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    百合菜

    遙かやアンジェで字書きをしています。
    ときどきスタマイ。
    キャラクター紹介ひとりめのキャラにはまりがち。

    こちらでは、完成した話のほか、書きかけの話、連載途中の話、供養の話、進捗なども掲載しております。
    少しでもお楽しみいただけると幸いです。

    ※カップリング・話ごとにタグをつけていますので、よろしければご利用ください

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    百合菜

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    「幸村の現代EDがあれば」を妄想した話。
    だけど、現代でもふたりは運命に翻弄されそうになるふたり。
    幸せをつかみとることができるのか!?

    ついに龍脈を整え、令和の世に帰ることに。
    すると、大和が意外なことを言い出してしまい!?

    ##幸七
    ##永遠と刹那の狭間で

    永遠と刹那の狭間で:4.別れ4.別れ

    富士山の頂上で龍脈を整えること。
    それはあっさりと終わった。むしろ何も起こらなくてびっくりするくらいだった。
    あえて言うなら自分の身体が浮くといった不思議な現象は起こったが、危険を感じることは一切起こらなかった。
    今すぐの平穏は無理でも、少し先の平和に近づける。
    そう七緒は信じることにした。

    「じゃあ、みなさん、お世話になりました」

    山頂付近の火口に現れた龍穴。
    急ぐ必要はないかもしれないが、龍脈が整った今、いつ閉じてもおかしくはない。
    七緒は五月、そして幸村とともに龍穴に飛び込むことにした。

    「真田殿、息災でな」

    同じ八葉とはいえつかえているものの関係上、幸村と意見がぶつかることがあった長政も、皮肉げな表情を見せながらもこのような言葉をかけてくれる。
    一方、七緒はひとりの仲間の存在が気になった。

    「ほら、大和も行こう」

    龍穴に入る気がないのか、見送りする側である武蔵の隣に立っている。
    このままでは大和が令和の世に帰れなくなる!
    そう思って七緒はいつものように大和の腕をつかんで引っ張った。しかし、彼はびくともしない。それは男性であるというだけではなく、彼の気持ちの強さによる気がした。
    七緒は大和を見上げると彼から思いがけない言葉が出てきた。

    「俺、こっちに残るわ」
    「ええー!?」

    冗談かと思った。だけど、冗談を言えるような状況ではないことはわかる。
    そして、いつもの淡々とした表情の中に堅い意思を宿した瞳があることに気がつく。

    「ちょ、ちょっと聞いていないんだけど」
    「だって今、決めたから」
    「そんなあっさりと」
    「でも、前から考えていたことだから」

    ふたりの間に風が通り抜け、砂埃が舞う。
    砂塵が目に入ったのか違和感を覚え目をつぶる七緒に優しい声が降り注ぐ。

    「ま、何とかするから、心配するなって。その代わり幸村がいるから、問題ないだろ」

    トレードってやつな。
    大和はあっさりそう言い放つ。
    幼なじみとの別れにしてはあまりに急なもの。
    だけど、そんなところが大和っぽいのかもしれない。
    すると、背後から五月が呼ぶ声が聞こえてきた。

    「七緒!」

    五月の声に反応すると龍穴が先ほどより小さくなっていた。
    このままでは自分も令和の世に帰れなくなってしまう!
    そのことに気づいたのだろう。幸村が七緒の手を掴み、龍穴に導いてくれる。

    「では、みなさん、ありがとうございました」

    想像以上に慌ただしい別れ。
    だけど、愛する人とのこれからの生活に期待と不安でいっぱいな七緒は別れの余韻を満喫する間もなく龍穴をくぐり抜けたのであった。
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    百合菜

    DOODLE地蔵の姿での任務を終えたほたるを待っていたのは、あきれ果てて自分を見つめる光秀の姿であった。
    しかし、それには意外な理由があり!?

    お糸さんや蘭丸も登場しつつ、ほたるちゃんが安土の危険から守るために奮闘するお話です。

    ※イベント直前に体調を崩したため、加筆修正の時間が取れず一部説明が欠ける箇所がございます。
    申し訳ございませんが脳内補完をお願いします🙏
    1.

    「まったく君って言う人は……」

    任務に出ていた私を待っていたのはあきれ果てた瞳で私を見つめる光秀さまの姿。
    私が手にしているのは抱えきれないほどの花に、饅頭や団子などの甘味に酒、さらにはよだれかけや頭巾の数々。

    「地蔵の姿になって山道で立つように、と命じたのは確かに私だけど、だからってここまでお供え物を持って帰るとは思わないじゃない」

    光秀さまのおっしゃることは一理ある。
    私が命じられたのは京から安土へとつながる山道を通るものの中で不審な人物がいないか見張ること。
    最近、安土では奇行に走る男女が増えてきている。
    見たものの話によれば何かを求めているようだが、言語が明瞭ではないため求めているものが何であるかわからず、また原因も特定できないとのことだった。
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    百合菜

    MAIKING遙か4・風千
    「雲居の空」第3章

    風早ED後の話。
    豊葦原で平和に暮らす千尋と風早。
    姉の一ノ姫の婚姻が近づいており、自分も似たような幸せを求めるが、二ノ姫である以上、それは難しくて……

    アシュヴィンとの顔合わせも終わり、ふたりは中つ国へ帰ることに。
    道中、ふたりは寄り道をして蛍の光を鑑賞する。
    すると、風早が衝撃的な言葉を口にする……。
    「雲居の空」第3章~蛍3.

    「蛍…… 綺麗だね」

    常世の国から帰るころには夏の夜とはいえ、すっかり暗くなっていた。帰り道はずっと言葉を交わさないでいたが、宮殿が近づいたころ、あえて千尋は風早とふたりっきりになることにした。さすがにここまで来れば安全だろう、そう思って。

    短い命を輝かせるかのように光を放つ蛍が自分たちの周りを飛び交っている。明かりが灯ったり消えたりするのを見ながら、千尋はアシュヴィンとの会話を風早に話した。

    「そんなことを言ったのですか、アシュヴィンは」

    半分は穏やかな瞳で受け止めているが、半分は苦笑しているようだ。
    苦笑いの理由がわからず、千尋は風早の顔を見つめる。

    「『昔』、あなたが嫁いだとき、全然相手にしてもらえず、あなたはアシュヴィンに文句を言ったのですけどね」
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