勇者の血 ぼくのおとうさんは、よわむしな木こりです。ちからがとってもつよいのに、まものをみるとすぐににげだす。メルキドのまちの人たちからは、メルキド一のちからもちなんだから、たたかったらきっと勇者さまみたいにつよいのに、といわれています。
おとうさんと勇者さま、はどちらがちからもちかな、とぼくがまちの人にきくと、さあねえ、勇者さまがいればくらべられるけど、勇者さまは、ゆくえふめいになっちゃったみたいだから、とみんなこまったようなかおをする。
勇者さまは、ぼくらがいるアレフガルドをすくった、ロト、という人らしいです。ぼくがうまれるまえのはなし。むかしはあさがこなくてずっとよるだったのよ、とおかあさんはよくいっています。
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