research「そーねぇ。オレっちの見たところだとぉ……」
細い顎に手を当てて考え込むバティムを前に、メモアプリを開いたスマホを握りしめた。
階層式になっている闘技場は、今日も想像していた以上に賑わっていたらしい。初めに顔を合わせたのはガルムだった。こっちを吹っ飛ばすような勢いで突っ込んできたのを受け止め、久々の再会を喜びつつ、とある質問を投げかける。丸い目を瞬かせ、ガルムはことんと首を傾げた。
「ガルム、それ、知らない。答えるの、むずかしい!」
「そっか……」
「お、なんだ、珍しい客だな」
肩を落とす間もなく、ガルムの後ろからアンドヴァリが顔を出した。挨拶がてら、ガルムにした質問を彼にもぶつける。アンドヴァリは急に真面目な表情を浮かべつつ眉を持ち上げた。
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