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    さくらい

    さくらい(@kkk_turnA)の企画用ログ。作業進捗もこっちに。自創作系は未定。

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    華軍 廻藤英路の過去話メモ

    ・日本舞踊の家系。実家は玉兎。外館家とは長く親交があり、日和やその従姉も舞踊を習いに来ていたため、子供のころから仲は良かった模様。父親も元玉兎生だったが、英路が五社に入学の際、猯として組分けされたことに、家の空気がややどよっとしたらしい。同い年であった日和には同組でないことを嘆かれた。

    ・いたって真面目な生徒。もともと口数もそう多くはなく、部活やバイトもせず、実家に通って舞踊を学ぶ日々。その中で、1年の終わりごろ、相馬岳久という男と仲良くなる。学年は一つ上の先輩だったが、当時読んでいた小説の内容で意気投合したからである。そのまま契約という形で隣にいたが、2年生の秋頃、実家から自分の寮に帰る支度をしていた頃に、相馬から連絡があったことに気づく。
    折り返し電話を入れると、出た相手は、相馬の友人であった卯杏。そこで、相馬が神の攻撃により死んだことを告げられる。「相馬から連絡があったろ、どうして来なかった」と卯杏に電話越しに詰められる。相馬自身は、英路が頻繁に実家に通っていることは知っていたため、電話に出られなくても仕方ねぇな、という反応だった。それに甘えていたことは事実だが、いざ詰められると何も言葉を返せなかった。

    ・後日卯杏からキツい事言って悪かった、謝罪を受けたが、それ以降英路は冷めたような、やや自虐的な発言が目立つようになる。友人の死も、友人の契約者の死も、あとから聞くことが増えた。その頃から、紫陽花柄の護符を使うことが増えた。(紫陽花は元契約者=相馬の血華でもあった)

    ・卒業を間近に控えたとある日のこと。実家にて稽古中に何故か胸騒ぎがしたため、携帯のみを掴んで家を飛び出した。文で神の出現を知り現地に向かうが、そこには倒れている日和の契約者ーー八宵の姿のみ。日和の姿はどこにもなかった。すぐさま連絡して八宵を病院へと送り、自身も病院に向かう。目が覚めた八宵に事情を聞けば、重傷ながらに神を撃退したらしいが、日和への玉の緒結びが間に合わなかった、神化させてしまったと話す。英路は「そうか」以外の言葉を発することが出来なかった。まただ。また、大切な友人たちを看取ることも、止めることも出来なかった。

    ・その後、教師になる気は更々なかったため、大学にも進学しなかった。もうあんな思いは御免だと思っていたし、自分があそこにいて何か出来るとも思っていなかった。ので、実家に戻りひたすら家業である舞踊の稽古に勤しみ、20歳の頃には父の代わりに師範代を務めるようにもなっていた。煙草を吸いだしたのはその頃。

    ・が、21歳の頃。一人の少女に舞踊を教えることになった。所作は丁寧だが、何をしていても浮かない表情をした少女。彼女に舞踊を教えるごとに、自分と踊るときだけは少し表情が和らいでいく様子を見て、自分の言動でも、他人に何かを与えられるのか、とひどく安堵した自分に驚く。

    ・その年に大学に進学し、22~25歳の間の4年間は大学に行きながら舞踊を教え、26の頃に教師として再び五社学園に戻る。卯杏や八宵、匡夜が学園に教師としていることは、とうに知っていた。だからこそ、自分も此処に戻り、行く末を見届けながら、自分に何かできることがあるのではないかと模索しようと決めた。

    ・だが、学生時代に喪失した自信や苦い想いが消えることはなく、理想と現実の狭間で悩むことも多い様子。その中でも、自分と契約をしてくれた少年には、最初こそ放っておいたら死ぬなとは思っていたが、自分にとって真新しいものばかりをくれるので、現在は多大な感謝がある。あの日少女に出会って感じたことは、今になっても生きてくるものだと、少し自分を誇らしく見えるようになりつつある。
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