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    ぐだンド ぐだ♂

    疲れたぐだが部屋でンド様とイチャイチャする小話。
    ※1時間でどこまで書けるかチャレンジしたもの

    アゲラタムお題 花言葉から「安楽、永久の美」


    「はー、疲れた……」

    ため息を吐き、藤丸は廊下をトボトボと歩いていた。精神からくる疲れで身体まで重い気がして肩を回す。

    「男性目線の意見もちょうだい」

    生前美容に凝っていた女性サーヴァントたちに呼び出され話を聞いたまでは良かったのだ。
    しかし、個性派揃いのサーヴァントが集まれば意見の衝突などよくあること。
    今回もそれぞれ方針の違いから言い争いが始まり、仲裁しようとすれば「男は黙っていろ!」と怒られた。
    異性の意見も欲しいのではなかったのかとか、美容に詳しい男性も多いのでその括りはとか意見できる雰囲気ではない。まして、サーヴァントになったのだからそこまで目鯨立てなくとも、なんて言えるわけがなかった。

    「はぁ」

    結局、自然解散になるまで置物に徹していた先ほどまでの気苦労を思い出し、藤丸は再度深いため息を漏らす。

    (おっと、いけないいけない。幸せが逃げる)

    気を取り直したものの、どうにも疲れが抜けきらない。

    (こんな時には早く寝るに限るな。寝る前にちょこっとおやつ食べちゃったり)

    部屋までの距離を心もち早足で歩く。こういう時に限ってトラブルがやってくるのがカルデアだ。
    しかし、幸い誰にも会うことはなかった。
    無事に部屋の前まで辿り着き、ホッと肩の力を抜く。扉が閉め切らない内にベッドへ直行したところで、人影に気づき足を止める。

    「遅かったな」
    「……インドラ様、お願いですからベッドの上では飲まないでください。後靴も脱いでください」
    「やだね。神がどこでどうしていようが神の勝手だ。人間ごときが命令できると思うな」

    どうやら、トラブルは部屋の中で待っていたようだ。
    藤丸のベッドの上へ我が物顔で寝そべっている雷霆神に、つい苦言を呈するも当然聞いては貰えない。

    (もう、舌なんか出して襲われても知らないですよ)

    勿論襲うのは藤丸であるし、この神のことなので気が乗らなければペイッとあしらわれることだろう。
    疲労困憊の今自室から追い出されるわけにはいかないので、顔を見せていた劣情をグッと胸の底へと押し込める。

    「はぁ、では靴を脱がせる栄誉を頂いても?」
    「ふむ……奉仕するというのであれば一考の余地がある。好きにしろ」

    フフンとどこか嬉しそうなインドラに、「あ、これ構われに来ただけだな」と察する。
    ならばせっかく据え膳になっている恋神を前に、何もしないのも勿体ない。

    「ちょっと失礼しますねー」
    「おい、誰が添い寝して良いと言った」

    脱がせた靴を床へ置き、そそくさとインドラの横へ割り込む。

    「ここはオレの部屋で、これはオレのベッドです」
    「だからどうした。神が寝たその瞬間からこれは神のものだ。許可なく使うことは許さん」

    本当に嫌ならヴァジュラたちに連れ出させる癖に、素直じゃない態度をはいはいと聞き流し、厚い胸板へと顔を埋める。相変わらず、見た目より柔らかくて心地良い。

    「はー、生き返るー」
    「不敬の極みだな」

    言いつつも、疲れを察してか退かされない。インドラが酒をベッド脇の机へ置く気配がする。
    触れている肌の感触を楽しんでから上を向き、恋神の顔をマジマジと見る。
    悠久を生きるこの神も、彼女たちの気持ちは分からないだろう。本心はともかく、自分は何もしていなくとも美しくて当然だとか答えそうだ。

    (それにしても綺麗だな)

    恋人の欲目抜きで本当に美しい。流石は神といったところか。それでいて永久に等しい時を生きるのだから、永遠の美を求める人間たちからすれば理不尽な存在だろう。

    「ふぎゅっ」
    「フンッ」
    「もうっ!笑わないでくださいよ」

    視線に気づいたインドラが鼻を摘んできたせいで変な声が出た。それを笑われ怒ったふりをしてみても声が笑ってしまう。

    「ぐえっ、重い……」
    「喜べ、貴様にオレの敷布となる栄誉を与えてやろう」
    「無理無理、潰れますってー」
    「フハハハ、軟弱者め」

    体勢を崩して下敷きにされる。加減してくれているのか、実のところそれほど重さは感じない。温かな身体をより強く感じて心地良い。

    (オレは永遠の美しさより、老後もこうやって好きな人と安楽に暮らせていれば良いんだけどなぁ)

    何かに固執する人って大変なんだとぼんやり考えながら、藤丸はインドラの胴へと腕を回した。
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