Legenders/海水魚はお好きですか?:ポプマスのネタ。クリスさんのスキル発動セリフについて ライブが終われば着替えて帰るだけ――そう思っていたから、北村想楽に呼び止められて古論クリスは目を瞬かせた。
「想楽。どうしましたか?」
「前から気になってたんだけど、クリスさんはどうしてライブ中に海水魚の話をするのかなー?」
びっくりするんだよねー、と言いながら想楽は手の中でグリッタートリックに用いるステッキとハットをもてあそぶ。
事務所の垣根を超えてユニットを組むことができるポップリンクライブだが、担当プロデューサーの強い意向によりLegendersは引き続き三人で活動をしていた。見知った顔ぶれでライブができることは想楽にとっては気楽だが、グリッタートリックでカガヤキをステージの中央に集めようとするたびに『海水魚はお好きですか?』とクリスに訊かれることだけは気になって仕方がなかった。
「想楽や雨彦のパフォーマンスは素晴らしいものですから、どのような魚を真似たものかと思いまして。想楽も雨彦も、ザトウクジラのように堂々としていて見習いたいものです!」
「あー、うん。そっかー」
目を輝かせるクリスを見ていると、想楽の口元には自然と苦笑いが浮かぶ。
「――情熱は、秘めるよりも魅せるもの。――クリスさんにとっては、そうなのかもしれないねー?」