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    もものかんづめ

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    へっだーはきりさんからのいただきものです
    𝑩𝑰𝑮 𝑳𝑶𝑽𝑬______

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    もものかんづめ

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    こんな空気感の良乱が好きなんだと思うんですけど
    まだふやふや解釈すぎてまとまりきってはいないのでおいおい固めたいなと思いつつ
    すけべな話はそれはそれですきだ

    ###良乱

    付き合ってないけど気持ちはあるかもしれない良乱①寒空の下、息を吐き出すと僅かに白く染る時間。
    修行中や体を動かしている時は考えもしないことを考えてしまう時間だ。
    前まではライバルの乱馬の顔を思い浮かべては憎たらしく思っていたのだが、最近の俺はどこかおかしい。
    乱馬を倒す為に修行をして、乱馬に挑み、敗れ、また修行に行く。変なことではないはずだ。
    だから乱馬が中国へ行った時、俺も中国に行った。変ではないだろう。
    だがそう言うと決まって皆、煮え切らない笑みを浮かべて同意をするのだ。
    そこで、俺は気づいた。
    もしかしたら、乱馬を中心に動いていることは変なことなのかもしれない。
    「...で?」
    「ん!?」
    乱馬のことを考えながら歩いていたせいか周りをよく見ていなかった。気づいたら、乱馬が塀の上にしゃがみこんでいる。
    考えていた内容のせいか心臓に悪い。
    少し裏返った声を誤魔化すように視線を逸らして咳払いをする。
    「こんなところで何しとるんだ、貴様は」
    「そりゃ、こっちの台詞だろ...どこほっつき歩いてるんだよ、ぶつかるぞ」
    乱馬にそう言われて、はじめて自分が乱馬が乗っている塀にぶつかりそうになっていたことに気付く。
    歩いていた足を止めて、乱馬へ視線を向けると軽い身のこなしで塀から降りてきた。
    「で?」
    「は?」
    「変だって話してただろ?」
    「だれが」
    「おめーが」
    「.........」
    考え事が口から転がり落ちていたようだ。
    まあ、だが、大したことを考えていた訳では無いので、小さく息を吐き出してから足を進める。
    「俺が変だろうがなんだろうが、修行をやめるつもりも貴様に果たし状を出すのをやめるつもりもない」
    結局、憎たらしく思っていた顔が憎たらしく感じなくなったとしても。それがおかしいことだと薄々思っていたとしても。
    俺は乱馬に勝つために修行をすることを。
    乱馬に毎回果たし状を書くことをやめるつもりはなかった。
    なぜときかれても答えられんが。
    「へー」
    「貴様から聞いてきたというのに、なんだその反応は」
    「あー、つまり...何も変わらないってことだろ?」
    俺に合わせて歩いているようで、俺より半歩先を歩いている乱馬はしっかりした足取りでどこかへ向かっているようだった。
    「たしかに何も変わらないが」
    「なら、別にいいだろ」
    「そういうものか?」
    「そういうもんだろ」
    「...そうか」
    よくわからんが、別にいいと言うならこの話は別になんでもないことなんだろう。
    それよりも、俺には気になることがあった。
    「それで?」
    「ん?」
    「貴様はこんな時間になんで外にいる?」
    息が白くなるような夜中には、いつも寝ているだろうに。
    じとっとした目を乱馬の方へ向けると1回首を傾げたあと思い出したように手を打った。
    「窓から見慣れたバンダナが見えたから、良牙だと思ってたら兵にぶつかりそうになってたんで...笑ってやろうかと」
    「貴様...」
    「思ったけど、ちゃんと止めただろ!...ほら、着いたぞ」
    「ん?」
    乱馬に言われるまま視線を上げ、建物を見、表札へ視線を向ける。
    見慣れた響の文字。
    「ふぁ...じゃ、帰るわ」
    ひらひらと手を振って来た道を戻っていく乱馬の背中に声をかける。
    眠そうな顔をしながらも振り向いた乱馬に隠し持っていたそれを投げつけた。
    「明日遅れずに来い」
    「おめーがな」
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    maru464936

    PASTTwitterの過去つぶやきまとめ。リーゼお婆ちゃんが亡くなった時のちょっとした騒動。語り手はフィーネ似の孫だと思う
    無題孫たちの述懐で、「母方の祖父は、物静かで穏やかなひとだった。」みたいに言われてたらいいよね。

    「だから私たちは、祖父にまつわるさまざまな不吉な話を、半ば作り話だろうと思っていた。祖母が亡くなった日、どこぞの研究所とやらが検体提供のご協力の「お願い」で、武装した兵士を連れてくるまでは。
    結論から言うと、死者は出なかった。数名、顎を砕かれたり内臓をやられたりで後遺症の残る人もいたみたいだけど、問題になることもなかった。70を超えた老人の家に銃を持って押しかけてきたのだから、正当防衛。それはそうだろう。
    それから、悲しむ間も無く、祖父と私たちは火葬施設を探した。
    私たちの住んでいる国では、土葬が一般的だけど、東の方からやってきた人たち向けの火葬施設がある。リストから、一番近いところを調べて、連絡を入れて、みんなでお婆ちゃんを連れて行って、見送った。腹立たしいことだったけど、祖母の側に座り込んだまま立てそうになかった祖父が背筋を伸ばして歩けるようになったので、そこは良かったのかもしれない。怒りというものも、時としては走り出すための原動力になるのだ。
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