禁欲生活一週間目 杏寿郎の突然の禁欲要請の一週間目が終わろうとしている。特に何事もなく平穏に過ぎていきそうなことに炭治郎はほっと胸を撫でおろした。
いくらスキンシップが多いとは言っても、そこは社会人同士だ。特に教師とパン屋という職業柄、時間が合わないことはざらにある。特にこの一週間は二人共仕事が忙しく、余計なことを考える時間がなかった。
幸い、と言っていいかどうかはさておき、来週以降も食パン等の予約が多く入っている。次のシーズンに向けて新作パンの構想もしなければならない。考えることがたくさんあるのは今の炭治郎にとってはありがたいことだった。
これなら、一か月我満するのも意外と平気かもしれないな、等と考えながら、炭治郎はその日の仕事をこなしていった。
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