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    半田春

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    半田春

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    好きな人の横顔の話

    未完つかるい3「好きな人の横顔って、なんだかカッコ良く見えてドキドキしちゃうよね!」

     話したこともないし興味もないクラスメイトの女子たちが、教室の一角でそんな話をしていた。所謂恋バナというものだろう。類は他人の恋の話など聞く気はなかったが、その言葉が耳に入ってからは妙に引っ掛かってしまい、ぐるぐると思考を巡らせていた。

    「……どうした?類」

     ふと聞こえたその声に意識を戻すと、目の前に司の顔があった。先程までショーの打ち合わせをしていたのに、突然黙り込む類を見て不思議に思ったのだろう。目の前で手をひらひらと振って注意を引こうとしてくる。

    「いや、なんでもないよ。少し考えこんでしまったみたいだね」

     司に心配をかけまいと、台本に意識を向ける。司が、台詞を指差しながら演出の要望を言っていき、それを頭に入れながら用意するロボを考えていく。
     ショーの話が始まると、頭の中はそれでいっぱいだ。けれど、授業が始まるからまた後でと司が去ってから、再び思考は先程の話題に戻ってしまった。

    「……横顔、ねぇ……」

     何故その言葉に引っ掛かっているのかも分からず、妙な違和感だけを抱える。授業を聞かないのはいつものことだったが、代わりにしているショーに関することも、手につかなかった。



     金属製の重い扉を押せば、心地良い風が正面から吹いて髪を揺らす。思わず閉じてしまった目をゆっくり開くと、僅か数メートル先にあたたかな金色が。
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