ゼルギウスが人間不信になりそう「ユストクスは、実は文官だったのですか?」
「いえ? ゼルギウスも知っての通りの側仕えですよ。文官の仕事もできるだけで」
「本当ですか? フェルディナンド様のお話から察するに、戦場でも前線で戦っていたのでしょう。文官でも普通そんなことはしませんよね?」
「あれは、成り行きもありますね。講堂という限られた空間で、是非とも捕らえねばならない相手がいましたし、敵も非常に強かったですから」
「そもそも、普通の側仕えや文官は戦えないと思うのですが……」
「おや? ローゼマイン様はあれほど虚弱でいらっしゃっても、前線で戦っておられましたよ?」
「恐れながら、ローゼマイン様も一般的な領主候補生とは言い難かったかと……」
「ユストクス、ゼルギウスをからかうのもほどほどにしておけ」
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