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    ankounabeuktk

    @ankounabeuktk

    あんこうです。オル相を投げて行く場所

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    おみさんのプロット「ほんのりとラブラブ」より。

    気が合わない二人が、それでも相手のことをよく見ていたり、気が合わないからこそちゃんとコミュニケーションを取る姿に、周囲が実は相思相愛なんじゃね?と思う話

    ということでいただきましたが、
    ……この仕上がりで大丈夫なのか??な???
    お楽しみいただければ幸いです。
    ※一部モブ目線です。

    ふわふわのあまいくも 1.13号先生の場合
     え、オールマイトと相澤先輩ですか?そうですね……仲悪かったですよ。いや、悪いというと語弊があるかなあ。オールマイトは当初、ヒーローの延長戦って意識で雄英に来たんだと思うんです。だから、育てるってことがピンと来てなかったみたいで。勿論意味もわかっているし僕なんかに言われるまでもなくすごく頭の良い方です。でも、よりによって相澤先輩とペアで一年生を受け持つと聞いた時には正直大丈夫かなって心配もちょっとだけしました。ちょっとだけですけど。ほんのちょぴーっとだけですよ。
     教師の仕事ってヒーローとは違うんですよね。だから、オールマイトは戸惑っていたし、自分の流儀をこの雄英という現場には持ち込めないってこともちゃんと理解して、わからないことは僕達にも聞いて熱心に取り組んでくれました。とはいえ、一朝一夕で身につくものでもなし、生徒達の限られた時間と一緒のペース以下で成長されるのも困るわけで。
     ええと。ボカして言っても仕方ないか。あのですね、オールマイトってパソコン関係とか、事務的な仕事がからっきしなんです。現場に立ち続けたからだってのはわかりますけど、教師ってどちらかというと実践一割下準備九割……いやそれは言い過ぎかな、でも、生徒達の前に立っている時間だけちゃんとしていればいいってものでもなくてね。
     そこら辺のバランスを掴めないのか、いつも相澤先輩はオールマイトに苦言を呈してましたし、オールマイトも反論したりしてましたよ。お二人の言ってることはどちらも正しいし、立場が変われば間違っているとも言い難いもので。
     これは僕たちも反省しなければならない点なんですが、オールマイトが雄英の教師になると聞かされた時、全員が喜んだんです。だってオールマイト、みんなの憧れ、平和の象徴、ナンバーワンヒーローと一緒に働けるってすごいことじゃないですか。だから、みんなどこかオールマイトを特別視していたというのは否めません。パソコンができなくても、一人考え方が違っても、人助けを優先して毎日のように遅刻してきても。仕方ないなあオールマイトだもんなあって許してしまっていたんです。でも相澤先輩はそんなオールマイトをめちゃくちゃ叱るんですよ。オールマイトは年齢非公表ですけれど、ヒーローとして活躍した年月を考えればだいたい何歳くらいかの想像は付きますよね。多分僕や先輩にしてみたら親でもおかしくないお歳の大先輩に対して、指導役ができない新人を強めに指導している様となんら変わりなくて。きっとオールマイトもナンバーワンになってから、書類不備で怒られたりしたことないんじゃないかな。育成方向では意見対立できるオールマイトも、そういうことで怒られている時は反論のしようがないのでしゅんとして聞いてますし、だんだん先輩のことを怖い人だと思うようになったのか職員室で先輩がオールマイトに話しかけただけでびくってなったりしてましたよ。取り繕ってたけど笑顔もぎこちなくて。先輩、顔も怖いしぶっきらぼうだし言葉もまあキツい時もありますけど内容をちゃんと聞くととても丁寧にきちんと教えてくれているんです。でも、それがわかるようになるまでって結構時間がかかるし。
     先輩は先輩で、何回注意しても活動時間を学校が始まる前に無駄遣いするオールマイトが理解できないと結構苛立ってましたしね。それを命じた当の校長はニコニコしていたので僕は側から見ててヒヤヒヤはしてましたけどそこまで心配はしてませんでしたよ。ただ、オールマイトが何かするごとに先輩の舌打ちの回数がとっても増えたので、それだけは心の中で悲鳴上げてましたけど。




     2.マイク先生の場合
     オールマイトとイレイザーが仲悪い?誰から聞いたそれ。いや見てりゃあわかるって?そりゃお前の目が節穴なんだろ。
     ありゃ喧嘩じゃなくてただの討論だぜ。意見交換。最近流行りの論破ってやつとも違う。区別できてるか、ンー?
     そもそも仲悪いなら一言も話さねえだろうが。あいつらなんかとにかく会話してるぜ。オールマイトなんか最近の鳴き声「相澤くーん!」だからな。書類に詰まった時もパソコンがなんかおかしくなった時もなんかいい案を閃いたけどそれをアウトプットできない時も全部「相澤くーん!」だもんよ。俺らも周りにいるのに職員室の端っこにいるイレイザーにわざわざ立ち上がって手を振って呼び掛けてるの見てると、お世辞にも仲が悪いとは言えねえな俺は。
     なんだよその顔、オールマイトは慕っててもイレイザーが嫌ってる可能性があるって言いたいとか?残念ながらその可能性は限りなくゼロだな。
     いや、この前オールマイトが出張でいなくて、A組の戦闘訓練に付き合ったんだけどよ。もしイレイザーがオールマイトを嫌ってるなら「そう簡単にオールマイトの真似ができると思うな!」とか「オールマイトと同じことをしようとするな!」とか生徒達を諌めるのにあんなにしょっちゅうオールマイトの名前を出すかね?百歩譲って反面教師にしろって言う意味ならもっと嫌味ったらしく使うだろ。オールマイトと同じことが俺達にはできない。そんな当たり前のことを、オールマイトのスーパープレイが頭にこびりついてるヒヨッコに刷り込みみたいに教えてやる必要があるんだよ。訓練ってのは何ができて何ができないのかを自覚する場でもあるんだからな。
     特に緑谷に爆豪の二人は無茶しすぎる傾向があるし。その時も怒ってたぜ。自己犠牲と我、どっちも必要なモンだがそれぞれどっちも強過ぎる。「オールマイト」はその突出したパワーだけでナンバーワンに登り詰めたわけじゃない。もっと広い視野を持てってな。な?嫌ってるやつのことそんな風に例に出すか?反面教師ってわけでもないだろ?
     ウマが合わないってお互いに言ってるけど、俺はオールマイトの赴任当初みたいなガチのギスギス感はもう感じてないぞ。確かに最初は見ててハラハラしたさ。オールマイトもイレイザーがあんまり怒るモンだからすげー萎縮してたしよ。俺は面白がって遠巻きに見てたけど。13号とかは不安そうに見てたぜ。でも、俺らは手出ししなかった。
     オールマイトを助けることはいつでもできる。でもオールマイトに必要なのは、教師として雄英に来た以上、自分に何が出来て何が出来ないのか自覚してもらうことだったからな。みんなオールマイトって眩しさに目がくらんでたけどあの人だって教師一年生なんだぜ。いや俺もオールマイトはなんでもできるって思い込んでたから何もできないオールマイトが新鮮すぎてどうしていいかわからなかったってのが正直なところではあるんだけどよ。多分相澤……イレイザーもそうだったんじゃねえかな。オールマイトは教師としてひとり立ちするために今やっとよちよち歩きを始めたところなんだよ。「相澤くーん!」って鳴き声も初めて見たものを親だって思い込むアレみたいなもんだろ。少なくともイレイザーは、自分に懐いた動物を見捨てるような真似はしないぜ。それが猫だろうがナンバーワンヒーローだろうが、な。
     お前さん達生徒から見りゃ、そんな頼りない新米教師は願い下げかもしんねえし、それに関しては言い訳もできねえけど。
     まあ、あの二人は大丈夫だよ。俺が保証する。



     3.ミッドナイト先生の場合
     大人になっても青春ってあるのよね。
     ふふ。A組以外の子があの二人のことに興味持つなんて本当に仲良くなったのねえ。なんだかしみじみしちゃうわ。
     あなたにはなんでも話してしまうの、個性のせいだとわかっていてもちょっとは気が引けるのよ。私達にも守秘義務があるし。勿論あなたが個性で知り得た秘密を口外できないことも知ってる。だからこれは、世界一安心なただの世間話なのよね。
     で?イレイザーとオールマイトの関係?そうねえ。今は気心の知れた同僚ってところなんじゃないかしら。仲良しって言葉にも色々含められるけど、あの二人は私達が一般的に思い浮かべるような「仲良し」とはちょっと違うわよ。
     四六時中べったりしてるわけでも、相手の全てを許すわけでもないし。言い合いもしょっちゅうだし。でもそれってお互いに同じ方向を向くための擦り合わせなのよね。例えば校庭の向こう側のあの木に行きたいとするでしょ?オールマイトは最速で最短で真っ直ぐに一直線に行きたいタイプ。罠は蹴散らせばいいと考える。イレイザーは多少時間がかかってもトラップや背後からの強襲を備えてぐるりと回り道をしてでも慎重に進むタイプ。ルート取りは無限の可能性があるし、どれが正解ってのはないの。でも、あの木の元にいるのが要救助者だとしたら?この場にいるヒーローは自分だけ、でも敵の正体が判明していなかったら?……正解はないけど状況に応じて最善手は変わる。誰かの発想が自分のより良かったら、それを受け入れて更により良いものを作る。そのための妥協をしない。あの二人がやってるのはそれよ。ずーっと会話を繰り返して相手の思考回路が根付いてきたんじゃないかしら。だから、仲良しじゃないけどお互いのことは良く知った……理解せざるを得なかった。勿論それはお互いが理解をしなくちゃいけないって望んだからなんだけど。
     結果オーライじゃない?
     おかげで、オールマイトのパソコン操作も板について来たし、今じゃ困りそうなのがわかるのかオールマイトがイレイザーの名前呼びそうになった時にはもう「これはこうです」って教えに行ってるわよ。お母さんかしらね。
     え?マイクがオールマイトの鳴き声って言ってた?アハハ!そうそう。オールマイトは素直な人だから「相澤くん」の言い方で何が起こってるのか大体私達もわかるようになったわよ。でもさっきみたいな理由で鳴き声は減ってるわね。
     ふふ。鳴き声。マイクも面白いこと言うわね。
     そういえば、今度保護した女の子のためにってちょっとした催し物をやるのよ。オールマイトはわたあめ屋さんだったわ。
     この前も寮で練習してて、説明書読まないでいきなりザラメ大量に突っ込んでわたあめ爆発させたり適当に入れるからあちこちにザラメこぼしてイレイザーに怒られてたわよ。説明書読めって言いながらテキパキ片付けてあげてる辺り、あんなに面倒見のいいキャラだったかしらって疑問に思ったけど。でもね、オールマイトったらしゅんってしたのは一瞬で、その後すぐいちご、レモン、メロン、ブルーハワイ!って色と風味がついたカラーザラメでレインボーわたあめできた!って子供みたいにはしゃいでてね。保護した子、エリちゃんって言うんだけど、エリ少女喜んでくれるかなってキラキラした目で言われちゃあ、流石のイレイザーも怒れないわよね。
     真っ黒なイレイザーがレインボーわたあめ食べてる光景はなかなかシュールだったわよ。
     オールマイトのわたあめ屋さんの他にも色々出店があるし、あなたも参加してみたら?あまり人数が増えるのは彼女の心理的負担になるから大っぴらな宣伝はされないでしょうけど、彼女の写真を撮らないなら行事の取材ってことで許可貰えるはずよ。あなた新聞部なんだし。
     わたあめ屋さんのオールマイトは是非記録しておいて欲しいわ。ついでにレインボーわたあめ食べるイレイザーの写真もね。






     教師寮の玄関で、りんごのポシェットを肩から下げた女の子がいつもは何もない場所に突然現れた出店の風景に尻込みしながら立っているのが見えた。
     保護者的な存在はそばにいない。
     不安そうにポシェットの紐を握った彼女に話しかける気になったのは、近場に誰も大人がいなかったからだ。
    「こんにちは!」
     突然声を掛けられてびくりと彼女は顔を引き攣らせ、すぐにその反応はいけないことだと思い直したのか表情をぎこちなくしながらも挨拶を返してくれた。
    「……こんにちは。お姉さんはどなたですか?」
     私はしゃがみ込んで彼女に目線を合わせ、学生証の写真と自分の顔を並べて見せる。
    「はじめまして。私、新聞部の取材で来たんだよ。怪しいものじゃないから安心してね」
    「……怪しい人はみんなそう言うって相澤先生が言ってました」
    「そりゃそうだ。ごめん。でも私、これ以上見せられる身分証明書がないなあ。ヒーロー科でもないから共通の知り合いも居なさそうだし」
     私が困っていると、彼女はもじもじと視線を彷徨わせながら言葉を紡いだ。
    「ええと。あなたは、多分、怪しくない、です」
    「あはは。ありがとう。行かなくていいの?わたあめ屋さん」
     私が指差した先では豆絞りでねじり鉢巻を閉めたオールマイトがこちらに向かって手を振っている。彼女はオールマイトに呼ばれていることに気が付いて、私とオールマイトを何度も見比べた。
    「行っておいでよ。きっとすごいわたあめが食べられるよ」
    「わたあめって、なんですか?」
    「ふわふわのあまーい雲だよ」
    「ふわふわの、あまーい、くも……!」
     きい、と背後でドアが開いた。
     黒いジーンズと黒い長袖に身を包んだ相澤先生が私と彼女を見下ろしている。
     制服を着ていて良かった、と心の底から思った。
    「エリちゃん。オールマイトさんのところに行ってごらん。いいものがもらえるよ」
    「ふわふわのあまいくもですか?」
     彼女が期待を込めて拳を握り、駆け出したい足を我慢するように私の言葉を繰り返して相澤先生に問いかけると、そのリアクションが意外だったのか少しだけ相澤先生は微笑んで、確かめてごらんととても優しい声色で言う。
    「はい!」
     元気いっぱいの返事をして走っていく彼女の後ろ姿を見送って自然と頬が緩む私に、相澤先生の視線は注がれたままだ。
    「……新聞部?」
    「は、はい!」
    「……彼女が笑っているところがあれば撮っておいて欲しい。あの子の笑顔で喜ぶやつらがたくさんいるんでね」
    「わかりました!」
     彼女はオールマイトから虹色のわたあめを貰って目を輝かせてかぶりついた。ふわふわのあまいくもに感激している様子がこちらにまで伝わってくる。
     私はカメラを構え、彼女に照準を合わせた。
     何枚かシャッターを切りファインダーから顔を離すと、隣にいたはずの相澤先生はポケットに手を突っ込んで捕縛布もないのに少し猫背のまま、サンダルをぺたぺたと鳴らしながらオールマイトのわたあめ屋さんの方へ歩いて行った。
     少女はセメントス先生に手招きされ、射的コーナーに向かう。賑やかな声は、遠くに現れた一年A組の集団から聞こえた。
     カメラを構えもう一度ファインダーを覗き込む。
     彼女を狙ったつもりが、覗き窓の中に映ったのはオールマイトだった。
     相澤先生の指がねじり鉢巻を摘んで、なんですかこれは、みたいな口の動きをした。オールマイトは似合うだろ、とどこか誇らしげで、相澤先生は苦笑しながらそうですね、と答えた。
     オールマイトの視線が不意に気配を変える。秘密の話でもするようにそのまま相澤先生の肩を抱くように回し、すっとしゃがみ込んでしまった。
     わたあめの機械とテントに邪魔されて二人の姿が見えなくなる。
     私の個性名は取材〈インタビュー〉という。
     対象者と二人きりになった際、私の質問に答えて貰うことができる。だけど、個性を使用して知り得た秘密を口外することができない。書き留めることもボイスレコーダーも使えない。可能なのは耳から入り込んで私の頭に残すことだけで、他人に共有は決してできないのだ。
     この個性を活かす道がないかと雄英に入学してみたけれど、やっぱり使い道はなくて、報道に有利なように見えて全く使えないまま新聞部に属している。
     オールマイトと相澤先生の仲が悪いと聞いたのは四月に入ってすぐだ。最初興味を持ったのは下世話な理由だったけれど、先生達の話を聞くうちに二人の関係性が変化し続けていることを知った。
     先生達も私の試行錯誤は理解をしてくれていて、秘密が口外されないのをわかっているから世間話みたいに話してくれる。個性を使おうが使うまいが、雄英に入るまでは秘密を知られるのを嫌がって誰も話をしてくれなかった私の過去を知っているから。
     この個性を使っても満たせるのは私の好奇心だけで、有効利用なんかできたことがない。
     外に出せない秘密はただの一側面からの知識の足跡。だから人よりほんの少しだけ多角的にモノを見ることができるだけ。そう思っていた。
     二人を見失ったのは時間にしてほんの数秒。
     密談を終えて立ち上がったオールマイトは満面の笑みだ。遅れて立ち上がった相澤先生の顔が赤い。眉間に寄った険しい皺は照れ隠しのためのぶっきらぼうな表情に見えて、私はシャッターにかけた指を下ろせなかった。
    (……)
     個性を使わなくても気付いてしまったことを、大切に胸にしまう。
     私は生まれて初めて、人に言えない秘密を得た。
     赤い顔の相澤先生はわたあめ屋さんを取り囲むA組の生徒達ですぐに見えなくなってしまった。

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    ankounabeuktk

    DONEつきあってないけどキスするやつ
    終わりの文の次行からR18になるので止めました。
    kokera【オル相】 酔っているのなら酒のせいにできるのに。
     今からでもその辺にある瓶を呷ってくれと祈らずにいられない。そんな俺の心情を無視してオールマイトは俺の舌を吸っている。
     何故。
     どうして。
     確かに俺はビールを飲んだ。たったサンゴー缶一本だ。いくら俺が酔うと記憶を無くすからってたったそれっぽっちで酔うはずがない。
     顎を指でくいと持ち上げられ、息苦しさと嚥下できない唾液に溺れそうになったところでオールマイトは大きく呼吸をしながら俺を自由にした。
     捏ねくり回されて痺れるようなもたつきを覚えた舌を口の中に引っ込めて目の前の男を睨み付ける。
    「どういうつもりです?」
    「どうもしないよ」
     俺の抗議を飄々と受け流して細める目が無性に気に入らなくて、俺は目の前にぶら下がるネクタイを拳に巻きつけ真下に引いた。がくんと腰から折れたオールマイトの顔を鷲掴みにして仕返しの如くキスを仕掛ける。オールマイトは黙って俺に貪られるままだ。さっきと同じような粘膜と粘膜が粘性のある液体を添えて撹拌しながら沸き起こる音を合奏する。
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    ・アニメ/原作/cql履修済
    ・設定捏造してます、ふわっとお読みください
    江家の晩餐(含光君の恋文・番外編)江家の晩餐

     雲夢・蓮花塢の大広間にて。
     こじんまりと、静かな宴が行われていた。

     雲夢は国の中央に属する。辛・酸・甘、麻辣、清淡など、各地の味覚や製法を取り入れた独特の食文化が自慢だ。新鮮な山河の素材に薬膳効果のある山菜を加え、最大限のもてなしに厨房は大わらわ、春節のような賑わいだった。

     だがしかし。

    「……」
    「……」
    「……」

     春のすがすがしい夜風が流れる大広間では、少しも晴れやかでない男達が三人、円卓に向かって座していた。

     江宗主・江晩吟。
     この宴を用意させた本人だが、少しも客をもてなす様子がない。もてなすどころか、苦虫を嚙み潰したような表情で、無言のまま卓を睨んでいる。恐ろしくも美しかった紫蜘蛛・虞夫人を彷彿とさせるような形相だ。宗主の低気圧に慣れた家僕たちも身をすくめ、(なにか不備があったのでは)と互いの顔を見合わせている。
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