EAT MEそんなことまで報告とは、丁寧というべきか、馬鹿正直というべきか。
頭の中で浮かんだ考えに、近藤は苦笑した。いや、これは自分への誠実さだ。信を寄せる相手でありたいと願うゆえの結末なら、何も悪いことなどありはしなかった。
「構わないぞ」
「もう少し自分を大事にしたらとうだ」
快諾したのにそれは、流石にいかがなものだろうか。この疑問はきっと、おかしくはないだろう。両肩を掴んで、流されちゃいけねえと訴える姿を見つめながら、さてどうしたものかと思案した。
情に絆される気質はあると思う。自覚はしている。それも、相手は見極めているつもりだ。その最たる男が何をそんなに慌てているのか。とん、と手の甲を指先で叩いてから、そっと口を開いた。
「大事にしているぞ、歳」
「いや、それならこんなに簡単に」
「お前なら、大事にしてくれるだろう」
「は」
違うのかと問えば、向かいに座るバーサーカーははっきりと首を振る。想像どおりの姿に、近藤は満足げに頷いた。
「なら、問題ないだろう」
「だから、自分を」
どう言えばいいか分からなくなったのだろうか、土方は力なく腕を垂らし息を吐いた。
「何が付与されていようと、歳は歳だ。お前にされて困ることもないさ。だから、」
もう一度名前を呼べば、ほんのわずかに頼りなげな色をにじませて、土方がこちらを見る。かわいいなあと思いながら、近藤は両腕を広げた。
「そもそも、食わせてくれとお伺いを立てたのはお前だろう? いいぞ、存分に食ってくれ」
お前なら構わないと続ければ、ぐうと獣の唸りをあげて、土方は天を仰いだ。