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    ankounabeuktk

    @ankounabeuktk

    あんこうです。オル相を投げて行く場所

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    ankounabeuktk

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    つきあってないけどキスするやつ
    終わりの文の次行からR18になるので止めました。

    kokera【オル相】 酔っているのなら酒のせいにできるのに。
     今からでもその辺にある瓶を呷ってくれと祈らずにいられない。そんな俺の心情を無視してオールマイトは俺の舌を吸っている。
     何故。
     どうして。
     確かに俺はビールを飲んだ。たったサンゴー缶一本だ。いくら俺が酔うと記憶を無くすからってたったそれっぽっちで酔うはずがない。
     顎を指でくいと持ち上げられ、息苦しさと嚥下できない唾液に溺れそうになったところでオールマイトは大きく呼吸をしながら俺を自由にした。
     捏ねくり回されて痺れるようなもたつきを覚えた舌を口の中に引っ込めて目の前の男を睨み付ける。
    「どういうつもりです?」
    「どうもしないよ」
     俺の抗議を飄々と受け流して細める目が無性に気に入らなくて、俺は目の前にぶら下がるネクタイを拳に巻きつけ真下に引いた。がくんと腰から折れたオールマイトの顔を鷲掴みにして仕返しの如くキスを仕掛ける。オールマイトは黙って俺に貪られるままだ。さっきと同じような粘膜と粘膜が粘性のある液体を添えて撹拌しながら沸き起こる音を合奏する。
     呼吸が苦しくなってしょうがなく仕返しをやめた。
     少しだけ赤くなったオールマイトの頬は酸素不足のせいだろう。
    「どういうつもりだい」
    「どうもしませんよ」
     打ち返された言葉遊びを無効化して吐き捨てる。
    「オールマイトともあろうものが理由もなく一個人に許可無く深い接触をするんですか?」
     ヒーローシップに則れば今の行為は男の中ではアウトのはずだ。俺だってしない。
     だから理由を聞いているのに、オールマイトはわざとらしく両手を広げ肩を竦めてから腕を組み考え込んで、ふむと溜息を吐いた。絵になるが腹も立つ。
     おそらくわざとやっている。
     俺を苛つかせ、決定打を引き出すために。
     その手に乗るものかという決意と、オールマイトにキスされた純然たる事実が俺の中でぎしぎしと天秤を揺らした。
     オールマイトは視線を俺に据えたまま、濡れた下唇に親指を押し当てぐっと左から右へ唾液をこそげ取る。
    「君の中のオールマイトは、そういうことしないのかい?」
     その言葉を聞いた俺の表情筋がどう動いたか、どう受け取られたのかはオールマイトが僅かに首を傾げて戻した仕草で伝わった。
     違うの?とでも言いたげにして。
     俺の中のオールマイト。
     俺の恋心も、俺の邪な欲望も、何もかもを捏造した俺にとって都合の良い脳内の遊び相手。
     本人にだけはバレないように生きてきたつもりだがどこでどうボロが出たのか。それともこれすらブラフなのか。
     今どう出るのか最善手なのか考えても纏まらない頭は白くぼやけるばかり。
     質問に質問で返して誘導される答えが癪でも、妄想を塗り替える現実の強さには勝てない。
    「しますよ。オールマイトだって、男でしょう」
    「君は、私をただの男にしてくれるの?」
    「欲しいのは理由ですか?事実ですか?」
    「……全部さ」
     目の前の乾いていく唇に吸い寄せられたくて堪らない。
     我慢して、ミリ単位の距離を読み合って、熱い吐息が肌を濡らしているのにまだ火蓋は切られない。
     蜜に集まる虫を迎え入れて食い合って、そこに残るのは俺ではないんだろうな、という予感だけがあった。
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    ankounabeuktk

    DONEつきあってないけどキスするやつ
    終わりの文の次行からR18になるので止めました。
    kokera【オル相】 酔っているのなら酒のせいにできるのに。
     今からでもその辺にある瓶を呷ってくれと祈らずにいられない。そんな俺の心情を無視してオールマイトは俺の舌を吸っている。
     何故。
     どうして。
     確かに俺はビールを飲んだ。たったサンゴー缶一本だ。いくら俺が酔うと記憶を無くすからってたったそれっぽっちで酔うはずがない。
     顎を指でくいと持ち上げられ、息苦しさと嚥下できない唾液に溺れそうになったところでオールマイトは大きく呼吸をしながら俺を自由にした。
     捏ねくり回されて痺れるようなもたつきを覚えた舌を口の中に引っ込めて目の前の男を睨み付ける。
    「どういうつもりです?」
    「どうもしないよ」
     俺の抗議を飄々と受け流して細める目が無性に気に入らなくて、俺は目の前にぶら下がるネクタイを拳に巻きつけ真下に引いた。がくんと腰から折れたオールマイトの顔を鷲掴みにして仕返しの如くキスを仕掛ける。オールマイトは黙って俺に貪られるままだ。さっきと同じような粘膜と粘膜が粘性のある液体を添えて撹拌しながら沸き起こる音を合奏する。
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