『私の声が聞こえますか』制作裏話■着想
『「繊細さん」の本』という本に(要約すると)『世界の美しさ等を深く味わうのは繊細さんの得意技』と書かれている読んで、小さなことに幸せを感じる素敵な女子高生と、その女子高生の世界を愛する後輩の話を書きたいと思いました。
高校時代に書いた、女の先輩と男の後輩が屋上や音楽室で生きづらさについて語るだけの掌編をベースに、イメージを膨らませました。
最初は、虹が何色なのかは国や人によって違うというエピソードを中心にしようとしていました。タイトルは「何色の虹」でした。
ですが、後輩が一方的に女子高生の世界を賛美するだけではなく、後輩の抱える悩みを女子高生が聞くという構成にもしたかったので、耳の良い先輩×声の小さい後輩という設定になりました。『空想フォレスト』『少年ブレイヴ』というボカロ曲にインスパイアされています。ざっくり言うと、自身の忌み嫌っていた力で、一人の女の子を外の世界に連れ出す話です。ここから、自分の嫌いな優れた聴力で、後輩を喜ばせる構図が浮かびました。この頃から、タイトルが『私の声が聞こえますか』に固まりました。
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