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    さくらい

    さくらい(@kkk_turnA)の企画用ログ。作業進捗もこっちに。自創作系は未定。

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    華軍 観浪巳暮の過去話メモ

    ・旧姓・三枝 巳暮。両親の仲も良く、7歳の頃までは幸せの絶頂期。最後に両親と撮った写真は、小学校の入学式の写真だった。
    その半年後、父親の浮気が発覚する。しかも、浮気相手は父親の子を身籠っているという。そこからは両親の喧嘩が絶えず、結果として離婚し、母と巳暮は家を追い出される形となった。
    ・専業主婦だった母親だが、母実家とは仲が悪く、どこにも頼ることが出来ない状況下で、母親は生活の為に働きに出る。巳暮も手伝えることは手伝っていたが、やはり女手一つでは厳しかった。時折督促状が届いたり、見知らぬ人が家に押しかけてきたりと、巳暮には知り得ないことも起きていたが、巳暮が中学に入ってから2年が過ぎたころ、母親が病気にかかる。原因は過労とストレス。そして、その時に母親が多大な借金をしていたことを知る。せめて母親の病院の通院や薬代は俺が作る、と中学生ながらに新聞配達などをして少額ながらもバイトをして母親を支えていたが、焼け石に水程度。母親の病状が悪化し、入院を余儀なくされた。
    途方に暮れながら家に帰ったとき、一通の願書が届いていることを知る。五社学園からの入学願書。巳暮からすれば夢のような話だった。ただし、それは母親を放置していくことと同義。悩みつつも、やっぱり母親の傍にいようと決め、母親に願書を持って話に行ったところ、母親から「なんの為にアンタをここまで育てたと思てるの。……行っておいで」と背中を押され、入学を決める。
    ・入学式が1週間前に迫ったとある日。制服が届いて、少し浮足立ちながら、新しい制服の姿を母親に見せたいな、と思い、その制服を着て母親のいる病院に向かった。病院に到着すると、病室がやけに慌ただしい。巳暮と目があった看護師が、不意に視線を逸らして病室に駆け込んでいく。嫌な予感がしたので母親の元に駆け込もうとしたが、ほかの看護師に止められてしまう。その日の朝、病状が悪化したらしい。そのまま意識が戻らず、巳暮が病院にたどり着いた頃とほぼ同時刻に亡くなったとの話を医師から聞かされた。堰が切れたように泣き出す。葬式も満足に行えなかったので、火葬だけして家に戻る。静かだ。
    ・片付けをしながら、途中で母親の日記帳を見つけ、自分の体調よりも最後まで巳暮の心配ばかりしていたことを知る。母親が死んでから入学式までの1週間は、既に学園に向かう気力は失せていたが、母親の日記を読んだあと、願書を見せた時の母親の嬉しそうな表情を思い出し、五社に向かうことを決める。それと同時に、自分を捨てた父親、自分の父親を奪った女、そしてそこでのうのうと生きているであろう子供。全てが許せなくなっていた。
    ・入学してからは意味の分からない校風、神の存在、自分が舞手として神とかいう化け物と戦わければならないこと。全てが分からなかった。自分の命を粗末にするようなことはしたくなかった。けれど、ある程度神を倒さなければ退学。憤りを隠せず、また、周りの恵まれた環境下で育っていたであろう同級生たちを目の当たりにし、結果として荒れてしまった。素行は悪く、授業もろくに出ず、学園の内外でも喧嘩は日常茶飯事だった。
    ・とある日、気まぐれで学園に来ていたとき、偶然一人の教師に出会う。今まで教師の名前なんて一つも聞いた試しはなかったが、誰かがその教師--辰美に対し「蓮朱先生」と呼んだ。巳暮は瞬時に辰美に殴りかかる。
    辰「おいおい元気有り余ってんな、何の真似だ?」
    巳「忘れもせんわその名前!お前蓮珠会の人間やろ!!」
    辰「……お前、」
    巳「俺の母親に、意味の分からん利子つけて金貸しやがって!!お前等のせいで母さんは!!!」
    と涙を溜めながらもう一度辰美に殴りかかろうとするが、辰美に腕を掴まれる。
    辰「……詳しく聞かせろ、その話」
    と、辰美は当時からの親友と弟の卯杏を呼び、巳暮から一連の事情を聞くことに。
    巳「……どこぞの極道が違法なことして利子を馬鹿高くしてたんちゃうん、100万借りて利子付きで500万に増えるとか意味わからん。ほんま最悪、クソ極道。何の罪もしてない親子すら殺して自分らはのうのうと生きてんねやからな、だから嫌いなんじゃアホ」
    といった悪態&暴言の数々を言うことで、卯杏からの反感を買う巳暮。ぶん殴られる。
    卯「お前の母親のことは気の毒だとは思うが、だからって自分の無力さを他人のせいにしてんじゃねぇよ。極道相手だったら何言っても良いと思ってんだったら、お前もその辺の奴らを思考は変わんねえよ」と卯杏もキレ気味。辰美が卯杏を止めつつ、「卯杏、お前に頼みたいことがあんだけど」と言って卯杏に耳打ちしたあと、卯杏がしばし黙ったあと「……分かった。けど、あとで辰兄も大兄ちゃんに連絡入れとけよ」と言って、その場を後にする。
    「ウチのが悪かったな。こっちでお前のとこで起きたこと、調べさせてもらう。まぁお前に借金返せなんて馬鹿なこと言わねえから安心しろって」と巳暮の頭を撫でようとして「触んな」と拒否られる辰美。
    ・結果として、裏で辰美と卯杏が直接組長(兄)と話し、巳暮に乗っかっている借金をチャラにする+巳暮が成人するまでは辰美が面倒を見る、という話でまとまっており、巳暮がそれに対してもブチ切れ。
    巳「何勝手なことしてくれとんじゃ!!」
    辰「お前とお前の母親には、随分と実家のことで辛い思いさせちまったみたいだからな。罪滅ぼしだよ」
    巳「だからって、借金チャラにしてお前が保護者とか話が出来過ぎ。極道は信用ならん」
    辰「嫌われてんねぇ。ま、このことは俺と卯杏、あと信頼してる人間数人のみしか知らねぇ話だ。他言無用で頼むぜ」
    巳「だぁぁから人の話聞けや!!」
    卯「つべこべ言わねえでお前は礼言ってりゃいいんだよ。貧乏育ちは人に礼も言えねえぐらい品性欠けてんのか」
    巳「………ッッ」
    辰「卯杏も言い過ぎだっつの」
    ・結果、現在は感謝もしているし申し訳ない気持ちもありつつ、かといって全部肩代わりされたとあっちゃ一生頭が上がらないので、勝手に借金を全部返すつもりで、給料の半分は返済用の資金として貯めている。故の貧乏生活。教師になった理由は「給料が良いから」「……あと、世話になった先生みたいに、……なんでもないわい!!」そういうわけである
    ・成酉が入学してきたときは、巳暮は気づいていなかった。組も違うしそこまで関わる機会もなかった。元の名字なんて同じ人間はいくらでもいる。なので、三枝成酉の名前には気付いていても、そいつが自分と血のつながった弟であることは知る由もなかった。
    そこから1年がたち、成酉が2年生になって1か月が経った頃。不意にすれ違った生徒の目が気になった。左目の色が変色している。(玉の緒でも結んだか……)と思ってそのまま通り過ぎようとしていたが、不意に振り返る。あの目つき、髪色。聞こえてくる関西弁。嫌な予感がして、職員室に帰って名簿を確認し、三枝成酉の名前を見つける。……間違いない、こいつが親父とあの女の……と確信を得た瞬間だった。
    ・意識すると目にも耳にもつくもので、気が付いたら目で追っていた。成酉の姿を見かける度に、自分たちを追い出した時の父親の苦渋の表情と、浮気相手の勝ち誇った表情を思い出しては、憎しみに支配されそうになっていた。
    ・そこからまた2か月、そして秋口には、成酉の風貌がまた変化していた。左目を布で隠すようになり、両手の爪が長く変化していた。恐らくは玉の緒結びの影響だろう。怒りに身を任せ、すれ違った時には咄嗟に成酉の胸倉を掴んでいた。
    巳「随分と人間離れした風貌になったようで、情けないなぁ三枝くん」
    酉「……は?何やねんセンセ」
    巳「お前と半分でも同じ血が流れてるかと思うと虫唾が走る。……あぁ、いつでも神化してくれてえぇよ。その時は俺が殺したる」
    という会話につながる的な。
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