「…っ…えろ」
オレは足元で動くディノの頭をなでて息を吐いた。ディノはオレのちんこを舐めてて、二人分の体重でオレのベッドがきしんだ。
「…つ、…ゅ」
ディノはオレのちんこの裏側を舌でれろーっと舐めていて、そのクソエロい姿にオレのちんこはますます元気になっていく。
「はぁ…キース、きもちいい?」
顔をあからめたディノの顔に。オレのちんぽの影がかかっている。いつも健康的なディノの顔にグロいオレのちんぽのコントラスト、は。あまりにも刺激的だった。
「…おお、うん、きもちいい」
オレはバカみたいな単語しか言えなくなって、そうくりかえす。ディノは口が疲れたみたいでオレのちんこから口を離した。ぷらんぷらんと勃起したままのちんこを持て余し、オレはディノのデコにちんこをこすりつける。さっきまで野球のナイトゲームを観戦しながらノートパソコンで書類をつくっていたディノは、頭の前髪をゴムで結んでいて。いつもは隠れているディノのおでこに全裸でちんこをこすりつけて、自分でもドン引きな変態行為をしている。ひくわーないわー。とか思うもののディノのデコやらほっぺたにちんぽをこすりつけて、オレはハアハハ荒い息をはいてるってわけ。
ディノはオレのちんぽを手にして擦った。根元のほうを両手でこすって顔をあげる。
「きょうはどうするんだキース」
「……擦ってだしてくれ」
本当は最後までしてえけど、残念ながら明日は仕事だし、ジュニアもフェイスもそのうち夜遊びから帰ってくるだそうし。あークソ、やりてえな。
「セーエキ飲んでほしい?」
「いや、いいよそこまで」
「キースは俺の飲んじゃうくせに」
「オレはいいの」
ディノにそんなことさせれるか!ディノはオレのちんこをこすってたまにキスをして咥えたりした。
「…っディノ」
オレの呼吸が荒くなって、そろそろヤバイころになってもディノは手でこするのをやめないで、目を閉じて舌をべえっと突き出した。
おまえ、それ…っ。
「―――ッ」
すげえ迷ったけど、ディノのやらしい姿をみてオレが我慢できるはずもなくて。オレはディノの顔に精液をぶっかけた。オレの生臭い精液がディノの顔を滑り落ちる。
「はあ…ぁ」
オレは茫然とディノのおでこにかかった精液をみた。精液がたれていって目に入るかも、って気がついてオレは慌ててディノの顔をティッシュでぬぐう。
「おい、目に入ってないだろうな」
「うん、だいじょうぶ」
「こんなことまでしなくていいんだぞディノ」
「でも最近キース、えっちなビデオぶっかけ物ばかりじゃないか」
「……たしかに」
まあ、そうだけど!そうだけどォ!ディノにからかわれてオレが悶えていると、スマホが鳴った。スマホをみるとフェイスからのメッセージで、今日はおチビちゃんたちと朝まで帰らないから。ブラッドにはだまっててっていう。
「やった」
オレは都合のいい展開ににやけた。オレのスマホを覗き込んだディノもにこって笑う気配がする。
「気を遣わせちゃったのかな」
「いやあ、あいつらも遊びたいんだろう。若いな」
フェイスサンキュウ愛してるぜ~。オレはいそいそコンドームを出してきて装着してディノを押し倒した。くすくす笑うディノにキスをして。
それで。
「あっ……しんじゃう、う、きーす、きーす」
ディノがオレの下で悶えてる。もう何回もやって、オレもディノも息も絶え絶えってかんじで。オレの精子もそろそろ打ち止めだわ。
「ディノ、締めて」
「っ、ぅう」
オレはずっしり重いディノの脚を肩にかけて、ディノの内臓の奥の奥まで進んで、息を吐く。ディノの内臓の奥の部分がしまってオレの頭もぐちゃぐちゃになる。ディノの内臓。内臓。オレはやっぱりディノのこと全部知りたくて、だから、内臓の奥まで知りつくしてえ。
「しにそ…」
ひゅうひゅう口を動かしたディノがそういった。なあディノ。オレはおまえのことを全部知りたいから、オレの前で死んでくれ。オレはおまえの人生ぜんぶ知っとかなくちゃだめだからな。
「―――」
オレはひくひく動く内臓に、精子をぶっかけた。薄いゴムのなかにぶっかけられたオレの精子はそのままゴムの中で死んでいった。
「キース、よかったな」
「…うん」
オレはディノの体に突っ伏して、ぼうっと一呼吸。
ディノの汗ばんだ顔を眺めていると、落ち着いてくる。
「どうしたんだキース」
「いや、なんかやべえこと考えてたような気がする」
「え、なに?」
「いやたいしたことじゃねえよ」
オレはディノのおでこにキスをした。髪を結んでいたゴムはすっかり緩んでいたのでオレはゴムをとった。へんな型がついた髪を撫でているとディノが脚をからめてきてオレたちはしばらくうとうとした。ディノの寝顔をみていると、やっぱりさっきの続きなんだけど、オレはディノが死ぬところをちゃんと見ようと思った。ピザが大好きなディノ爺さんをピザパーティで看取ってやるんだ。もちろんビールも飲み放題でお寿司も食べ放題だ。
いいなそれ。50年後ぐらいに開催するか。うん。
オレはエリオスタワーの屋上にいる。なんか眼が冴えてここに来た。時間はもう朝だけど。まだ外は暗い。
「たばこ吸いてえ」
いつもの癖でたばこを出して、ここが禁煙な事を思い出す。
「はあ…」
オレがため息をつくとブラッドの小言が飛んできた。
「ここは禁煙だぞキース」
こんな朝帰りなのにきっちり制服をきているブラッドがオレのとこに来る。
オレはわざとたばこに火をつけた。てっきりブラッドに携帯灰皿に捨てられると思ったんだが、ブラッドはオレからたばこをとりあげると、自分の口にもっていった。
「ここは禁煙だキース」
「吸ってんのブラッドだろ」
ブラッドは制服は着込んでたけど、髪はぼさぼさで顔も汗ばんでた。
「サブスタンスの処理か?」
「ああ」
「こんな時間まで?いえばオレらも駆けつけたぞ」
「いやサブスタンスの処理はすぐに終わったんだが、妙な愁嘆場に巻き込まれてこんな時間になった」
ブラッドは深くタバコを吸って吐いた。
「そりゃ難儀なことで、おつかれさん」
「ああ」
「………」
オレはたばこをとりかえして一服した。
「なあブラッド、おまえはオレが死ぬとこちゃんと見ろよ」
「どういう意味だ」
「オレがディノ爺さんの死ぬとこみるから、おまえはキース爺さんの死ぬとこちゃんとみてくれよな。葬式はまあ適当でいいから」
「唐突になんだ。50年も後のことは保証はできないが」
「そういうなよ」
「まあ覚えて居たらな」
ブラッドはオレからたばこをとりあげて、今度は本当に携帯灰皿に捨てた。あーあ、まだ吸えるのに。
ブラッドは視線を向こうに向ける。ブラッドの視線の向こうにディノがいた。
「ブラッドおつかれー☆」
ディノは自販機で買った水をブラッドに放り投げた。ブラッドは受け取ると、喉がかわいてたのがごくごく飲み干した。
覚えてるだろ。おまえならさ。50年後でも。律儀だもんな。オレはディノにもらったコーヒーを口に含む。ディノは新作のジュースを飲んでいる。ピザ味ジュース、うえっ…まずそう。オレがちんたら夜明けのコーヒーを飲んでいると夜が明けた。
「まぶし」
殆ど徹夜のオレたち三人は朝日の眩しさに目がくらんで、しばらく夜明けを眺めてた。
そうだろ、もう夜は明けたんだ。