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    りざりか

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    りざりか

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    自分とこのスモさんがカジノにやってくるまでのお話。
    ⚠️スモーキーの対人関係や過去など、多大なる捏造・ヘッドキャノンを含みます。
    ⚠️乱文のため読みにくいです。
    ⚠️リザリカが自分の中でひとまずの答えを出したかっただけの語りなので、人によっては解釈違いが起きる恐れがあります。閲覧は自己責任にてお願いいたします。異論は認めます。

    ミスター・スモーキーの過去 昔は義賊として生きる放浪者だった。
     幼い頃は旅を夢見る普通の少年だったが、魔術師であった両親とは折り合いが悪く、時には暴力を振るわれることもあった。最終的には見限られて捨てられてしまったが、行くあても無く彷徨う中である男に出会い、拾われて育つ。
     男は、金持ちなどを襲っては金品を奪い、貧困層の人々や身寄りの無い子供たちに物資を届けたり、孤児を自分のアジトに保護するなど、いわゆる義賊のような暮らしをしていた。そんな彼から、少年は荒っぽくも優しく愛されて育ち、義賊としてのノウハウや心構えをたくさん教わった。お陰で、それまで大人を信用できなかった少年は「世の中はいい大人も悪い大人もいる」と考えを改め、優しさを失うことなく成長した。ちなみに、タバコという嗜好品があることは、義賊の男から教わった。
     そして、義賊の男から教わったことを応用し、彼は魔術師の血を生かして自分なりの業ー炎や煙や灰を利用した攻撃や撹乱や逃亡の業ーを編み出した。義賊となってからの彼はその妙義を生かして金品の奪取や子供たちの保護・支援に精を出した。
     彼は普段から葉巻たばこを吸っていたが、仕事をする際には必ず自身で薬草やら何やらを調合した特殊な葉巻たばこを咥えていた。その煙は相手の視界を塞ぐだけではなく、嗅いだ者の判断力や冷静さを掻き乱す幻覚作用のような効果もあり、この煙を身に纏う彼を捕まえられる者は誰もいなかった。煙が晴れ、まともに戻った頃には、まるで煙のように掻き消えていたのだから。そんな彼は、巷では「Mr.スモーキー」などと呼ばれ、ある者は「子供や貧困層などの弱い者たちの味方」だと称え、ある者は「財産の持ち主たちを文字通り煙に巻いて消える忌々しいコソ泥」と罵った。
     スモーキーは先代の遺志を継いで、引き続き孤児たちの保護や支援も行っていた。誰にも見つからないような僻地に小さなアジトを構え、そこで幼い子供たちの面倒を見ていたのだ。また、子供がいずれ一人で生きていけるように勉強や家事を教えたり、物を作る技術を教えたりなど、彼一人で出来ることは何でもした。そのおかげで、何人かの子供たちは自分の足で立って歩いていけるようになった。

     スモーキーのしていたことは、弱い者たちにとっては善だっただろう。しかし、それを悪と捉える者も少なくなかったことは紛れもない事実で。スモーキーは過去の自分の苦い記憶もあってか、子供に危害を加える大人には一際冷酷になるきらいがあり、時には再起不能になるまで打ちのめすことすらあった。そんな彼の仕業で、傷ついたり立ち直れなくなった人々がいたのもまた真実だった。
     そうして義憤に駆られた人々は、煙の盗賊に制裁を加えようと奮起した。彼のアジトを突き止めると、逃げられないように外から出口を塞ぎ、そこにいる子供もろとも家に火を放った。子供も巻き込んだのは、子供たちが今後第二第三のスモーキーとなることを阻止するためだった。
     スモーキーは灼熱の炎と肺を侵す煙の中、子供たちだけでも何とか逃がそうと模索した。しかし子供たちは、スモーキーと離れ離れになることを拒み、逃げることを放棄した。
     危機一髪の中、突然炎の中に人影が現れた。黒い毛皮のような外套を纏った男…デビルその人だった。デビルはスモーキーの義賊としての技量や、煙や炎や灰を用いた戦闘スタイル、他人を惑わすタバコの煙を操る技術といった要素を高く評価し、自身の元に来ないか、そうすれば子供たちと共にこの炎と煙の中から出してやろう、と持ちかけた。
     自分はまだしも、子供たちがこの地獄から抜け出せるなら、悪魔の誘いだろうと呑んでやろう。スモーキーはデビルの話を受け入れ、その手を取った。

     デビルはスモーキーを葉巻たばこをベースにした悪魔に変えた。炎と煙の中で弱ってしまった子供たちは、肉体を保つことが出来なかったこととタマシイが弱々しいことを鑑みて、煙草の姿をした小さな悪魔として顕現させ、スモーキーの従えるミニオンとして生きることになった。
     現在のスモーキーは、一人のディーラーとして活動する傍ら、かつての義賊としてのスキルや特性の葉巻たばこの煙を駆使して客を惑わし、金とタマシイを落としやすくするべく破壊工作に勤しむのだ。

     なお、これは余談だが。
     スモーキーは子供たちを巻き込んでしまったことを非常に強く悔やんでいた。子供たちのタマシイを灼熱の苦しみから救ってくれたデビルに感謝はしていたが、再顕現の形が歪な低級魔族のそれであることも後悔の一つだった。何せ、タバコの使い魔と化した子供たちは、その身とタマシイこそ頑丈になったが、デビルがタマシイを手放さない限り彼らに自由は無いのだから。
     そもそも自分が手を差し伸べなければ、子供たちはこんな目に遭わなかったのではないか。自分の偽善が子供たちに一時的とはいえ地獄の苦しみを与えてしまった。そんな自責の念から、スモーキーは他人と深く関わらないようになった。いつでもへらへらと軽率に振る舞い、のらりくらりと真意をはぐらかし、最低限の関わりだけで済ませるようになった。
     そして、自分のしてきたことへの罰と言わんばかりに、スモーキーは悪夢を見る。子供たちを庇いながら炎と煙に巻かれていたあの瞬間が、灼けつく痛みと肺が締め付けられるような呼吸苦と共に蘇り、彼を苛み続けるのだ。
     そんな彼を、タバコの使い魔たちはいつも心配そうに見つめては頬を擦り寄せる。自分たちを救ってくれた煙の男を、慰めるかのように。少なくとも彼らにとって、男の行いで救われていたのだと、伝えるかのように。
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