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    ちょこ

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    ちょこ

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    アイドラ小説
    弓道場にきた時雨と佐々木先生の話

    生徒たちは既に帰り、静まった弓道場にそっと入る人物が。水無瀬時雨である、彼は実は学生時代は弓道部に所属していた、大会などにも出場したほどの腕前だ。彼はたまに誰もいない弓道場に来ては、こっそりと弓を引く。
    今日もまた弓を構え、的を真っ直ぐと見る、静かな時間、集中しているからか時雨の耳には何も入らない、それからか誰かが入ってきたのにも気づいてなかった。キリ、キリと引いて狙いを定めて手を離す。矢は見事的の真ん中を射抜く、すると後ろから小さな拍手が聞こえた。
    「さすが水無瀬、真ん中射抜くとは」
    「……盗み見は感心しませんね……」
    露骨に嫌そうな顔をする時雨を横目に笑う佐々木巡。もう1回と言う彼の言葉にため息を吐くともう一本矢を持った。見せてくれるのかと拒絶されると思っていた彼は少しだけ驚いていた。これで終わりにしますから、と一言いってまた構える。時雨が真剣な顔で的を見るのを黙ってみる彼。時雨はこういう時話しかけられるのが嫌なのだ、例え集中していて聞こえていないのだろうと言われるのも嫌いだ。いつもは自分にお構い無しに話しかける彼が、こういう時は話しかけずに黙って自分を見る。そんな彼が見ている中、手を離してまた真ん中を射抜く。
    「……少しブレたか……」
    「うん、全く分からないな」
    どこがブレたのかと少し首を傾げている彼を横目に矢を回収する。部活に来た生徒らが身に覚えのない真ん中に射抜かれた2本の矢を見て驚かせたくなかったからだ。弓などを元の場所に戻すとさっさと帰り支度を始める。
    「水無瀬、飯食い行かないか?」
    「………」
    この会話も何度聞いただろうか、彼から誘われる度に断っていたが、どうも腕を掴まれたあの日から自分があまり食事をしていないのを勘づかれたような気がするのだ。少し考えて彼の顔を見る。
    「………あまり長居はしませんよ」
    「よっしゃ!ありがとな水無瀬!オススメの店あるんだよ〜」
    早く早く、と言わんばかりに彼は時雨の背中を押しつつ弓道場を後にした。
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