夢は啓示だ。
だから僕は睡眠を重要視する。どんなに忙しくても、どんなに疲れていようとも、しっかりと身支度を整えて自分の部屋で眠りに付く。そうすると、上質な深い眠りは僕の心を豊かにし、細やかなアイディアを与えてくれるんだ。この前の春の新作を作る時の夢は壮大だった。芳しい桃の花の香りが僕を誘い、青空の下新緑の芝と桃の花びらの中で乱れた。明け透けに言えば、春の情景の中での青姦。ただの淫夢だ。でも僕にとっては違う。この夢は過去最高の売り上げを叩き出す春のコスメを生み出す核になった。
そう、春の新作を出す時に見た夢が良くなかった。最高で最強のインスピレーションを刺激したあの夢以来、僕の感性があれ以上の夢を欲してしまっていた。おかりん曰く、これがスランプ。僕の夏の新作は納期1ヶ月を切っていた。
1967