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    [コリモル] 作り直したコリント人の仕上げをするモル王のお話。短い。コリモル未満(?)
    舞台時代に出演前に劇場の座席すべてに触れて回るトムスタ君の動画が愛しすぎて妄想してしまいました。

    ⚠️特に何も起きないですがコリ人は生まれたままの姿です…

    ##サンドマン
    ##コリモル

    夢の仕上げ 目の前に立つ完璧な肢体を眺め、モルフェウスは小さく息を吐いた。
     さあ、最後の仕上げだ。腕を上げ、力を送り込む。かかげた掌の前に完璧な顔が現れ——しかし、そこでモルフェウスは腕を下ろした。
     今度こそ最高のコリント人をつくるのだ。いつもと同じ方法でよいのだろうか。
     ドリーミングの他の者たちを作る時と同じように、いやそれ以上に、自分の力を入念に注ぎ込んだ。だがそれでは足りないような気がした。まだ生気を宿さず目を閉じて立つその姿を見つめる。
     その見た目は、前のコリント人とほとんど違わない。だが今度こそ、この者が道を外れることがないように繋ぎ止めたかった。もちろん首輪をつけて繋ぐことはしない。悪夢なりに自由に生きるだろう。しかし、自分を拒み遠く離れていって欲しくなかった。もう二度と、この手で破壊したくなかった。
     もう一度腕を上げ、少し躊躇してからそっとコリント人の胸を指先で触れた。
     モルフェウスは、他人に触れられるのも触れるのも好きではなかった。だが、この大切な創造物の肌に触れた指先は心地よく、吸い込まれるようにさらに腕を伸ばした。掌全体がその白い胸に触れる。
     するとその途端、僅かだが確かな変化を感じた。コリント人の胸の奥深くの鼓動。触れる前から心臓は動いていたはずだが、ただ命をつなぐだけだった鼓動が、深く、力強く変わったのを感じたのだ。見上げても、まだ顔は人形のように虚ろなのに。
     これは上手くいくかもしれない。手を離すと、徐に柔らかな砂の地面に軽く片膝をつき、そして目線の先にあるその足先にそっと触れた。
     どこまでも行けそうな力強い足の指と甲に触れると、体を支えているだけだった足が、地面をしっかりと捉えるかのように、土踏まずがぐっと上がった。そのまま上へ手を移し、ふくらはぎに触れると、筋肉が力を帯びる。
     これが魂を宿すということだろうか。肉体という入物は完璧に出来上がっていたが、触れるたびに自分の力がその場所に生と自我を宿していく。そしてそれと同時に、モルフェウス自身も指先を通して何かが自分へ通い巡るのを感じた。
     いま自分は分け与えるだけでなく——分け合っているのだろうか。一つ一つの感触が、この愛しい夢との繋がりに変換されていく。
     下から上へ、丁寧に指を置きながら少しずつ立ち上がる。まっすぐだが機能的に動きそうな膝、太く肉が合わさった頑丈な大腿部。そしてそこで手が止まった。
     ここまで左右対になっていたパーツがそこで初めて一つになる。そしてその中心で存在を主張する部分。ドリーミングの住人にとって子孫を残す機能は必要ではない。だが理論的には必要ではないそれも、この者にとっては大切なのだと知っている。他と同じようにそっと掌で触れる。するとわずかに質量が増したように感じた。思わず上を見るが、もちろんそこより上の部分は、まだ冷たく無反応だ。思わずふっと小さく笑みが漏れる。まったく呆れた悪夢だ。
     腹に触れると筋肉の凹凸が僅かに深くなる。そのまま腰に指を伝わせながら後ろに回る。腰から首へ真っすぐに伸びる背骨のくぼみに沿って指先を走らせると、それに呼応するように、モルフェウス自身の背を力が駆け上り、思わず天を仰いだ。
     目の前のほれぼれするような肩甲骨と肩。途端、この体に何か印を残したいという気持ちに襲われた。芸術家が自らのサインを刻むように。
     僅かに頭を落としたコリント人の首の付け根。目を閉じ、丸い骨が浮き出たそこに唇を落とす。
     わが小さき夢よ。今度こそ失望させないでくれ。
     祈るように力を注ぎ込み、そっと唇を離すと、それに応えるようにコリント人の首がゆっくりしなり持ち上がった。静かに目を開けると、その白い首元の皮膚には赤い痕が残っていた。卵形のような楕円から細く伸びる嘴——夢の王の印。
     後ろから両肩に触れ、そこから水のしずくが伝い落ちるように、指先まで指を滑らせる。空気を捉える翼のようにその肩と腕が小さく波打った。
     もう一度前に戻る。さあ、本当に最後の仕上げだ。
     その柔らかな唇に触れ、そして目のある場所に埋め込まれた口と小さな歯列を指で撫でる。だが何も起こらない。一瞬戸惑った後、すぐにその顔に笑みが浮かんだ。なるほど、贅沢な奴だ。
     自分より少し上にあるその頭に手を伸ばす。触れた金色の髪が柔らかく風に揺れた。そっとその頭を引き寄せ、三つの口を順に唇で触れる。親指で頬をさらりと撫でるとその下が小さく動き、かすかに恍惚の溜息が聞こえた。顔をすっと横にずらし耳元に口を当てる。
    「目覚めよ、コリント人」
     低く呟くと、ぬくもりを宿した頭がゆっくり動くのがわかった。
    「わがきみ」
     懐かしいその声が耳を撫でた。その途端、モルフェウスの体に温かな満足感が満ちていった。
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    Ordet_er_frit_

    DONEフォラクレのクリスマス話。ドイツの小さな街にて。
    なお、アンティ…が成功したIf設定です。
    Stille Nacht ~静かなる聖夜~ 雪混じりの冷たい寒風が、クレーバーを嘲笑うかのように吹き抜ける。
     耳が千切れそうな冷たさに、帽子を忘れたことを激しく後悔する。だがクリスマスイブには店も開いていない。
     クレーバーは鼻をすすった。ふと、人前で鼻をすするのはやめなさいと博士に言われたことを思い出す。
     だが、もうここに博士はいない。
     もう一度、派手に鼻をすすると、冷たい空気が脳天を突いた。馬鹿だった。
     だが冷たい空気と一緒に、甘く香ばしい香りが鼻をくすぐった。クンクンと探る。たぶん、これは広場の方だろう。あてもなくフラフラしていた足は、突如目的をもってサクサクと雪を踏みしめた。
     街の広場には、一応クリスマスツリーが立ち、クリスマスのデコレーションがされている。見回すと匂いの元はすぐ見つかった。広場の片隅の小さな移動屋台。暖かい明かりの元、大きな銅鍋の中で、ローストアーモンドがかき混ぜられている。クレーバーは引き寄せられるようにそちらへ歩いていった。店員が、コーン型にした包み紙に、砂糖をたっぷり絡めたアーモンドを入れて客に渡している。前のカップルが嬉しそうに受け取って離れていくと、店員がクレーバーへ視線を移した。
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