一時の逢瀬 「…おや、もう着いてしまいましたか。残念ですね」
花響学園の前に着いた浮葉は残念そうに息を吐いた。
「暫しの2人きりの逢瀬もこれで終わりですね」
グランツとスターライトオーケストラ。ライバル関係である2人は許されないわけではないが簡単に2人の時間が作れないのもまた事実だった。
「浮葉さん!」
握られたままの手を強く握ると空いた手で唯はその手を包んだ。
「確かに名残り惜しいですけど…でもずっと会えないわけじゃないです。それに今回のハロウィンは一緒にいられるわけですし…」
「だから…構わない、と?」
「そ、そうじゃなくて…ええっと…そんなに寂しがる必要はない、っていうか…さ、寂しかったら私を呼んでください!どこへだって駆けつけますから!」
920