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    百合菜

    遙かやアンジェで字書きをしています。
    ときどきスタマイ。
    キャラクター紹介ひとりめのキャラにはまりがち。

    こちらでは、完成した話のほか、書きかけの話、連載途中の話、供養の話、進捗なども掲載しております。
    少しでもお楽しみいただけると幸いです。

    ※カップリング・話ごとにタグをつけていますので、よろしければご利用ください

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    百合菜

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    「ジュリアス様、差し支えなければメアド教えてください!」

    令梟の宇宙の光の守護聖ユエの言葉に、神鳥の光の守護聖ジュリアスは面食らった。

    「めあど……?」

    ジュリアスが困惑したのがユエにも伝わったのだろうか。ユエはジュリアスに向き合い、もう一度言葉を紡ぐ。

    「メールアドレス、のことです。この間、神鳥の宇宙のみなさんにもタブレットが渡されたとサイラスからうかがいました」

    その言葉を聞いてジュリアスは思い出す。
    そういえば、令梟の宇宙に向かう前、サイラスが何やら器械を置いていったことを。
    そのときはあやしげな機器としか思わなかったが、どうやら自分の知らない機能が搭載されているらしい。
    いまいち理解はできていないのだが、器械を通して手紙のやり取りができるとのこと。

    「メールは手紙に比べてすぐに届きますし、あと不着の可能性はほとんどなくなりますので、宇宙間のやり取りをするにあたって何かと便利かと思います!」

    あと、ジュリアス様にちょっとした悩みも聞いてほしくて。
    そうつけ加えてキラキラと目を輝かせながら話すユエは自分と同じ年だという。
    しかし、いわゆる下界、しかも決して豊かとはいいがたい惑星で、でも家族や周りのものの溢れんばかりの愛情の中で育ったせいだろうか。
    どこか少年らしさを残すその眼差しがジュリアスには眩しく映る。

    彼にとって自分は敬愛すべき、尊敬すべき、守護聖とのこと。
    確かに長年この神鳥の宇宙を首座の守護聖として支えてきた自負はある。
    一方で、新しい守護聖に、新しい女王。
    彼らを迎えるたび、自分のおごりにも気がつく。まだまだ知らないことがたくさんあると。
    そして、時には経験が新しいものの吸収を妨げること感じている。

    「そうだな……」

    このユエの瞳の輝き。
    真っ直ぐ向けられるには気恥ずかしい部分もあるが、その輝きに応えられるだけの人物であり続けたいのもまた事実。

    「では、神鳥の宇宙に帰ったら、早速使ってみようと思う」

    その言葉にユエの全身から嬉しいオーラが漂うのを感じる。
    せめてもう少しだけこの者の憧れの存在であり続けたい。改めてそう思う。

    ユエのもとにジュリアスからのメールが届くのはそれから間もなくのこと。
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    百合菜

    DOODLE地蔵の姿での任務を終えたほたるを待っていたのは、あきれ果てて自分を見つめる光秀の姿であった。
    しかし、それには意外な理由があり!?

    お糸さんや蘭丸も登場しつつ、ほたるちゃんが安土の危険から守るために奮闘するお話です。

    ※イベント直前に体調を崩したため、加筆修正の時間が取れず一部説明が欠ける箇所がございます。
    申し訳ございませんが脳内補完をお願いします🙏
    1.

    「まったく君って言う人は……」

    任務に出ていた私を待っていたのはあきれ果てた瞳で私を見つめる光秀さまの姿。
    私が手にしているのは抱えきれないほどの花に、饅頭や団子などの甘味に酒、さらにはよだれかけや頭巾の数々。

    「地蔵の姿になって山道で立つように、と命じたのは確かに私だけど、だからってここまでお供え物を持って帰るとは思わないじゃない」

    光秀さまのおっしゃることは一理ある。
    私が命じられたのは京から安土へとつながる山道を通るものの中で不審な人物がいないか見張ること。
    最近、安土では奇行に走る男女が増えてきている。
    見たものの話によれば何かを求めているようだが、言語が明瞭ではないため求めているものが何であるかわからず、また原因も特定できないとのことだった。
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    百合菜

    MAIKING遙か4・風千
    「雲居の空」第3章

    風早ED後の話。
    豊葦原で平和に暮らす千尋と風早。
    姉の一ノ姫の婚姻が近づいており、自分も似たような幸せを求めるが、二ノ姫である以上、それは難しくて……

    アシュヴィンとの顔合わせも終わり、ふたりは中つ国へ帰ることに。
    道中、ふたりは寄り道をして蛍の光を鑑賞する。
    すると、風早が衝撃的な言葉を口にする……。
    「雲居の空」第3章~蛍3.

    「蛍…… 綺麗だね」

    常世の国から帰るころには夏の夜とはいえ、すっかり暗くなっていた。帰り道はずっと言葉を交わさないでいたが、宮殿が近づいたころ、あえて千尋は風早とふたりっきりになることにした。さすがにここまで来れば安全だろう、そう思って。

    短い命を輝かせるかのように光を放つ蛍が自分たちの周りを飛び交っている。明かりが灯ったり消えたりするのを見ながら、千尋はアシュヴィンとの会話を風早に話した。

    「そんなことを言ったのですか、アシュヴィンは」

    半分は穏やかな瞳で受け止めているが、半分は苦笑しているようだ。
    苦笑いの理由がわからず、千尋は風早の顔を見つめる。

    「『昔』、あなたが嫁いだとき、全然相手にしてもらえず、あなたはアシュヴィンに文句を言ったのですけどね」
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    recommended works

    百合菜

    PAST遙か6・有梓
    「恋心は雨にかき消されて」

    2019年有馬誕生日創作。
    私が遙か6にはまったのは、猛暑の2018年のため、創作ではいつも「暑い暑い」と言っている有馬と梓。
    この年は気分を変えて雨を降らせてみることにしました。
    おそらくタイトル詐欺の話。
    先ほどまでのうだるような暑さはどこへやら、浅草の空は気がつくと真っ黒な雲が浮かび上がっていた。

    「雨が降りそうね」

    横にいる千代がそう呟く。
    そして、一歩後ろを歩いていた有馬も頷く。

    「ああ、このままだと雨が降るかもしれない。今日の探索は切り上げよう」

    その言葉に従い、梓と千代は足早に軍邸に戻る。
    ドアを開け、建物の中に入った途端、大粒の雨が地面を叩きつける。
    有馬の判断に感謝しながら、梓は靴を脱いだ。

    「有馬さんはこのあと、どうされるのですか?」
    「俺は両国橋付近の様子が気になるから、様子を見てくる」
    「こんな雨の中ですか!?」

    彼らしい答えに納得しつつも、やはり驚く。
    普通の人なら外出を避ける天気。そこを自ら出向くのは軍人としての役目もあるのだろうが、おそらく有馬自身も責任感が強いことに由来するのだろう。

    「もうすぐ市民が楽しみにしている催しがある。被害がないか確かめるのも大切な役目だ」

    悪天候を気にする素振りも見せず、いつも通り感情が読み取りにくい表情で淡々と話す。
    そう、これが有馬さん。黒龍の神子とはいえ、踏み入れられない・踏み入れさせてくれない領域。
    自らの任 1947