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    ちょこ

    主に企画参加の交流小説、絵など投稿してます
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    ちょこ

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    エガキナ

    よその子さんお借りしてます

    ##エガキナ

    感謝の言葉「お前は家族だからな、もちろん」
     エリーが言った言葉に、先程の苦しかった胸の何かがすぅと消えて、嬉しくて笑ったが、同時に涙が溢れてきた。ポタポタ、と涙は落ちて床を少しずつ濡らす。泣くつもりなどなかった、自分の涙は、あの日雨と共に流れたはずなのに。それほどに、エリーの言葉は嬉しかった、星と同じ事を言ってくれたから。
    「泣かなくていいのよ〜」
    「……」
     血の繋がりがないのは当たり前なのに、今を生きているツクリテと作り物のニジゲンは違うと言うのに、こんな自分を家族と呼んでくれた。嘘偽りなどない言葉、まるで当たり前だと言わんばかりに聞こえる。星が自分の事をあの二人ではなく、エリーに託した理由がわかる。
    「案外表情出すね。あんまり出さないかと思ってたけど」
    「……俺も驚いてる」
     涙を拭うように目を擦る、エリーの仕事を邪魔してしまったと謝り、部屋を出た。その時ちょうど、エリーとよく居るニジゲン───サクリの姿が見えた。認可のあのニジゲンによく似ていると思っていたら、どうやら同一人物らしい。ジュードはサクリを引き止めた。

    「……なぁ」
    「……なんだよ」
     サクリはこちらを向いてじっと見てくる。居るだけでどこか圧を感じたが、ジュードは真っ直ぐ顔を見て話す。
    「……星の手紙をエリーに届けてくれてありがとう」
     あの日、病室に来たエリーの手には手紙が握られていた。それは星がエリーに死ぬ前に託した手紙、それを届けてくれたのは、どうやら目の前にいるサクリだという。認可だった星が無免であるエリーを気にかけていたぐらいだ、どこかでなにかしら話した事があったのだろう。
     サクリが星の事をどう思っているかは知らない。けれど、最期の願いを叶えてくれた事に関しては、感謝しかない。サクリはジュードの言葉にそっぽを向く。
    「なんの事か知らねぇな」
     そう言って影の中に消えてしまった。サクリの言葉に思わず微笑む、予想通りの反応だった、なんて思いながら。
    「……ありがとう」
     そう呟いた。
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    ちょこ

    DONEダミアさんお誕生日小説
    ダミアさんお借りしました!お誕生日おめでとうございます!
    モンブラン「ダミア、お誕生日おめでとうございます」
    「おー! ありがとな!」
     レイフが借りている拠点と言っていい住まいにダミアを呼び、目の前にケーキを出す。ダミアと前もって連絡を取っていたため、こうして呼べたのだ。ケーキはレイフの手作りだ。本当なら、料理も出そうかと言ったのだが、間髪入れずに断られてしまった。今度こそ上手く作れるような気がしたのにな、とレイフは残念そうに思いながらも、ダミアを見た。
    「このケーキ……モンブランか?」
    「そうです、アマロンを使ってます」
    「へー! 王様って呼ばれてるやつじゃん!」
     ダミアは感心したようにケーキを眺めた。アマロン、様々な栗の中で特段に甘い栗の事だ。身も大きいのだが、育てるのが難しく、しかも、大きく育てようと魔力を使うと、すぐに枯れるという性質を持っていた。なので、完全な手作業、時間をかけてゆっくりと育てる。そのため、栗の中の王様、という意味で【アマロン】と呼ばれるのだ。一粒だけでも驚くほどの高額で取引される。その高額さに、一時期偽物のアマロンが出回るほどだった。偽物のアマロンと区別を測るための道具すら開発されるほどに。
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