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    「それでも気色悪い」の続き、だけどちょっとうまくいかないのでここに置いておきます!探納です

    いつもと違う匂い。初めて気づいたのはそれだった。それから目を開けると違う部屋。
    「え」と声が溢れて、僕は何かに飛ばされたように跳ね起きる。それからガンッと頭が痛んで、連なるように身体中の痛み達を認知していく。腰が動かない、正確には動けないほど痛い。それから、お尻が、おしりのあながいたい。おなかもいたい。からだがぜんぶ痛い。
    「あ、起きたの」
     その声を聞いて僕はとても大きな声で叫んだ。
     
     気分は最悪だった。二日酔いも織り交ぜて、吐き気を催す、実際に何度か吐いた。
    「な、無かったことにしましょう」
     僕は震える声と嗄れた喉で彼に言った。人と交わってしまったのが、酷く気持ち悪かった。カタカタと身体が震える。記憶はないが身体が事実だと訴えている。振り絞った言葉であったのに返事はない。彼は押し黙ったままだ。
    「あの、その、覚えが全くありません。ごめんなさい。あなたは、記憶は……」
    「ない」
    「……」
     酒を飲みすぎたんだ。でもまさかこんなよりにもよってキャンベルさんなんかと、ああ、気持ち悪い吐き気がする。
     
    「……ひとつ覚えてるんだけど」
     突然、長い沈黙を彼は皮切った。
    「カール、あんたが、僕のことを“割と好き”だと言ってた」
    「はあ……」
     顔も合わせずに彼は呟いた。どんな顔をしているかなんてわからない。信じられない、僕はそんな事を言ったのか。
    「すみません、気のせいだと思われます。僕はあなたを好きじゃない。そもそも生きてる人は嫌いなのに……ああ、最悪だ」
     それを聞いたキャンベルさんは、勢いよく振り返って怒鳴ってきた。
    「はぁ? あんな淫乱な猫のように擦り付いてきたくせに、嘘だったのか? 最悪なのはこっちの方だ! お前の尻なんか使いたくなかったさ!」
     それを聞いて、サァと血が引いておもわず僕はまた吐いた。最悪だ最悪だ最悪だ。
    「もういやだ忘れてしまいたい」と涙声で呟くとキャンベルさんはなぜか激昂する。
    「ダメだ、ずっと覚えていろ。何度でもお前の身体に刻んでやる。好意を寄せたかと思えば裏切るなんて……カール、お前はお高くとまってる様だが、それも今日で終わりだ」
     僕の髪を掴んで彼は凄む。目は見開かれ、その色は言葉にするのも恐ろしいほどに底のない深淵だった。
    「心の底から、嘘偽りなく、僕を愛すると誓うまで、絶対に許さない」
     僕が何をしたんだ。何をしたのか覚えていない、けれどきっとひどい事をした。たぶんキャンベルさんの心を酷く裂いた。そうでなければこんな恐ろしい顔はしない。僕だって深く深く傷ついたのに誰も助けてはくれない。たった二人なのに揃ってどこまでも孤独なのが滑稽だった。
    「僕はあなたを愛せない。知らないんだ、愛するって何なのかわからない」
     キャンベルさんは僕を解放した。そして言った。
    「じゃあ、教えてあげる」
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    MAIKING「それでも気色悪い」の続き、だけどちょっとうまくいかないのでここに置いておきます!探納ですいつもと違う匂い。初めて気づいたのはそれだった。それから目を開けると違う部屋。
    「え」と声が溢れて、僕は何かに飛ばされたように跳ね起きる。それからガンッと頭が痛んで、連なるように身体中の痛み達を認知していく。腰が動かない、正確には動けないほど痛い。それから、お尻が、おしりのあながいたい。おなかもいたい。からだがぜんぶ痛い。
    「あ、起きたの」
     その声を聞いて僕はとても大きな声で叫んだ。
     
     気分は最悪だった。二日酔いも織り交ぜて、吐き気を催す、実際に何度か吐いた。
    「な、無かったことにしましょう」
     僕は震える声と嗄れた喉で彼に言った。人と交わってしまったのが、酷く気持ち悪かった。カタカタと身体が震える。記憶はないが身体が事実だと訴えている。振り絞った言葉であったのに返事はない。彼は押し黙ったままだ。
    「あの、その、覚えが全くありません。ごめんなさい。あなたは、記憶は……」
    「ない」
    「……」
     酒を飲みすぎたんだ。でもまさかこんなよりにもよってキャンベルさんなんかと、ああ、気持ち悪い吐き気がする。
     
    「……ひとつ覚えてるんだけど」
     突然、長い沈黙を彼は皮切った。
    「カール、あん 1180

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