ず、ず、と中で動く。溜め込んだものが細い出口をあがっていく。重い、滑らかな栓を体液が押し上げて、自分の中心を通る管が膨らむのが分かる。ずっと広げられた先端の、うちっかわがずっと擦られてて。普段触られるだけで泣きが入る部分をずっと刺激されて、もう色々と限界だった。
先走りがぼたぼた垂れるのに合わせて、細い口が栓を吐き出していく。栓の隙間を通れない粘液もその後を追う。気持ちいい。ジンジンする。根本がもう破裂してしまいそうだ。涎まみれの枕に顔を押し付けて、後ろの動きに合わせて四つん這いの体を揺する。もう少し、もう少しで抜ける。出せる。もう──
「こら」
ずぐっ、と下腹の根本に衝撃が走る。
何が起きたのか、昇りつめることしか考えていなかった頭は何も理解ができなくて、体だけが反応して濁った悲鳴が漏れた。太ももがビクビク震えて、背筋が勝手に跳ね上がる。下腹が埋められた熱を食いしめてうねっている。
「勝手に出そうとしただろ」
体のどこかしこも痙攣しているのに、唯一欲の中心だけ、根本まで貫かれて動けない。まっすぐ立ち上がった状態から萎えもできず、溢れ出る濁った液をダラダラ漏らしながら、哀れに震えるだけだ。
「白いの混ざってるな。ちゃんと出さないと体に悪いぞ」
背中に温いのが覆いかぶさって、濡れた肌がぴったりくっつく。体を抱く手は優しいのに、もう片方の手は俺の先端を意地悪に突いてくる。
「だれがッア、っんぅ、じゃ、も、出させてくださ、ぃよ……!」
ずっと我慢して我慢させられて、パンパンに張ったエラを指が這うと、それだけでもうイキそうだ。普段全部は剥けない皮も全部剥かれて、敏感なところをさらに充血させられて、尿道から漏れる液が伝うのすら辛い。
「だから言ってるだろ」
笑う気配がして、指先がコツリと金属を叩いた。途端奥まで衝撃がしびれて、ちんことケツの間がギュウッと締まった。ナカが勝手に隊長のを味わいだして、膨らんだままの竿がイイところを押し上げて。でもそこは前からも抑えつけられているから、もう逃げ場がない。ああ、だめだ、だめ。何をどうやっても気持ちいい。
「10分雌イキしなかったら良いぞ」
ちんこに刺さった尿道プジーを動かしながら腰を使ってくる。こんなことをされて、絶対我慢できない体にしたのは隊長のクセに。
自分だけ平気な顔して言うんだ、この人は。
◇
「イサミお前、すぐ漏らすな」
ことの発端は隊長の発言だった。隊長の家に泊まって、ベッドで舌を絡めるキスをして、後はいつも通りなし崩しだ。もう何回目なのか覚えてない程度にはしてるけど、慣れないものは慣れない。今日も隊長に責められて、上も下も、挙げ句後ろまで舐められて。それがあんまりにもしつこかったから、まだ中に何も入ってないのにイッてた。
「……はい?」
ぜえぜえ肩で息をする俺とは対象的に、隊長はいつも通りの声色だ。人の腰を勝手に持ち上げて、ほぼ真上を向いた太ももの間を陣取っている。さっきまで人の身体を舐めたくってたとは思えないくらい涼しげな顔で、腹が立つ。
というかまずこの体勢から解放して欲しい。さっきから自分のモノが見えて嫌だ。後ろの刺激で出た精液は勢いがなくて、落ちきらなかった残りが半剥けのさきっぽから糸を引いている。死ぬほど恥ずかしい。きっと顔も真っ赤だ。
「若くて羨ましい限りだが、あんまり出しすぎても良くないんじゃないか?」
どの口がそれを言うのか。
「隊長がねちっこいからじゃないですか」
「このくらいの前戯普通だ。お前の感度が良すぎる」
「そんなことな、いです」
反射で返したものの自信はない。俺が比べられるのは隊長しかいなくて、そして隊長は中々イかない。
でも早漏呼ばわりされて無視はできない。そもそもここで素直に負けを認められる性格なら、普段あんなに始末書を書いてない。
「隊長がイクの遅いんスよ。……年じゃないすか」
「お、言ったな?つまりお前は早漏じゃないと」
「そう、です」
あ、なんか不味い気がする。隊長がすごい笑ってる。そして隊長がこの顔をしているとき自分はロクな目に合わない。始末書追加されたり、減俸されたり、乳首ばっか責められたり、奥の奥ブチ抜かれたり。
「じゃあ、イクの我慢できるな?」
はい。と応えたのは意地が半分、自衛官の条件反射が半分だった。