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    10ri29tabetai

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    レオ監 / twst

    #レオ監
    leo.

    気怠げにかきあげられた髪の毛から汗が滴る。凶暴なくらいの牙と、じっとりと湿ったヘアゴム。無造作にたくし上げられたTシャツで汗を拭って、レオナがじいっとこちらをみた。
    「……なんだそれ」
    向けられたのは好奇でも嫌悪ではなく逡巡だった。恐る恐る手を伸ばすような仕草は王には似合わない。ボトルを押し付けるようにレオナの手に握らせると、気が利くな、と気の利かない一言が飛んでくる。
    マジフト大会の一件から、サバナクロー寮の面々の練習にレオナが同席することが増えた、というのはジャックからの情報だった。毎日の練習に対して参加するのは3日に一度、という頻度ではあったけれど、それでもその勇姿に憧れたジャックから言わせれば嬉しいことには変わりはない。
    やっぱりあの人はすげえな、と感嘆する級友のことを思い出しながら、ユウはタオルを差し出した。
    「だからなんだよ」
    「…レオナ先輩が頑張ってるって聞いたので、差し入れ持ってきたんですけど…」
    「タオルじゃなくてスペシャルメンチカツバーガーでも持ってこいよ」
    「でも、練習中だとお腹に溜まるものは悪いかなって」
    「………チッ」
    はああ、と大仰にため息を吐きながら、レオナはユウの隣に座り込む。いつも一緒のグリムは今日はハーツラビュル寮に置いてきた。レオナの様子を見に行く、と言った途端変わり身の早いことだ。それはそれで動きやすくて楽ではあるけれど。
    ちょうど、マジフト場はサッカーやアメフトの競技場のようになっていた。フィールドから一段下がって、庇が作られて木陰になっているベンチはそう広くなく、レオナが足を広げて座ればいっぱいになる。フィールドでは、箒にまたがるラギーと、身をかがめてディスクを抱えるジャックの姿が見えた。
    「練習しないんですか」
    「俺は司令塔兼監督なんだよ。あいつらの動きのクセを見るなら遠目が良い」
    「……って割には上向いてますけど」
    「あ?」
    なんか言ったか、と視線を向けられてユウは苦笑した。ナンデモナイデスヨ、とカタコトで喋るとレオナは再びため息を吐き出した。
    だるいとかかったるいとか、そんな類の言葉が飛んでくるのかと思えば、静かに作ったドリンクを逆さにしている。甘すぎる、と文句の一言と共に、ユウの方に向かってぼとるがとんできた。
    「次はひと匙分、粉の量少なくしろ。甘すぎて飲めたもんじゃねえ」
    カラン、と音を鳴らしたボトルはなんの水分も含んでいない。フィールドにレオナが戻る。きっと、すぐに汗で水分はなくなる。染み渡っていった水分は、あっという間に干上がっていくんだろう。
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