名探偵エレイン 妖精のお姫様であるところの聖女エレインは人間の郷に暮らすようになって、お金というものに対してほんのちょっぴり理解を深めたのでした。
「私もお金を稼いでみたいわ!」
「いいんじゃねぇか♪ 花屋でもやっか?」
そう笑顔で提案するバンの頭の中は、すでにお花屋さんのエレインの姿でいっぱいです。
『いらっしゃいませ。どんなお花をお探しですか? おすすめはこちらですよ』
白いエプロン姿の聖女が笑顔でなんかこう、きれいなお花を勧めます。バンはお花の知識が皆無なので、この辺の妄想はあやふやです。
『そうだな、お前がイイ♪』
『もう、変なおきゃくさん!』
お花だらけです。
けれども聖女は、大好きなバンの提案にもかかわらず首を横に振りました。
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