太中オンプチ2の展示「意味わかンねぇ」
「中也、露天風呂好きだったよね?」
「この状況と体勢のことだクソ首領」
かけ流しの湯が石造りの風呂の縁から溢れては流れていく。熱めの温泉、見晴らしのいい景色、最高の筈が後ろにまとわりつく男のせいで全てが台無しだ。
広々とした風呂の端っこで何が楽しくて、男の足の間で後ろから抱きつかれていなければならないのだ。もっと!広々と!足を伸ばしてゆっくり浸かりたい!
「楽しいし、気持ちいいでしょう? 温泉」
「背後霊がついてなきゃな」
「疲れた私にもう少し優しくしても佳いんじゃないの?」
あんなに仕事頑張ったのにと態とらしい声が耳元に降ってくる。温泉は好きだが、所詮此れはお守りでしかないのだ。珍しく溜めに溜めた仕事を綺麗さっぱり片付けたと思ったら「露天風呂がある旅館に行きたい」と駄々が始まった。
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