※💛💙ですが、若干❤️💙もあります。
❤️が不憫なオチ要員になった。結構ギャグ寄りかも。ラクシが4人とも出る。
ルカとアイクは恋人同士になった。二人は頬を染め、向かい合い、見つめあっている。
「アイク……目、閉じてくれる?」
「う、うん、わかった」
初めてしたキスは触れるか触れないかのレベル。それでも大好きな恋人と触れ合えるだけですごく幸せだと思った。回数を重ねるにつれ少しずつ慣れてきて、お互いを求める気持ちも強くなっていく。それに伴いキスの仕方も大胆に。ピッタリ口をくっつけてお互いの唇の柔らかさを楽しんだり、時々舌も絡めてみたり……しかしそこで発生するようになった問題が一つ。
「痛っ……!!」
「!! ごめん!!」
キスの最中、お互いに夢中になり過ぎてアイクのメガネとぶつかってしまうのだ。メガネの鼻当てが当たったのだろう、アイクはメガネを外して俯き、痛みに呻いていた。
「うう……」
「アイク見せて」
顔を上げたアイクは涙目で、ぶつけた所が傷はできていないようだが少し赤くなっていた。
「本当にごめんアイク……痛かったよね」
「大丈夫……ちょっと痛いけどすぐ治るよ」
さっきの甘い空気は消え、二人の間に微妙な空気が流れる。折角いいところだったのに、全然足りない。沈黙を破るようにアイクが言った。
「僕コンタクトにしようかな」
「えっ大変じゃない?そこまでしなくても……」
「でもだって……このままだとこれ以上は出来ないでしょ?」
これ以上があるのか!?
アイクに顔を逸らされたが耳は真っ赤で、彼がそれほど自分との関係を望んでくれていた事に喜びが爆発する。ルカはさっきの暗い気持ちなんか忘れてアイクに飛びついた。
「アイク俺とキスしたいの!?しかももっと!?可愛い嬉しい俺もキスしたい!!しよ!!」
「ルカ待ってメガネが……!あっ!」
「え?……あ」
二人同時に気づいた。
メガネを外してキスすればいいのでは?
「「ふっ……あははははは!」」
二人で大笑いした。どうしてこんな簡単な事に気付かなかったんだろう。ひとしきり笑って落ち着いて、二人の目が合う。
「ふは…………もう一回する?」
「んふ……いいよ」
ルカがアイクの頬に手を添えれば静かに閉じられる瞳。軽く控えめにくっつけて、もう少し強くして……いつもならここでメガネとぶつかるが、今、二人を阻むものは何も無い。ルカがもう一段階アイクにくっつけば彼も答えるように首に腕を回してくる。アイクの持っていたメガネが二人の間を落ちていき、チェーンで吊られて揺れた。
メガネを潰してしまわないよう、でも出来る限りくっついて。二人はお互いを楽しんだ。
________________.......
それから二人の間にはキスをする時はアイクのメガネを外す事が習慣になった。ルカがメガネに手を掛けるとアイクも静かに目を閉じ、ルカの唇を受け入れる。時々……本当に時々だが、アイク自身がメガネを外してキスをくれる事もあった。そんな時のルカは犬のように喜び、飛び跳ねてアイクに抱きつき、何十倍もの愛情を返す。アイクも驚いたり嗜める声を上げたりするものの、されるがままで嫌ではない様子。
そんな日々を繰り返した、ある日。
今日はLuxiem全員で仕事の日。無事に収録を終えて皆で休憩中。ソファにそれぞれ座って談笑していた。隣同士座るルカとアイクに、向かいに座ったヴォックスが話しかける。
「そういえばお前達二人、最近どうなんだい?」
「どうって?」
「デートやキスやセッ……ゔっ……!!」
アイクに無言で台本を投げられるヴォックス。それを横目にシュウも便乗してきた。
「でも確かに気になるなー。君達、普段は今までと変わらないし」
「えー?俺達ラブラブだよね!アイク!」
「うわっ!?もう!ルカァ!!」
ルカがアイクを抱き寄せれば、アイクから抗議の声が飛んでくる。メンバーには付き合っている事を公言しているが、恋人として過ごすのは二人きりの時だけと決めているのだ。
ルカが「ごめんごめん」と離れれば、アイクも「もー!」と言いながら座り直す。
「順調そうで良かった」
「もっと見せてくれてもいいんだぞ?」
「何言ってんの。見せるわけないでしょ」
外野二人の声に更にアイクが怒りの抗議をする。そんなアイクの目の近く、まつ毛が一本付いている事にルカは気付いた。
「あ、アイク、ちょっと待って」
「え?なぁに?」
ルカが呼びかければ、素直にこちらを向くアイク。まつ毛を取ろうとしたがアイクのメガネが邪魔で外す事にした。
「ちょっとごめんね」
「ん?うん?……ん……」
ルカがメガネを外すと、アイクは静かに目を閉じる。そしてほんの少しだけ唇を突き出して止まった。その姿を見たルカは一瞬固まり、すぐに何かに気付いて焦ったように掛ける言葉を探し始める。
「………………………………あ……あの、アイク……えっと……」
「ん……ぅ……?」
アイクは未だ目を閉じたままで、それを見たヴォックスとシュウもアイクの意図に気付き、両手で口を押さえた。二人は声には出さなかったものの心の中でシンクロして叫ぶ。
((キ……キス待ち顔だ!!!!))
シンと静まり返る部屋の中、ルカは当初の目的通りアイクのまつ毛をそっと取ってから、正直に事実を口にした。
「……ごめんアイク……まつ毛が付いていたから取ろうと思っただけなんだ……」
「……!!!!!!」
すぐさま目を見開いたアイクの顔が、ボッと音がしそうなほど真っ赤に染まり上がった。勘違いした恥ずかしさでパニックになっているのだろう、口をパクパク動かし目に涙が溜まっていく。思わずルカは声を掛けようとした。
「ア、アイク「ちがう!!!!!!」
アイクの叫びに全員が固まる。アイクは完全にパニックになっているようで早口で喋り出した。
「ちがう、ちがうの!いっつもキスする時メガネ外すからそうだと思ったの!!でもなんで今とも思ったけど別に嫌じゃないしまあいっかって目瞑っちゃったの!!」
一息に叫んで顔を上げたアイク。目の前のルカは真っ赤になっていて、ヴォックスとシュウはニヤけた口元を隠しきれておらず、アイクは自分の発言が墓穴を掘った事に気付いた。
「わーーーっ!!!!もうやだ!!全部やだ!!」
ヴォックスとシュウはニヤけ顔を隠す事をやめて、アイクのそばに寄っていく。
「んはは!思った以上に順調そうだねぇ」
「もっと見せてくれていいとは言ったが、見せつけてくれるじゃないか」
「うーっ……!やだ!さいあく恥ずかしい……!!みんな忘れて!忘れろビーム!!」
ルカの身体に抱きついて隠れようとするアイク。外野の野次に少しだけ顔を出して言い返していれば、突然顎をすくわれ至近距離でルカと目が合った。
「アイク」
「なに、んっ、んん!?」
キスされた。何度も口を塞がれ、だんだん深いものに変わっていく。背後から「ワーオ」なんて外野の声が聞こえてきて、アイクは必死に身を捩り、ルカの身体を叩いて彼の口から逃れる事に成功した。
「〜〜っぷは!なっ……な、なんで!?!?」
「アイク嫌じゃないってほんと?これから皆の前でもキスしていい?」
「あ……うあ……」
「だめ?」
「だ、ダメというか……もうしちゃったじゃん……!」
「たしかに!じゃあもういっか!」
「よくない!!んんー!」
「行け!ルカ!そのまま押し倒せ!そしてアイクのえっちな姿を私にも見せてくれ!!」
「んはは、僕、帰ろうかなー」
二人はなんだかんだ祝福されながら幸せに過ごしましたとさ。
________________.......
あれから数週間後。
再び収録で全員が集まった。それぞれ自由に過ごす中、ヴォックスが二人に問い掛ける。
「そういえばお前達、まだメガネ外してキスしているのか?」
「なっ!?ヴォックス何言ってんの!?」
「んー、いっぱいキスしたい時は外すかなー。どうして?」
「ルカァ!?」
焦るアイクに対して素直に答えるルカ。そんな二人をニヤニヤ眺めながらヴォックスは言う。
「メガネ外さなくても出来るぞ。お前の言ういっぱいキスしたい時でも、結構ディープな奴でも」
「え!?ほんと!?教えて!!」
「ああ。もちろん」
アイクの隣に座るヴォックス。
「やぁ、アイク。少し失礼するよ」
「ど、どうぞ……?」
ビクッと身体を跳ねさせ警戒したアイクだが、ヴォックスがニコッと笑顔を見せ挨拶をしてくるので思わず警戒心を緩めた。
「ありがとう。では失礼……」
ヴォックスが自然な流れでアイクの顎をすくう。そのまま綺麗な顔が近付いてきた。
「こうやって大きめに角度をつけて……」
視界いっぱいにヴォックスが映った所でアイクとルカは我に返った。
バチーン!!
ドゴォッ!!
アイクは寸前にヴォックスへビンタをお見舞いし、続いてルカがヴォックスを引き剥がして壁に彼を投げつけた。ルカはそのままヴォックスの胸ぐらを掴んで彼を問い詰める。
「何してんの……?何しようとしたの……?」
「グハッ……いや、ちょっと……お前達に手解きしてあげようと……ついでに私もアイクにキスしt……すまなかった!!もうしない!!うわあああ」
ヴォックスはルカにプロレス技を決められ悲鳴をあげる羽目になった。
「わーん!!シュウ〜!!」
「おぉ、よしよし……こっちで僕とお茶でもしようね〜」
アイクはシュウに連れられ、安全な場所でティータイムを楽しみ、しばらくヴォックスはアイク接近禁止令が出たとか。