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    もものかんづめ

    @kmjy25

    いろんなCP書いて投げる場所
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    もものかんづめ

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    列車に乗っている丹楓さんと丹恒の牙の話
    ネタメモしてあったところまで…

    ##楓恒

    幕間の楓恒㉔ 皆が寝静まった深夜にアーカイブ室の中で、意識を集中させて丹恒は姿を変じさせた。本来の姿は飲月君としての姿の方だとしても、こちらの姿ではなかった期間が長く力の扱い方はもちろんだが他にも普段の姿との差があり自分が不慣れなせいで他の皆に迷惑をかけないように慣れておく必要がある。
     昼間は誰が来るかわからないアーカイブ室で姿を変じてしまうことはできないので、誰も来ないであろう深夜に皆には秘密にしていたが、度々姿を変えていた。
     無事に変わった姿に、は…と息を吐き出して口を閉じた瞬間、ちくりとした小さな痛みに丹恒は、一瞬顔を顰めた。
    「…っ、…は、…またか」
     下唇を指先でなぞると紅いものがつく。普段よりも大きさも変わり鋭さも増した犬歯で唇に傷をつけてしまうのは今日が初めてというわけではなく、深夜悪夢に魘されて起きた時にこの姿になっていると度々起こっていることではあった。
     直さなければいけないとは丹恒も思ってはいるのだが、ふとした瞬間に誤って傷をつけてしまう。
    「意識をしすぎているのではないか」
    「…丹楓」
     指先についた血を拭き取ろうと布に手を伸ばすと、横から伸びてきた手に顎を掴まれ顔の向きを変えさせられた。
     変じた時には部屋に居なかったはずだが何時頃戻ってきたのか、顕現のタイミングが読めない丹楓が部屋に戻ってきていて丹恒は小さく息を吐き出す。
     掴まれたところを振り払うこともできるが、眉を寄せ先ほどの丹恒以上に顔を顰めた様子で丹恒の唇に視線を向けている丹楓にそんなことをしても諦めないだろう。
    「…ぅッ、」
    「傷をつけるなとは言わぬが、其方自身の牙で傷をつけることは気を付けねばならぬ」
    「-うッ!?」
     丹恒の唇を指先で弄ぶように触れていた丹楓の指先が丹恒の薄く開いた唇の隙間から口の中に入ってくる。歯の生え際や、並んでいる所をつつ…と指先で撫でられる。
     口を閉じることも舌で押し出すこともできず丹恒は半開きになった唇のまま丹楓へとじとりと視線を向けた。
    「僅かでも力を込められれば、余の指先に傷痕ができるだろう…噛んでみるか?」
    「う゛ぅ…!」
     つん、と牙の先端に丹楓の人差し指の腹が触れる。丹楓の言う通り少しでも意識して力を込めれば丹楓の指先に噛み痕を残してしまうだろう。
     だが、丹楓の肌に傷をつけたいわけではない。丹恒は牙に触れている丹楓の指先を誤って噛まないように気を付けながらゆるゆると首を振った。
    「そうか…ならば、なにをされても牙をたてぬようにしなければならぬな」
    「は、ぁ…っ…丹楓、なにを…」
     口の中から丹楓の指は出ていったが、顎を掴んでいる手は変わらず。先ほどよりも強い力で掴まれているような気さえしながら、丹恒は丹楓から視線を逸らすことができずにいた。
    「丹恒、噛まぬようにせよ」
    「な…ッ、……んぅッ!?」
     ぐい、と顎を持ち上げられ重なり合った唇に目を見開く。突然のことで体がびくっと跳ねあがり強張ってしまった。
     丹恒が意図せずとも、強張った体は無意識に体を動かし重なり合った丹楓の唇に僅かに牙が当たる。
    「……、ふ、……もう一度だな」
    「は……、丹楓、やめ…っ、んぅ…」
     小さく笑みを浮かべた丹楓の顔が離れ、額が触れ合いそうな程近くにある丹楓の息が唇にかかる。丹恒の静止も虚しく再び丹楓の唇が重なり合った。
     強張らぬように、牙を立てぬように意識をする。不意打ちではなく今度は触れると事前に言われていたから丹楓の唇に牙を立てることはなかった。
    「…ん、むぅ!?」
     だが、にゅるりと丹楓の舌が差し込まれ丹楓の牙を傷つけぬように意識をしすぎたせいで口の中で無防備になっていた舌を絡めとられて舌を吸い上げられると先ほどとは別の意味で体が跳ねる。
     意識をしていなかった性感を昂らせるように丹楓の舌に吸われて、自然と息が乱れていく。
     は、と息を吐き出す頃には丹楓の着物の袖に手を添えることしかできない程体から力が抜けていた。
    「…、は、…は、…たんふ、…いきなり何をする」
    「ふむ、これだけでは牙はたてぬか…では、次を試してみよう」
    「な…、っ…」
     気づかぬ間に顕現していた丹楓の尾が布団へと丹恒の体を倒してくる。衝撃に息を飲んでいる間に丹楓の体にのしかかられ、逃げることもできなくなった体勢に丹恒は息を飲んだ。
    「丹恒よ、牙をたてぬように尽力せよ」
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