Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    greentea

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 37

    greentea

    ☆quiet follow

    MP43で頒布のマヴェルスサンプルです

    かわいいこブラッドリーは可愛い。それは揺るぎのない事実であり真実だと僕は確信している。ロルが妊娠したとグースから聞いた時、僕はグースが嬉しいならそれは素晴らしい事なんだろうとそれくらいにしか思わなかった。
     休暇の度に大きくなっていくキャロルのお腹を僕は不思議な気持ちで見ていた。キャロルもグースも、お腹がそこまで大きくなるのかと驚く僕を手招いて、そこに触れる様に促してくれた。
     恐る恐る触れると、キャロルの体だから当たり前に温かくて。何度かゆっくりとさすって手を放そうとした瞬間、皮膚の向こうからドンと振動を感じて僕はびっくりして手をひっこめた。グースはそんな僕を見て笑っていて、キャロルは『挨拶してくれたのかも』とお腹を撫でていた。
     それが僕とブラッドリーとの初めての触れ合いだった。

     グースは僕の大事な片割れで、キャロルはその人の愛する存在。そんな二人に『家族』 だと言ってもらえて嬉しかったけれど、結局最後までその線を僕から越えることは出来なかった。招いてくれた二人は大事な人たちだけれども、ブラッドショー家の中に僕が入れるとは思えなかった。
     でもブラッドリーは違った。あの子が生まれてきて、運よく僕はグースの腕から僕の腕にそのふやふやで柔らかく、甘く、温かい命を抱かせてもらった。この瞬間に僕がこの子を守っていくんだと、すべてが小さく危うい命を見てそう自然と湧き上がった決意は、どんなことがあっても揺らぐことは無いと感じた。
     腕の中の命は僕を照らすポラリスなのだと、なぜか水の中のように揺れる視界に戸惑いながら感謝するように、誓いを立てる様にその額に口づけた。この子が笑ってくれるなら、生きていてくれるのならば僕はどんなことだってできる。
     そして二人の子どもなら、きっと僕のことも愛してくれる。だって、こんなに……


    あぁ、なんてかわいい
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works