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    ナナシ/ムメイ

    @refuge774 @mumei_774
    ゲッター(漫画版と東映版中心/竜隼)書いて一旦投げる場所に困ったのでここに。推敲したのはpixiv(https://www.pixiv.net/users/1604747)に。■→推敲格納済
    なにかあればましまろにどうぞ↓
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    ナナシ/ムメイ

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    アイサガ隼人からクリスマスプレゼント貰ったんだけど中身がツリー+ガチャチケ+体力薬だった思い出残し(遅刻)。

    ■ サンタクロースにはまだ早いまだ陽も昇らない早朝、欠伸をしながら向かった全体休憩室に見慣れないものがあった。
    突然現れた自分の背丈より大きな樹に首を傾げる。しばらく眺めてふと目に入ったカレンダーにようやく思い当たる。飾り付けはまだのようだが、ツリー、だろう、多分。半ばリビングのようになっているここに置かれるのはわからなくは無い。
    しかし、最近は忙しくてクリスマスの事はすっかり忘れていた。一体誰が。

    「この重労働に缶コーヒー1本とか釣り合わねえだろ」
    「クリスマスディナーにでも連れてけってのかい、リョウさんはよ」
    「ああいうのは尻がむず痒くなるから酒でも寄越せ」

    時間を気にしてかボソボソと低い男性の声での会話と足音が近付いて、確かにあの人ならこういう事にも気を回しそうだと納得した。
    異世界で生き残った人類を率い司令官として指揮を取っていたという彼、神隼人。
    不満そうな、しかし本当に機嫌が悪い訳ではなさそうな、どこか気安い雰囲気で話している相手は流竜馬。
    異世界からの訪問者に最初は戸惑ったものだが、異国の人間のようなものだと思えば馴染むのは早かった。
    「子供が戦争なんかするもんじゃねえぜ」「……この世界もなかなか大変なようだな」と、会って間もない頃に片や眉を顰め、片や苦い笑みを口元に浮かべていた姿を思い出す。
    あの時に、見た目や聞いていた話ほど怖い人達では無いのだなと感じた。

    「あ、起きてたのかよ」
    「おはよう、指揮官。勝手に持ち込んでしまって済まない」

    箱を抱えたまま挨拶をしてくる声に構わないと首を振り、話を聞いた。部隊には未成年も多く、彼のように科学者や教職に着いていたメンバーには自分が出来ない教育などの面を任せていた。どうやらそういった人達で相談の結果、人数も増えた親睦会の面の他に情操教育も兼ねて、とかなんとか。流さんはそれに付き合わされたようだった。
    話しながら抱えていた箱からキラキラとした装飾を出して飾り付ける二人はどこか懐かしそうにも見えた。
    手伝いながら、詳しくは聞いていないが、いつかこういう日が彼らにもあったのだろうと思う。

    「年中代わり映えしない艦内で季節の認識や、皆の気晴らしにもなる。なによりこういうのは好きな人間も多い」
    「そう言っておいてこいつ当日はどうせなんか他に仕事抱えて俺らに丸投げだぜ」
    「武蔵や弁慶もいるからな。心配あるまい」
    そういう事じゃねえよ、と舌打ちしてそっぽを向く姿に少し面白くなってしまう。
    この人達は、話してみれば存外優しく、ただ方向性が違う不器用さがあるだけだった。何も似てないのにどこか似ている。

    忙しさにかまけて気を回せず申し訳ないと頭を下げれば、「どうせ黙って『お客様』なんかやってられねえんだから気にすんな」と声がする。「お互いにな」と小さく笑う声にその通りだと思った。

    三人で飾り付ければ時間はかからなかった。オーナメントやイルミネーション、白い綿の雪、最後に星を木の天辺に付けて。

    「……何年ぶりかな」
    出来上がったそれをしばらく見上げて、ぽつりと落ちてきた声に、かける言葉は見つからなかった。どちらのものともわからず、わからなくていいと思う。
    多分同じような表情をしているんだろう、二人とも。

    「ああ、そうだ」と声がして振り向いた神さんが包みを取り出し手渡してくれた。ガサリと音を立てる紙袋。
    「少々早いがクリスマスプレゼントだ」
    少し驚いて流さんの方も見れば「中身に期待すんなよ。実用主義とか可愛げがねえったらよ」と頭をかきながらの言葉があった。
    嬉しくなってしっかり抱えたまま感謝を述べれば照れたような雰囲気でまた面白くなってしまった。

    「さて、指揮官。プレゼントとパーティーについては許可がいるかと思ったんだが朝食がてら少し時間は取れるかな」
    空き箱を片付けながらの提案に自分は頷いた。流さんはクワッと白い歯が見えるくらい大きな欠伸を背伸び付きでして目を擦る。時々仕草がひどく子供っぽく映る時がある、この人は。
    「隼人、俺は寝ていいか。予算だのなんだの難しい話は俺にはわかんねえ」
    「ああ、朝からすまなかったな、竜馬」
    ヒラヒラと手を振って二度寝しに行くらしい後ろ姿が廊下に消えた。
    やり取りをふと思い出し、あの人も皆の前で意地なのかなんなのかを張らず、先程までのようならもう少し怖がられないだろうに、などと思った。


    ……食堂で「ツリーをどう調達するか」の末「まだるっこしいからその辺から引っこ抜いてくりゃいいじゃねえか」と、相変わらず豪快な事を言い出したと聞き、違う意味で怖いんだった、と思い出したのはそのすぐ後だった。実行には移されなかったようで幸いだ。


    それと年甲斐もなくワクワクしながら開けた紙袋の中身は、自分がよく使うドリンク剤で(働けと……?)という疑問を乗せた顔で神さんを伺ってしまった。

    悪気は無いだろうにあの人達はたまにすごく厳しくて怖い。

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    ナナシ/ムメイ

    DOODLEアイサガ軸のチェンゲ竜隼。バレンタインとかホワイトデーとかの時期を盛大に逃したけど今出さないと完全に忘れるだろうので。
    適当に色々ぼかしてあるので、「アイサガ隼人の好物はエネルギーバー設定」だけ知ってればチェンゲで読めると思います。(そもそもチェンゲ本編は再会してから時間無さすぎでこんな話やれるはずないのは置いといて)
    好きにしたいだけ今日は元の世界で言うところのバレンタインデーだかなんだか、らしい。
    そんな習慣がこっちにもあるのかと不思議になったが、恋人やら家族やらへの感謝の日みたいなもんがあるって事は、誰かに感謝とか好意を伝えたい人間がそれなりにいたって事だろうし、悪くねぇと思う。

    女からチヤホヤされたいか、と言われれば、性別どうのじゃなく好意を貰えばそりゃ嬉しい。が、好意のフリだけしたご機嫌取りだの媚びだのは昔から遠慮願ってたくらいには興味がねえし、いっそ煩わしい。口にこそ滅多にしねえが。
    もし、愛情の形とか貰えるなら、大事に思う相手からだけで良いし、なんなら貰うより送る方が性に合ってる――それが誰か聞かれたら困るが。

    コートのポケットに突っ込んだままのエネルギーバーを思い出して軽く眉を顰める。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLE1本目→寒すぎて五半をくっ付けたかった。(動機に邪念しかないがまた銀婚式夫婦)
    白狐の毛皮は秋野さんが前に書いたネタから拾いました。手入れすれば長持ちするんだそうで。
    羽織は戦国時代からとか調べはしたけどなんか違ってるかもしれない。

    2本目→でっかーい五右衛門がちっちゃな柘植櫛摘まんでにこにこ半蔵の髪すいてたら可愛いなって

    (言葉遣いは元が割と現代風混じってラフなので細かくやってません)
    ■ 冬の五半╱ぬばたまの動物というのは人が思うより頭が良い。
    息も白む冬の最中、いつの間にやらするりと入り込んだ猫が書き物机の隣に置いた火鉢に背を着け丸まり、ごろごろと喉を鳴らしていることなどもままある。

    しかしまあ、逆に時折、人であっても動物より頭がよろしくないのではないか、と思う時もある。
    半蔵は暫し席を立った間にどこから乗り込んで来たやら、火鉢の傍で身を縮めていたそれに溜息付きつつ呼びかけた。

    「……五右衛門」
    「なんだァ?」
    「冬の間は山越えが危のうてかなわぬから、滅多に来るなと言うたじゃろう」
    熊かと思うて背筋が冷えたわ、と半蔵は帯に忍ばせた短刀を再びしまいながら呟いた。火鉢の前に黒い毛皮の小山が見えた時には本当に熊かと思い一瞬肝を冷やしたのだった。
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    ナナシ/ムメイ

    DONEネオゲ本編後竜隼。
    あの世界の竜馬はどうして研究所離れて、二人は五年間何考えて過ごしてあの後どうしたんだろうとか。

    ネタとしては粗方見終わった直後にはあったんですが、データ二回飛ばした(主な理由)り、書こうとしては原作と根本的な軸や核が色々噛み合わなさすぎることに悩んでこんな時間かかり……。
    原典周りから色々設定引っ張りながらネオゲの本編内容ある程度組み込んでるつもりです。
    ■ もう一度、何度でも五年、という月日は短かったのか、長かったのか。

    ……さっぱりわからねえな。なにもかも。
    そう胸の中で独りごちながら、竜馬は縁側で一人煙を燻らす隼人を眺めた。
    黒いスラックスに白いワイシャツ。ネクタイが外されて見える首元に、今はあの十字架の鎖も無い。

    恐竜帝国の再侵攻、そして六年近くに渡っての戦いの決着からしばし。
    あの日、あの瞬間、中天で輝いていた太陽の代わりのように月が静かに秋の夜闇を照らしていた。
    山中にあるこの烏竜館は、今は自分達以外に人もおらず、まだ手入れの行き届いていない庭の草むらからは澄んだ虫の声が響く。
    長い脚を持て余す様に片膝を立てて縁側に腰を引っ掛け柱を背に寄り掛かる隼人の姿に、竜馬は不意にいつか早乙女研究所のバルコニーで手摺に腰掛けていたその姿を重ねた。
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    ナナシ/ムメイ

    DOODLERe:ハニー小ネタだけど竜隼。そういえば二十周年なのかと気付いたので、記念的に。
    資料未所持で本編だけ見て書いてるのでなんか違っても許して。

    映像や脚本も良かったし単純にポップでキュートでビビッドで派手で外連味があって面白かったけど、「ダイナミック漫画作品における戦闘シーンのお顔これだー!!」感があってそういう所もとても好きです。
    今度こそ二人共に並んで生きてくれ、みたいな祈りを感じるところも。
    ■ CROSSING《Re:ハニー》前半→ハニーとなっちゃん
    原作は漫画版しかきちんと見てませんが、例えご都合主義でも違う世界と人々であってもあの終わり方は嬉しかったです。
    「友」は少なくとも石川ゲッターロボでは本当に愛した存在にこそ向けられる言葉なので、そのニュアンスで。
    後半→「早見」と「誰か」
    説明めんどくさいから極端に簡単に言うと、Re:ハニーはハニーだったけど同時に石川ゲッターロボだったし、早見は竜馬寄りで隼人混じってたよね?って前提で、なら早見にも相方いてもおかしくないよね?っていう。


    =====


    「あのね、なっちゃん」
    「なに、ハニー?」
    「えへへ、んーん、呼んでみたかったんだぁ」
    「なによ、にまにましちゃって。ほら、片付け終わってないじゃない」
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