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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
    よその子さん多め

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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます!

    一つの約束 琥珀はうんざりした様子で灰純を見ていた。理由は分かりきっており、自分の目玉が欲しいゆえに顔が合う度にくれ、と言ってくるのだ。今日もまた、たまたま遭遇してしまい、灰純がニヤニヤと笑いながら琥珀の近くまで来て同じ台詞を言う。
    灰純の言葉を流すように聞き、琥珀は少し考えて口を開く。
    「俺はサクリの手を取った時からタダじゃ済まないのは分かってるから、お前の言う目玉をあげることはできない」
    無免連であるサクリと臨時を組んでしばらくなる、認可と無免という立場を知って琥珀は組んだのだ。そしてあのサクリの事だ、何か引き換えに、って言うかもしれない。その事があって、一応灰純にそう言った。相手が納得するかは分からなかったが。すると、灰純はなら、と切り出した。
    「なら、旦那に目玉の予約していいか聞く」
    「……だってよ、サクリ」
    琥珀はチラリと自分の影に向かって言った。すると琥珀の影からサクリが出てきたが、表情は怒ってる様子もなく、琥珀をちらりと見たかと思うと灰純を見て答える。

    「……勝手にしろ」
    そういってまた琥珀の影の中に入っていったサクリ。琥珀と灰純は思わず黙ったままお互いの顔を見合せた。
    「……旦那の許可は出たな」
    「……」
    琥珀は口元に手を当て考えた。思い出すことは灰純が自分の名前を褒めてくれた事だった、灰色だけど綺麗な石だ。
    この言葉をふと思い出していたのだ、今まで自分の名前を好きになれなかった琥珀にとって、あの言葉はすぅ、と胸の中に染み込むように嬉しかったのだ。
    琥珀は灰純の顔を黙ってみたあと、提案をした。
    「なら俺が死んだ後ならやる。けど、お前が俺の事殺してきたらこの約束は無効。どうする?」
    死後の事など分からない、骨になって灰になるのなら、それなら目を灰純にやってもいいのでは、と考えた。何もかも、自分という形が消えてしまうのなら、灰純なら目玉を大事にしてくれるはずだ、と。琥珀の提案に少し驚いたような顔をした灰純だったが、すぐ顔色を変えた。
    「んー! それでいいけど〜あんたの親友がいいよって言わないと思うんだよねぇ」
    「……なんで創がでてくるんだ? これは俺とお前の問題であって、創は関係ないだろ」
    今度は琥珀が顔色を変えた、なぜ創が出てくるのか分からなかったからだ。創とは確かに親友だが、相手の許可がいるわけでもないだろう、琥珀の返答に少し呆れたような表情をする灰純。
    「……ちゃんと考えとけよ、お前が死んだあとの話をして喜ばない人のことは……、関係あるんだよきちんと。興醒め! 今日はおしまい」
    「あ、おい」

    琥珀は止めたが灰純はひらひらと手を振り去っていった、灰純の言葉が琥珀の頭の中で回る。だれも創に喜んで欲しくて目をやるなど考えていないのだが、どうも灰純の言葉が引っかかってしまった。
    そんな時、丁度創が琥珀をみかけ駆け寄って来た。
    「琥珀じゃん、どうしたのこんな所に」
    「あ、創」
    創は相変わらずの笑顔で琥珀を見ていたが、どうも琥珀の様子がおかしく、創は周りを見てベンチがあることを確認して琥珀をそこに連れていき、飲み物を買ったあと話を聞くことにした。
    「んで、どうしたわけよ」
    「……灰純に俺が死んだら目玉やるって話した」
    「……は? いやまって。なんでそうなったわけ?」
    琥珀の言葉についていけてない創に琥珀は先程の事を話した。話を聞いていくうちに創の顔が険しくなっていったが、創は一呼吸置いて口を開いた。
    「……あのさ、琥珀……。確かにそれは琥珀と灰純の問題だけどさ。……俺としてはどこも欠損しない方がいいと思うけど」
    「……そうなのか」
    「いやそうなのかって、じゃあ俺で考えてみろよって。俺がもし死んだらさ、腕とか足とかないの嫌でしょ!」
    「……それは嫌だけど。けどそれは創だから嫌であって、俺だったら別に……」

    創は琥珀の言葉を聞いてもしや、と思った。琥珀は自分にそこまでの価値がないと思っているのでは、と。はぁ、と創は思わずため息を吐いた。そう考えてしまうのは、幼少期のせいだろうとは分かりきっていたが、創は琥珀の頭を撫でた。
    「……俺としては……灰純に目玉、あげないでほしいけど。……でも琥珀は渡したいんだろ」
    「……あいつ、俺の名前綺麗って言ったんだよ。灰色なのに綺麗な宝石があるって。……その、すごく嬉しくて」
    「あのさぁ、俺もお前の名前綺麗って言ったことあるけど……」
    「それは知ってたけど、けど……」
    創は琥珀の反応に思わず笑ってしまった。けれど、昔の琥珀だったら灰純の言葉を素直に受け取らなかっただろう。
    現に、昔言ったはずの自分の言葉ですら受け取らなかったあたり、昔と違って少しずつ琥珀の受け取り方が変わっていったのだろう。そんな琥珀の少しの成長が嬉しいと思ってしまった創がいた。
    「……琥珀、やっぱり気持ちは変わらない?」
    「……あぁ」
    「……琥珀が頑固なのは今に始まったことじゃないし、俺がやんや言うことも無いし。琥珀がそう決めたなら、いいんじゃないの」
    「……すまん、ほんとに」
    「謝るほどの決意だったわけ?」

    創がからかうように言うと、琥珀は思わず創の脇腹を叩いた。そして空になったペットボトルを捨ててくると琥珀は立ち上がってゴミ箱のあるところまで行った、その後ろ姿を見て創は考えてしまった。
    あのサクリが灰純に許可を出すなんてな、と。なんだかんだと琥珀の事を守っている臨時で組んでいるサクリ。なのに灰純には勝手にしろって言ったと琥珀が言っていたのを思い出す。
    ふと、もしかして、と創は呟いた。
    「……琥珀の魂、アイツが持っていっちゃうのかな」
    これは創が勝手に考えた憶測だった、なんの確証もない、憶測でしかなかった。けれど、どうしてもそう思えてしまった。
    琥珀がどこまで考えているか分からなかった、けれど無免と組んでいる以上、穏便にすむとは思っていないはずであった。そしてそれを受け入れようとしているあたり、琥珀はもう怖くないのだろう。
    なら自分はどうするか、琥珀が悔いのないように傍で見守ろう、と決めた。
    「創?」
    ペットボトルを捨てに戻ってきた琥珀が、黙り込んでいた創を見て声をかけた。創は悟られないように笑ってベンチから立ち上がって一緒に歩いた。
    「灰純に会ったらまた話そうと思う」
    「そうしな」

    それから後日、また灰純と偶然会った。琥珀は声をかけて人通りの少ない道に行き、小さな広場に置かれていたベンチまで案内すると、この前の話を切り出した。
    「前の話だけど、創に話した」
    「怒ってただろ」
    「怒ってたと言うより、呆れられたというか」
    「だろうなぁ」
    灰純は思わず笑った、琥珀は灰純が笑った様子に釣られて笑いつつ、笑った顔は年相応だ、と琥珀は思った。そして琥珀は言葉を続けた。
    「あれから考えたけど、あの話、受け取ってくれないか? 俺は嬉しかったんだ、お前があの日俺の名前を褒めてくれたから。お前なら大事にするだろう」
    「……じゃあ、約束。守ってくれよな」
    「そうだな、なら指切りげんまんするか」
    そう言って琥珀は形の良い小指を灰純の前に差し出した、指切りげんまんなんて何年振りだろうか、と思っているとそっと、灰純も自分の小指を絡めた。そして二人で指切りげんまん、と一緒に歌い始めた。歌うのもいつ以来だろうか、と思いながら。歌い終わったあと、指切った、と小指を離す。
    「おっけー、取引成立。俺が破ることはねぇよ? なんせ大事な取引だからな」
    「むしろ俺が破るかもな、人知れず死ぬ可能性がある。そうならないように気をつける」
    「まぁ旦那がいるから大丈夫だろ」
    「あと、いいか」
    琥珀は立ち上がろうとした灰純を止めた。何かまだ言うことがあっただろうか、と灰純が振り向くと琥珀は口を開く。
    「灰清には渡さないでくれないか。あくまで俺は"灰純"に渡したんだ。それ以外に、もし灰純以外に手に渡るようなことがあったら、その時は。分かってくれるか」
    これは琥珀なりの願いだった、灰純によく似た双子の弟である灰清にはどうしても手に渡らないで欲しかった。灰清だけではない、とにかく灰純以外に渡らなければいい。琥珀の気持ちが伝わったからか、灰純は笑う。
    「いっただろ、俺は破ることはないって」
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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