記念日「サムライボーイ」
デスクで慣れないキーボードを叩いている轟の元へ上司がやってきた。鏡は眉間にシワを寄せて、なにやら難しい顔をしている。轟はまた何か契約でも取ってこいと言われると思ったが、どうも違うらしい。
「なんだよ係長」
鏡慶志郎とは恋人だ、だが社内恋愛は停職処分になるので二人はこっそり付き合っている。2人の雰囲気から察している社員も居るが気を使ってくれているようだった
「今日は何の日か分かっているかい」
彼は腕を組んでこちらを見下ろながら言った。その態度にムッとした表情を見せる轟はデスクの端に置いてあるカレンダーを見る
「あー…今日、か?」
特に何も思いつかない、そんな様子を見た鏡はやれやれと呆れたようにため息をつく
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