからさらに不機嫌な顔つきになっている村雨が、より顔を歪めて拒否の言葉を放つ。この状態の村雨にものを聞くこともできない。
     結果、獅子神は当初持っていた疑問を大きくするのみで、もやもやしたまま映画を見ることとなった。
     映画終了後本気を出した天堂によって『愛してるゲーム』に敗北した叶から真相を聞き、獅子神が知らなきゃ良かったと思うまで。後、30分。
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