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    mii_wannyantyu

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    mii_wannyantyu

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    大女優しのぶさんと新人女優蜜璃さんの第一話。(誤字脱字あり)
    今しんどくてもう少しで甘々にいけるというところを書いている。しんどい。しのぶさん心開いて早く…。しのみつなんだよ…あなたからぐいぐいいくんですよ分かってます…?どうか…続きを書けと、ケツを叩いて欲しい…。

    1.胡蝶しのぶという女優

    東京都北区出身、2月24日生まれ、現在18歳の現役高校生。
    子役としても活躍していたが、14歳の時に出演した、『蝶屋敷の女主人』で本格的にデビュー。天真爛漫で無邪気な少女が、ある日を境に大切なものを奪われ、復讐を果たすために戦い続けるというストーリー。勝ち気で強気な無垢な少女と、蝶屋敷の主人として凛とたたずみ、胸の内には怒りと憎しみを飼う女性というまさに真逆の役を、たったひとりきりで、しかも14歳という若さで演じきった。それは、圧巻の一言であった。
    まるで役が憑りついたような演技が、各所で高い評価を受け、その後はアクション、ヒューマンドラマ、SF、時代劇など様々な役に抜擢され、18歳となった今でも、その輝きは鈍ることをしらず、煌々と輝き続けている。
    『役を生きる女優』という異名のもと、彼女は今日も、演じ続けている。

    ……これが、世間の知る、世間が思う、胡蝶しのぶ。私が、演じている、胡蝶しのぶ。
    「まだ、まだ足りない。……姉さんの場所には、まだ、届かない。もっと、努力をしなくちゃ。もっと、自分を殺さなくちゃ。」
    ベッドの上に読んでいた雑誌を放り投げ、わたしは両手で顔を覆った。
    「……姉さん。」

    吐き出した声は、誰にも届かないまま、静かな部屋に消えていった。

    私の姉、胡蝶カナエは、誰もが認める大女優だった。子役の頃から第一線で活躍し、子役でありながらも、周りから尊敬されるような演技力と、人徳があった。少しの休業期間を経て、再び芸能界に舞い戻ると、なにをやっても大ヒット。彼女がいれば、成功間違いなしと言われるほどの実力を持つ女優であった。

    彼女によく似た、朗らかな性格の女性から、根暗なオタク、自分中心にことが回らないと気が済まないわがままな女。なんのつながりもない役のすべてを、彼女は完璧に演じて見せた。彼女が演じているのを見れば、本当にそれが彼女なのか、私の知る胡蝶カナエなのか、わからないくらいに。役が彼女なのか、彼女が役を演じているのか。役そのものになり切る、というよりも、役を彼女が呑み込んでしまったような。そんな印象を抱かせることもしばしばあった。17歳になり、演じる幅も増えてきて、これからだったと、いうのに。

    彼女は死んでしまった。刺されたのだ。あろうことか、私の目の前で。
    だれにでも好かれる彼女に、アンチはほとんどいなかったものの、本気で恋をする、してしまう人たちが一定数いるのは知っていた。だから、普段は警護をつけて、どこへいくのも誰かと一緒に。そういう風にしていたのに、その日に限って、彼女は一人で外にでてしまったのだ。
    不出来な妹を、事務所まで迎えに行くために。

    事務所でまちぶせしていたその男は、彼女を刺して逃げた。出血がひどく、発見した私ですら、もう助からないことが分かった。
    もう、言葉も話せない状態の姉さんは、私の必死の呼びかけに答えてくれた。笑ったのだ。痛くて、怖くて、苦しいはずなのに、姉さんは笑った。
    「だれに、だれにやられたの?!姉さん、カナエ姉さん言って!!!!」
    ふるふると首を振って、にっこりとほほ笑む姉さん。こんな時まで、演技しないで。姉さん。わたしだけの姉さん。お願い、逝かないで。
    「姉さん、死んじゃやだよぉ。」
    その言葉に、ようやく彼女の仮面が溶けた。くしゃりと顔をゆがめ、涙が、頬を伝った。
    「し、のぶ。……ごめんね。」
    腕の中で冷たくなっていく姉さんを掻き抱き、私は誓った。
    絶対に、犯人を見つけ、復讐すると。わたしの、最後の大切を奪ったそいつに、死よりもつらい目に合わせてやると。

    姉さんが築いたもの、姉さんが遺したもの。そのすべてを風化させないように、守るために。わたしは、姉さんの事務所の戸を叩いた。


    胡蝶カナエと胡蝶しのぶは、幼いころから、二人で養成所に通い、レッスンを受けていた。
    しかし、私は知っていた。私には、演劇の才能は、ない。様々な場所で活躍する姉さんを見ていて、すぐに気が付いたのだ。私には、誰かを演じることなんてできない。自分を生きるので精一杯だと。

    それに気が付いてからは、私は、姉さんの手伝いができればいいと、マネージャーになるための勉強をしていた。スケジュールの管理の仕方から、関係者への連絡の仕方。挨拶の仕方まで様々なことを、いろんな人の下について学んでいた。私は高校を卒業したら、大学に行かず、姉さんのマネージャーになりたいと思っていた。しかし、それは叶えられなかったのだ。

    もう、自分にはできないなどと、言っている場合ではない。私がしなくてはならないのだ。芸能界で彼女が築いた場所を守り、入れ替わりの激しいこの場所で、彼女という存在を風化させないように。そして、アイツに、復讐するために。

    きっと姉さんを刺した男は、私が有名になれば、私の目の前に現れるだろうという確信があった。あいつは、姉さんに心酔していた。だから、彼女のまねをする、彼女になろうとする私が、目障りになるはず。だから、私は上り詰める。この、魑魅魍魎のはびこる、芸能界を。そう決意をし、私は一度諦めた演劇の道を、もう一度進むことを決めた。

    私は、「胡蝶しのぶ」の仮面を被った。

    毎日毎日、気を失うまでレッスンを続けた。演技指導、歌唱指導、ダンス、礼儀作法に立ち居振る舞い。演劇のためになるものなら、なんでもした。役をもらったら、その役になり切るため、関係のある書物や、心理学、果ては実際に話を聞きに行くなどして、徹底的な役作りに努めた。私には、姉さんのような、生まれ持った才能も、花も、何もない。だから私ができるのは、ただ努力を続けること。それしかなかった。

    そして、数ヶ月後、小さな役がもらえるようになってきたある日、あのオーディションの話があがった。
    『蝶屋敷の女主人』
    時代劇で、大正時代に実在したとされる、屋敷の主人の半生を描いたものだ。無垢な少女から復讐に燃える女性へと、変貌を遂げる、難しい役。
    私は、運命だと思った。この役は、きっと、私にしかできない。ぬくぬくと、大切な人との明日が、確実に約束されていると思い込んでいるのんきな人たちには、この役はできない。
    私は社長に自らこのオーディションを受けさせてほしいと頼んだ。
    どこか心配そうなまなざしを送られたものの、しのぶが受けたいのならと手続きを済ませてくれた。

    そして結果は、合格だった。

    実際に何人受けたのかは知らないが、ものすごい倍率だったようで。役が決まったときは、社長や、お世話になった人たちがみんな集まってお祝いをしてくれた。
    まだ、スタートラインにも立てていないけれど、少しは、努力が報われたと思ってもいいのかなと、思った。

    『蝶屋敷の女主人』は、自分でも驚くほどの評価を、各所からいただいた。中には『胡蝶カナエの再来か?』という記事まであり、少しだけ、自分の胸がうるさくなった。
    姉さんには、まだ遠く及ばないが、覚えていてくれている人がいる。胡蝶カナエという存在は、誰かの中に、残っているのだ。そう、であるならば、私が、もう一度、刻み付けなければならない。胡蝶カナエのために、女優としての道を歩み始めた私が。

    この主演映画をきっかけに、私は忙しくなった。CM出演からトーク番組やバラエティまで。「胡蝶カナエ」の影を追い求める「胡蝶しのぶ」という人間を、テレビを見ている人たちに刻み付けるように、私はみなが求める「胡蝶しのぶ」の仮面をかぶった。
    幼く、臆病で怖がりで。姉さんがいないとなにもできない弱虫の胡蝶しのぶは、もういらない。
    どのような役でも難なくこなし、胡蝶カナエのように役を吞み込むまでの演技を、求められている。そう、ならなくては。姉さんの美しい微笑みをなぞり、丁寧な口調で優しく話す。

    もうそこに、「胡蝶しのぶ」は存在しなかった。

    私は姉さんを守るため、姉さんの居場所を守るため、姉さんの復讐をする。そのためだけに生きる。そのために演劇が必要なのであれば、利用する。ただ、それだけの事だ。

    わたしは、演じ続ける。誰かが求める『胡蝶しのぶ』を。
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    mii_wannyantyu

    DOODLEさっきお話ししてた、モブさんに告白されて言い出せなかった💧さんとそれにもやっとしてしまう🍑さんのお話。らくがきです。まだ続くけど一旦ここまで。大丈夫!ハッピーエンド仲直りするよ!(これは僕のために言っています…)
    仲直りして!!!「どうして、言ってくれなかったの」
    ……愛莉ちゃんのこんな顔見たの、いつぶりだろう。
     私を見下ろす愛莉ちゃんを、真っ直ぐに見つめる。愛莉ちゃんの後ろには天井が見えて、ああ、私、今倒れてるんだ、なんて。
     形が良くて愛らしい眉毛がきゅっと寄って、私を映す桃色は、悲しそうに細められてる。いつもは綺麗に上がっている口元も、への字みたいに下がり切っていて。
    「えっと……」
    事の発端は、私が、この前出演したドラマの相手役の人に告白された事だった。もちろん、私には愛莉ちゃんがいるから断ったけれど、お付き合いしていることは、まだ内緒にしておこうって愛莉ちゃんと二人で決めたからちゃんと言えなかった。
     その人は愛莉ちゃんとも仲がいい人だったから、愛莉ちゃんになんとなく言い出しづらくて、切り出すタイミングを伺っていたらどんどん時間が過ぎてしまって、もう一週間。どういうルートを辿ったのか、私があの人に告白されたことが愛莉ちゃんの耳にも入っていて、おうちに帰ってきた瞬間、愛莉ちゃんに手首を少し痛いくらいに掴まれて、ソファにぐいって押し倒されてしまったの。
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    mii_wannyantyu

    MOURNING『現代鬼殺のお話①』
    前に呟いていた、現代鬼殺のお話。書きたくて書いたものの、何書いてるのかよくわからなくなったので供養。
    現代鬼殺のお話①

    「はあっ!!」

    私に向かってくる、異形のものに対し、私だけの刃を振るう。ガシャン、プシュウ。一閃。ドサリという物音と、ぶわりと巻き上がる黒い靄。ふよふよとこの場を漂うけれど、それはもう無視。なんの害もこちらには及ぼせなくなっている状態のはずだから。耳をそばだて、気配を探る。……よし。もうあいつらはいない、みたい。依頼の内容も、一体だっていう報告だったし。

    「ふう。任務、完了」
    『今の刀の振るい方、なんだか粗くありませんでした?』

    ……ああ、また始まった。

    「うるっさいなあ」
    『蟲柱たるもの、もっと美しく、軽やかにこなしてもらいませんと』
    「ふんっ。そんなことにばかり拘ってるから、この間みたいに失敗するんじゃないの?」
    『なんですって?!』
    「ほらほら、しのぶ。後は隠がやってくれるから。今日はもう帰っておやすみ」
    「社長」
    『お館様』

    急に目の前に現れた雇い主の姿に、跪く。この位置からは見えないけれど、多分もう一人の私も、同じ格好をしてる。

    「そんなにかしこまらないでおくれ。しのぶ、今日はどうだった?」
    「はい。任務は、つつがなく。相手は人型を取ってはいま 2898

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