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    こみや

    @ksabc2013

    こみやです!
    杏千界の片隅で細々とやってます

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    こみや

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    うちれん陸展示
    不思議な木と千寿郎くん

    #杏千
    apricotChien

    ケサランパサランの木 ふわふわと、千寿郎の前を真白の綿毛が横切った。
     初夏の抜けるような青空によく映える拳大のそれに、千寿郎の心はひとたびかかりきりになった。

     たんぽぽかな。それにしては大きいな。そよぐ風に再びさらわれないよう両の手のひらで迎え、顔を近づけてみる。種のようなものは一見窺えないが、埃などとは思えない。きっと綿毛の真ん中に種を抱えていて、辿り着いた地で花を咲かすのだろう。そう算段をつけた。
     ならば改めて旅立ちへと送ってやるべきか。考えた末、庭の隅の、ほんの少し日が当たる場所にそれを埋めた。父が気付いたら咎められるだろうか。そんな不安も過ったが、そもそも芽が出るかは半々、育つかも半々。どうにかなるだろうと千寿郎は、密かに愛らしい双葉の芽生える様を思い描きながら眠りについた。
     翌朝、腰を抜かすとも知らずに。

     庭の隅に腰の高さほどの低木が生まれていた。綿毛の成長とは思いもよらなかった。
     言っても毎日掃除をしている身だ。さすがにこんな低木のあるなしにはすぐ気付く。それとも日々をぼんやり過ごしていただろうか。そんなつもりはなかったのだけど。頬に手を当てしばし考え込んだものの、自分の勘違いだとかたをつけた。どのみち新しき命を喜ぶことには変わらず、父母がこの家に来た時から根を張る松やらと同様、せっせと水を撒き、一体どれほどの背丈になるだろうかとまるで年下の兄弟でも愛でるかのように、その低き梢に手を翳した。
     それをさらに翌朝には見上げているのだから恐れ入る。こんな植物は聞いたことがない。すわ何かよからぬものだろうかとここで初めて心がざわめいた。鬼の仕業だろうか。この家に生まれ育てばまず真っ先に思いつく不穏とは裏腹に、かの庭木はまだ塀には届かぬ枝を懸命に伸ばして太陽の光を希う。そこがまた不思議だった。何より父の無反応が気になった。離れて長いとはいえかつては鬼殺隊を支えた柱の一人だ。それが庭に鬼の気配があったとして気付かないものだろうか。
     それでも恐る恐る尋ねてみた。あのう、父上。千寿郎の呼びかけに父は振り向きもしなかったが、だからと言ってすべてを無視するわけでもなかった。
    「気になるなら切ればいい」
     それだけだ。なるほど心得て千寿郎も襖を閉めた。おそらく父の言った以上に千寿郎の心は許されていた。奇妙さはまだ拭えないものの、一度愛でたものをそのまま愛でても良いのだと歩を弾ませ明日より先を楽しみにした。
     何より千寿郎が知る以上に世界はずっと広い。知らないだけでこの世界には一夜にして巨木となりうる植物もあるのではないか。そうだ、身近なものなら竹とてそうだ。あの筍の穂先が土より見えたと思った翌日にはもう人の背丈に追いつくだけ伸びているではないか。あれも姿形こそ違えど同じようなものなのだ。ついには千寿郎が手を伸ばしても幹に触れるだけでやっとというほど育った木を前に親心のようなものまで芽生えさせつつ、これの行く末を見守った。
     それがあの綿毛の木だと気付くまでにはもう少しかかった。何せこれが伸びてきてまだ一月と少ししか経ってなかったのだ。
     ところが急にポンと綿毛をつけた。たった一つだけだ。あっと気付いた朝には思わず寝巻きのまま駆け寄っていた。
     どうやらあれは花でもあったらしい。しかし不思議な花だった。咲いて半日も経つと枝を離れ、千寿郎が初めてまみえた時のようにふわふわと風に漂い世界へと飛び立っていくのだ。
     もう一つ不思議なことがあった。これは何度か咲いたのちに気付いた。花が咲き、飛び立つより前に必ず兄から帰省の報せが届くようになったのだ。今までは短くても一月に一度程度であったのが、なんと週に二回帰ってきたこともあった。
    「どうも最近ここらが多くてな」
     鬼の出没だ。おかげで帰宅一番それを告げる兄の顔は多少渋かったが、隊服から着替えるにつれ和らいでいった。もちろん兄は本分も忘れない。
    「夕暮れには帰宅していること、藤の香を欠かさず焚くこと。いつにも増して気をつけるように」
    「はい」
     もちろん兄の内心の不安を感じ取っているからこそ千寿郎は素直に頷いた。しかし兄の所轄はもっと山の方だ。そちらは大丈夫なのかと試しに問えば、不可解ながらも静まり返っていると返事があった。
    「嵐の前の静けさとならなければいいが」
    「それでも兄上が少しでも休めるのなら」
    「それもそうだな!」
     千寿郎の淹れた茶を片手に朗らかに笑う。ここでようやく兄は鬼狩りからただの兄へと戻った。そうとはいえ、帰省とは名ばかりの小休止だ。日の色が夕へと変わる頃に兄は再び家を出ていく。夜まで共に過ごすのは今までと同じく、兄が休暇を言い渡された時ほどだ。
     それでも嬉しかった。こまめに帰ってくる兄の姿に、かつて兄がまだこの家から任務に出かけていた頃が思い出されて、千寿郎は布団の心地よさを覚えながら眠ることが多くなった。起きて真っ先に庭先を眺め、白い綿毛の咲いているか否かを確かめることが日常となった。

     しかし木にはまだまだ秘密が込められていた。
     ある朝のことだ。木の枝という枝に花が咲いた。まるで綿毛の塊だ。一晩のうちに咲いた。いつか本で読んだ沙羅双樹に似ているとぼんやり思い、驚きは瞬きほど、すぐその行く末を考えて不安になった。
     だが兄はいつものように帰ってきた。この後柱合会議に赴くという。
    「その前に二日ほど休みをもらってな」
    何がしたいと尋ねられても急には浮かばない。何より兄に休暇が与えられたのなら、千寿郎のことなど気にせず兄の好みに過ごしてほしかった。
     しかし兄はそういう性分なのだ。普段は離れ離れだからこそ、千寿郎の願いを叶えたいのだという。銀座か、浅草か。千寿郎がこの頃本で読んで興味を持った街をいくつか挙げていく。それとも足を伸ばして山か海にでも行こうか。どこへなりとも行く気満々の兄に半ば押し切られる形で、結局その二日は少し遠出をした。言っても東京から出るほどでもない。おそらく大人にとってはそう広くもない範囲だ。それでも千寿郎にとっては冒険に近く、ましてや兄と出かけるとなるといささかはしゃぎすぎてしまった。兄がほいほい財布を出していたことすら二日目の布団に入ってからようやく思い至るほどだった。
     どうしよう。兄上が命を懸けて手にしたお金なのに。そんな不安がまざまざ顔に浮かんだか、隣の兄は大きな手で千寿郎の背を二度ほど叩いた。
    「お前の考えていることはわかるぞ。――おおかた財布を気にしているのだろう」
     なんでわかったんですか。思わず半身を起こしてしまったが、兄は楽しそうに笑うだけだった。
    「生まれた時からずっと見てるんだ。それくらいはわかる」
    「だったら」
    「いいんだ。これでも余るほどだ」
     千寿郎にこれ以上不便はしてほしくない。兄は言う。いつもそう言う。
    「情けない話だが、いつもそばにというわけにはいかない。それを金で埋め合わせるのは無粋に過ぎるが」
     それくらいしかできないと、もっと大きなものをいつも与えてくれる兄の口ぶりに千寿郎は肩身の狭くなる思いだったが、兄からすればそれは千寿郎の方こそだという。
    「お前が元気に過ごしてくれるだけで嬉しくなる。一緒に出かけ、そばであんなにも楽しそうに笑ってくれると尚更だ」
    「そんな。僕の方こそ兄上がいてくれるだけで嬉しいです」
    「ならば相思相愛だな。おかげで良い二日間だった」
     明日の朝にはもう出かけてしまう兄が目尻を下げるに合わせて、千寿郎もようやく身の力が解れていく。ありがとうございます。小さく呟き瞬く瞳の先に兄の顔がある、それほどの幸福を噛み締めると一日はしゃいだ疲れがどっと押し寄せてきた。
     本当はもっと喋りたい。いっそ許されるのなら夜通しだって。あれこれ事情を挙げて叶いそうにない願いを胸に秘め、伸びてきた手をしっかりと握り返す。小さな頃はこうして兄が、毎晩眠るまで手を握っていてくれた。この手の温かさが千寿郎にとっては何よりの安堵となっていた。
     今も同じだ。限られた時とはいえ、兄と手を繋ぎ眠りにつける。今度はいつかな。そんな思いを頭に浮かべながらも、今この瞬間を喜びながら静かに眠りについた。
     翌日、兄の背中を見送りつつ、次を楽しみにしていますと投げかけたのも同じだ。
    「今度は芝居にでも行こう」
     そう手をあげ笑った兄の眩しさは、なぜか今日に限ってやけに千寿郎の胸に焼きついた。

     その三日後だった。
     あの木に、まるで炎を閉じ込めたような一輪が咲いた。一年を越えて見守ってきたが、実に初めてのことだった。
    「不思議……。変種かな」
    植えたら今度は赤い花が咲くようになるのだろうか。しかし花は梢に近いところに咲き、千寿郎が手を伸ばした程度では届きそうにもない。塀の上すら容易に飛び乗る兄ならあそこにも手が届くだろうか。弱い冬の朝日に、それでも爛々と輝く綿毛を眺め思案に暮れる。
     そうしているうちに花は旅立った。あっと声を上げた千寿郎を見下ろしながら、高く高く西の方へと。
    「行っちゃった……」
     残念。呟いた声を拾う者はいない。しかし落ち込むほどのものでもなかった。変異とはいえこの木はあんな花も咲かすのだ。何年なりと見守っているうちにまた相見えるかもしれない。
     それをひとまずの楽しみとすることにした。
     鎹烏が、兄の訃報を携え門前に舞い降りたのは、それから一刻もしないうちだった。

       * * *

     思えばあの花は実(じつ)であって実ではなかったのかもしれない。何年も経ち、ふともう何も咲かない木を眺め振り返る。
     最後に咲いた日のことはよくよく覚えている。満開であった。枝という枝に真っ白な綿毛が咲き、昇り始めたばかりの朝日を受けてもはやこの世と思えない光景を作り出していた。
     夜通し鬼殺隊の勝利を願って祈りを捧げていた千寿郎はふと朝の光に気付いて顔を上げた。戦いはどうなったであろうか。まだ報せはない。助けに赴いた父も帰ってはきていない。それでも朝は千寿郎に幾ばくかの希望をもたらした。疲れただろうと、光満ちる障子の外へと千寿郎を誘った。
     そこで目にしたのだ。満開となった木と――その根元に佇む兄の姿を。
     すわ幻覚か。何度か瞬き目を擦った。徹夜になったとはいえ意識ははっきりしている。それでも兄をここに見ているということは一種夢のようなものでも見ているのだろうか。
    「千寿郎」
     その兄が呼びかけてきた。夢だ。幻だ。思いながらも次の瞬間、千寿郎は素足のまま庭を蹴っていた。
    「兄上!」
     亡くして以降、どれほどその姿を求めてきただろうか。それは大局だけにあらず、日常の細かな瞬間にもあった。ふと顔をあげ、想いに耽り、そこに兄の姿がないことを小さく嘆いて過ごしてきた。
     それが今目の前にあるのだ。もはや夢でも幻でもいいと精一杯に手を伸ばした。
     空気を掴むような感触が固い幹にぶつかる前に立ち止まった。見下ろす兄の視線を受け取ったのだ。
    「兄上」
     もう一度慣れた言葉で呼んだ。兄もまた見慣れた笑みを千寿郎に返してきた。
    「終わったぞ」
     そう一言、呟くように聞かせてきた。主語も何もない。それでもいったい何を指すのかは、それどころか兄の表情からどういう結果であったかもよくよくわかった。
     そうですか。そよ風すら奪っていくほどの声で漏らした。皆が五体満足大団円というわけではないのだろう。それでも終わったのだ。千年をも超える長く暗い歴史が今、兄の微笑むように終わったのだ。
     ほっと安堵の息が溢れ落ちた。千寿郎自身が何かを成したわけではない。ただ市井の人よりは近くに知っていたというだけだ。それでもこんなにも嬉しい。ならばその場にいるであろう者たちはいかほどか。
     思いを馳せふと目を上げると、大きな手が触れてきた。不思議と確かに触れられた感触がした。
    「お前もよく頑張った」
    「そんな」
     とっさに返す。本当に千寿郎は何もしていないのだ。ただ手を合わせ祈っていただけのこと。だが兄はそうではないという。千寿郎が夜通し掛けた願いは元より、今までその半生を兄に、父に寄り添ってくれた献身もそうなのだという。
    「俺はそれがとても誇らしい」
     ゆったりと頭を撫でられ、思わず目尻を赤くする。
    「同時に、お前にいつも窮屈な思いをさせていたのではと懸念していた」
    「そんなことないです!」
     驚くほど大きな否定が飛び出した。「僕は」。一度そこで大きく息を吸い込んで、また同じ言葉を口にした。
    「僕は本当に何もできなくて……。それなのに兄上や父上は、僕を気にかけてくれて」
     言うと兄の眉がほんの少し悲しそうに下がった。だがその思いを声にはしない。ただ静かにまた頭を撫でると、まるで千寿郎の思いを汲み取るかのように頷いてみせた。
     その僅かな間に残された時間の少なさを感じ取った。――兄はもちろん、よくよくわかっていたのだろう。
    「父上が戻られるには今しばらくかかるだろう。それまでゆっくり休みなさい」
     撫でる手が肩に触れると同時に、目の前を真白な塊が一つふわりと通り過ぎていった。あの綿毛だ。見上げると一つ、また一つと綿毛が枝を離れ、微風に流れるとは思えぬ動きで空へと舞い上がっていく。青く澄み渡った空に、誰かの思いでも伝えゆくように次々と旅立っていく。
     それを兄と二人で眺め続けた。枝の白が減るにつれ、隣の気配が薄くなっていくことを肌で感じていた。
     だからこそ今千寿郎もここで伝えなければならない。白の行方は気になれど、視線をしっかりと兄の方へと向けた。
    「僕、兄上の遺してくれた言葉の通りに生きていきます。だから――」
     次の言葉を浮かべられないまま零れそうになった涙の手前、緩やかに頬を撫でる気配がした。これで本当に最後なのだ。とうに通り過ぎてしまったはずのその時を、今何の恩恵か、僅かながらも与えられたのだから、もはや伝えるべきを伝えるに徹するべきなのだ。
     今一度そう決めれば、残す言葉は一つだけとなった。
    「ありがとうございます」
     兄が兄としてそばにいてくれたこと、千寿郎にしてくれたこと、そしてこの瞬間にまで千寿郎の前に現れてくれたことも全て。感謝しかないのだから素直にそれを口にした。
    「僕、生まれ変わったらまた兄上の弟になりたいです」
     ついでにささやかな願いも。果たして兄は、ほとんど朝日となった中でも嬉しそうに笑ってくれた。千寿郎にはそう見えた。
     飛んできた烏に飛び立つ最後の一輪が重なった。

       * * *

     生まれたぞ。今朝、起きたばかりの杏寿郎へと飛び込んできた父からの知らせだ。十年以上一人っ子として育ってきた杏寿郎は、今日その瞬間、名実ともに兄となった。昨夜母を病院へと見送った後はなかなか眠れなかったが、それが緊張だったのか不安だったのかはもうわからなかった。
     今あるのはただ、弟に会えるという喜びだけだ。いつもは楽しみな学校も今日は休んで、一度病院から戻ってきた父と二人、生まれたばかりの弟に会いに行くのだ。杏寿郎の視線は、もう前しか見えていなかった。
     それなのにそこに真白の何かが飛び込んでくる。目の端だ。ちらりと振り返ると庭の隅、緑葉が徐々に色変わりを始めた枝に綿毛のようなものがくっついていた。
    「父上、あれは」
     指差せば、父も視線を自ずと惹かれたらしい。一度確かめるように目を凝らし、なんだあれはと訝しげに呟いた。
    「花、だろうか。いや、咲いてるのを見たことがない」
     父曰く、昔から庭の隅にある古木なのだそうだ。それこそ父が子供の頃から、葉はよく茂るが花が咲いたは記憶にない。ただ枯れそうにはないので置いていたという。父の父もそう言って残していたそうだ。花もつけず実りもしない。そんな木ではあるが、せっかく根を張っているものをむざむざ切り倒すには忍びないという心持ちであったという。
     だから花など、父も初めて見たそうだ。
    「そもそも花か?」
    「花じゃないんですか」
    「わからんが、枝にはついているな」
    「じゃあ花じゃないんですか?」
    「いや、わからん」
     草花には疎い父だ。先日もパンジーを指してスミレと言っていた。母が当たらずとも遠からずだと苦笑していたのを覚えている。
     対して母は多少は詳しい。ならば聞けばいいではないか。どうせ病院まで会いに行くのだ。花木の名前を聞くほどの時間はある。聞くほどの余裕を用意できるかはわからないが。何せ杏寿郎は生まれたての弟に一刻も早く会いたくてたまらない。時間の許す限りじっくり眺めたい。できれば少し触ってみたい。もう弟のことで頭の中はいっぱいなのだ。綿毛の花など病院まで覚えているかも自覚にして怪しい。
     それでも頭の隅に留める方法を思いついた。写真で見たことがある。赤子の髪は綿毛のごとくふわふわなのだという。杏寿郎と同じ髪色を持つならば、きっと弟の頭も金の綿毛のごとくであろう。ならばあの枝の綿毛とどちらがふわふわしているか確かめてみるのだ。
     あくまで綿毛は想像、杏寿郎の届かぬほど上に咲いているのだから、見た目からの感触を探るばかりではあるが。
     だが思い立ったらもはや突っ立ってなどいられない。
    「さあ、父上! 行きましょう!」
     パジャマのまま父の袖を引く。お前は早く着替えなさい。額を軽く押さえられると同時に頭を撫で諭される。
    「あと、その前に学校にだな」
     慌てて家の中へと入っていく父の後ろ姿を見やり、もう一度綿毛に視線を向ける。見れば見るほど不思議な花だった。だがとても愛らしい。生まれたばかりの弟に添えてやれば、きっと弟がもっと愛らしくなるに違いない。
     それの叶わない背丈を一瞬だけ恨み、だが一瞬だけだ。杏寿郎の目はすぐに細められた。
     朝日を受け輝く綿毛が、あまりにも希望に溢れて眩しかったのだ。
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