【重なる視線】ヒュンポプ良く目が合う時がある。気のせいかとも思っていたけど、どうやらそうでも無い。それはお互いに分かっていた。
城の廊下、食堂、会議中。様々な所で必ず目と目が合うのだ。そうしたら、しばらくお互いにじ、と見つめた後にするりと自然にお互いに目をそらす。それが一連の流れとなっていた。
それは、特に気持ち悪い訳でもないし、何かがある訳でもないから、気にはしていなかったけど、でも、お互いにきっと、そうなんだろうと思っていた。
「なー」
「どうした?」
「なんで見てくんの」
「…それは、お前にも聞きたいが?」
ある日一緒に食事をしていた時に、ポップが切り出したこと。この所の視線の件について。
問いかけても、逆に聞き返されてしまうのは当たり前だろう。
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