【天みつ】マリマリオールスターズより「ただいま。」
今日の撮影を終えて、天はメンバーと暮らしている部屋に帰宅した。
「おかえり天!今日は前にやったブライダル情報誌のリバイバル撮影だったんだよね。どうだった?」
リビングに入ると、ちょうど龍之介が夕飯の準備をしているところだった。
「大勢のメンバーでの撮影だったからかな。すごく刺激になったよ。百さんや和泉三月のおかげで撮影の雰囲気もすごく良かった。」
天は荷物を下して、紙袋の中から赤いリボンで結ばれた大きな花束を取り出した。
「お前の仕事ぶりも期待できそうだな。その花束、撮影で使ったやつか?」
その花束に言及したのは、ソファで雑誌を読んでいた楽。
「当たり前でしょ。撮影で使った小道具、持って帰って良いって。リビングに飾っていい?」
「いいよ!花瓶持ってくるね。それ、一輪だけ花の雰囲気が違うね。」
大きな淡い色の花で構成された花束の中に、小さいが真っ赤な薔薇が一輪。
「本当だ。……って、それだけ抜くのか?」
天はその一輪を花束からそっと抜き出して、自室へ持っていく。
「これはリボンと一緒に交換したんだ。これはボクの部屋に飾るよ。」
「交換って……誰と?」
天は不敵に笑って、口元に人差し指を当てた。
「ふふ、秘密。」
***
同じころ、撮影を終えたメンバーがIDOLiSH7の寮にも帰宅していた。
「あれ、三月の花ってそんな色してたっけ?赤いのじゃなかった?」
三月が貰って帰ってきたという小道具の花を目にとめて、陸が尋ねた。
三月が手に持っていたのは淡いピンク色の大きめの花。
「ああ、交換した花だから。オレのじゃないんだ。」
「小道具も前回と同じものを使ったんですよね。リボンもレースが付いたものではなかったはずですが。」
一織の目線も三月の手元の花を追う。
「そう、リボンと一緒に交換したんだ。部屋に飾ってくるな~。」
「いいなぁ~、オレも天にぃと交換すればよかったなぁ~!」
「交換って兄さん、だ、誰と……?」
悔しがる陸と落ち着かない一織を背に振り返り、三月はニッと笑って口元に人差し指を当てた。
「ん~?秘密っ!」