好奇心は猫を何とやら「……丹恒?」
景元が驚いたように目を見開く。それもそうだろう。何故なら丹恒が景元の上に乗り上げているからだ。
いつも丹恒が景元と共に夜を過ごす時は、決まって共に湯浴みをし、時に身体を重ね、同じ寝台で抱き合って眠るというのがいつもの流れだった。その過ごし方に問題はない。問題があるのは景元との夜の行為。
すなわち性行為であった。
彼が乱暴だとかそういう訳では無い。ただ途中から記憶が飛んでしまうくらいに乱れさせられる事が問題なのだ。丹恒はいつも精一杯なのに、どこか余裕のある景元に少し不満があった。余裕を無くした姿を見てみたいと思うのは何らおかしな事ではないだろう。
──ほんの少しの意趣返しのつもりだった。
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