Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    kureko1703

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 15

    kureko1703

    ☆quiet follow

    129の日で勝デク短編
    プロヒネタです。書きなぐり

    オレが1番○○に出来ると牽制した話「ねぇねぇかっちゃん」

    「あ?」

    「今日僕の日なんだって」

    互いに反対方向の肘掛に背中を凭れ、向かい合うように同じソファーの上でゴロゴロと狭苦しく寝転がってスマホを弄っていると、出久がふとそんな事を言い出した。

    「は??寝言は寝て死ね」

    「え〜寝言じゃないよ、ほらほら見て見て」

    出久が見せてきた画面を渋々覗けば、#1月29日は129の日、と書かれたタグと、イラスト、写真、小説、ありとあらゆる媒体が某鳥のアプリ内で投稿されており、大変賑わっていた。どれもこれも、『デクの日おめでとう』や、『間に合った!129の日!』等、一言を付けられてお祭り騒ぎになっている。

    「…ンだこれ」

    「ほら、僕の名前って出久でしょ?それで、今日は1月29日だからそれの当て字なんだと思うよ」

    「んなこたァ見りゃ分かるんだよ。テメェの本名が世の中に出回ってる事が問題だろうが!!!」

    「えー、でも雄英の体育祭なんてバリバリ本名晒されてたんだから仕方なくない?それにかっちゃんだってよくイラストで895の数字書かれてるし、アカウントの方にも895って入ってるよ?」

    「ちっとは危機感持てやクソナード!!あと非公式のモンまでチェックしてんじゃねぇわキメェ!!!」

    ブワァアッと、勝己の素肌に鳥肌が出る。前々から、出久がほかの一般人と一緒に、他ヒーロー達のイベントの際にグッズの写真等を流してお祝いするクソナードとは知っていたが、非公式のものをチェックしていたのは予想外だったらしい。どこぞの半分野郎や勝己受けのカップリングを見つける前にそれだけは阻止せねばならぬと、勝己はこの時決意した。

    尚、なんだかんだ言いつつ勝己は常に巡回している。誰だって好きな人のオカズは欲しい。

    そんな事を知ってか知らずか、渋々と言った感じに出久は手に持っていたスマホの電源を落とした。ガチで勝己の鳥肌がすごいのを多少は気にしたらしい。

    「え〜、でもお祝いしてもらえるの嬉しいよ?」

    「テメェの為じゃねぇわ。ソイツらは自分の欲望に素直過ぎて自己供給し始めたアタマのおかしい連中ってだけだ」

    「酷い言いようだね…でも僕は、それだけヒーローとして認められたみたいで嬉しいよ?」

    「アホか、テメェはもうとっくの昔に認められてんだよ。今更そんなちっせぇことで満足してんなやボケカス」

    勝己はゲシゲシと出久の足を蹴る。蹴られた本人は、「いたいいたい」と言いながらも楽しげに笑っていた。勝己の遠回しの励ましが嬉しかった事もある。だから、きっと欲が出たのだ。

    「ねぇ、かっちゃんは僕の日を祝ってくれないの?」

    不意に、恐る恐るではあったが、出久が問いかける。勝己は、一瞬、驚いたような顔をしたもののすぐにニヤリと笑った。

    「なんだよ…祝って欲しいんか?」

    「そりゃあ…す、好きな人から祝われたら嬉しいでしょ…」

    「へ〜」

    ポポポッと途端に顔を赤くして、目を逸らしながら慌てる出久。勝己はそんな様子をニヤニヤとしながらスマホを向けた。1人で百面相している出久はそのことに気がついていない。

    「むしろ恋人に祝われて喜ばない人なんていないでしょ、ましてやかっちゃん誕生日くらいしか僕のこと甘やかしてくれないし、そう考えると僕の日なんて最高の口実活用しない手は無いというか

    『カシャリ』

    …えっ!?待って今写真撮った!?」

    「おー、撮ったわ」

    「なんで!?なんで今撮ったの!?」

    「あーっ、うっせぇうっせぇ」

    勝己は、すぐにスマホを投げ捨てるようにテーブルの上に置いた。そして、ギャーギャーと喚く出久の上に跨ると出久のスマホも奪い去る。

    「何すんだよ!」

    「あ?邪魔だから捨てただけだわ」

    それだけ言うと、自分のスマホの隣に出久のスマホも置く。そして、勝己と目が合った出久は息を飲んだ。

    「なぁ…甘やかして欲しいんだろ?だったら、テメェからもちっとは甘えてみろや」

    あまりに熱っぽい視線と共に吐かれた甘い言葉に、再び出久の顔に熱が集まっていく。そんな様子を見下ろす勝己は、舌なめずりをすると軽々と出久を抱き抱えて移動を始めた。

    「…はっ!?ちょっ!?かっちゃんさん!?!?」

    あまりの衝撃で放心していたが、我に返った出久が暴れ出す。その、結局の所に期待しているのか、"形だけ"の抵抗を鼻で笑うとギチギチと抱き抱える腕に力を入れる。

    「耳元で喋んなうるせぇ。甘やかしてやるっつってんだよ、ベッドの上でな」

    「オッサン臭いよかっちゃん!!ちょっ、くっ!!力強っ!?!?」

    必死になって出久は勝己の腕から抜け出そうとしたが、個性無しでは上半身ゴリラの勝己に下半身ゴリラの出久は敵わない。ドナドナドーナーよろしく「あぁぁあああっ」と叫んでいたが、何だかんだ言っても朝方まで2人は盛り上がったらしい。





    ちなみに、その日の某青い鳥のアプリのトレンドは、大・爆・殺・神・ダイナマイトとヒーローデクやダイデクと言ったタグが占拠した。というのも、アカウントが出来てから長年沈黙を保っていた大・爆・殺・神・ダイナマイトが、

    『大・爆・殺・神・ダイナマイト
    @Dynamite895

    #1月29日は129の日

    コレ、オレの↓

    (ヒーローデクが顔を真っ赤にしながら照れている写真)』


    と、投稿した為である。瞬く間に拡散したその投稿で世界中が阿鼻叫喚と化したのだが、出久がその事に気がつくのは、クラスメイトやら関係者から山のような通知が届いていた翌日の昼間であった。



    オレが1番幸せに出来ると世界に牽制した話



    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ❤💖😭❤☺
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works